世界最大「自動車の祭典」を現地リポート!北京モーターショー 中国『EV競争』の″華やかさと陰り″ | FRIDAYデジタル

世界最大「自動車の祭典」を現地リポート!北京モーターショー 中国『EV競争』の″華やかさと陰り″

「空飛ぶクルマ」やスマホ企業が手掛ける新型EVが注目されるなか、価格破壊や過剰供給による弊害で、さまざまな歪みも浮かび上がって……

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『エアロHT』と名付けられた空飛ぶEV。予約販売は今年中に開始されるが納車日は未定。同時に法整備なども進められている
『エアロHT』と名付けられた空飛ぶEV。予約販売は今年中に開始されるが納車日は未定。同時に法整備なども進められている

躍進ぶりを表す、豪華な祭典だ。

4月25日〜5月4日に行われた『北京モーターショー』が閉幕。国内外から1500社以上が、東京ドーム約5個分という広大な敷地に集結した。

「EV開発において中国は世界を牽引する存在です。とくに盛況だったのがスマホで知られる総合家電メーカー『シャオミ』が開発した新型EV。価格の安さと驚異的な加速性能をウリに、3月末に受注開始するや24時間で約9万台の注文があったそうです。
自動車メーカー『シャオペン』は空飛ぶEVを発表。車体後方に収納された4本のプロペラを展開することで、超大型のドローンのように飛行可能です。年内には予約販売も開始すると明かし、会場を沸かせました」(現地で取材した中国車研究家・加藤ヒロト氏)

今回は117台もの新車が発表され、10日間の来場者数は89万人に上った。

「日本メーカーも負けていません。トヨタとマツダは中国メーカーと協業し、彼らのバッテリーや車体を使用した新モデルを発表。巻き返しを狙います」(同前)

一方で、急速な成長の弊害も出ている。

「中国では政府主導のもと、EV開発に補助金や免税措置を行ってきました。新規参入が増加し、開発競争が進んだ結果、廃棄されるEVも増大した。2000台を超えるEVが破棄される巨大な『墓場』も出現。環境問題が懸念されています。
また、EV人気に陰りが見えつつあります。今春にはテスラがEV充電器部門の社員500人を解雇したことが話題になりました。ゼネラルモーターズやメルセデス・ベンツもEVの生産目標を下方修正しています。中国国内ではEV購入に関する優遇措置により需要が保たれていますが、海外での需要は失速し始めているんです」(全国紙経済部記者)

中国EVの今後はけっしてバラ色とは限らない――。

大きな注目を集めた『シャオミ』のブース。話題のEVを見られるとあり、入場制限が掛かるほどの人気だった
大きな注目を集めた『シャオミ』のブース。話題のEVを見られるとあり、入場制限が掛かるほどの人気だった

『FRIDAY』2024年5月24日号より

  • PHOTO加藤ヒロト

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