父・和博氏もスタンドにどっしりと座って熱視線…慶應大4番・清原正吾はプロでも通用する才能なのか
「6年間のブランク」と「ジュニアの重荷」を乗り越えて――
「ウッシャーーーーー!!」
左中間フェンス直撃の二塁打を放った主砲は、雄叫びをあげ何度も塁上でガッツポーズを繰り返した。
5月4日の立教大戦で決勝点を叩き出した、慶應大の4番・清原正吾(しょうご)(21・4年)だ。父親はスタンドにどっしりと座り熱視線を送っていた、プロ通算525本塁打のレジェンド・清原和博氏(56)。試合後、正吾は報道陣へこう抱負を語った。
「清原ジュニアじゃなくて、清原正吾として名を響かせたいと思います」
経歴は異色だ。少年野球チームでプレーし、慶應の付属中学ではバレーボール部に、高校でアメフト部に所属。6年間のブランクを経て大学で野球を再開したのだ。
「正吾が野球から離れていた時期は、和博氏が”荒れていた頃”に重なります。和博氏は亜希夫人への暴力疑惑などにより’14年8月に離婚し、正吾や次男・勝児(19)とも別居。’16年2月には、覚せい剤取締法違反で逮捕されました。正吾は父親の相次ぐトラブルで、野球から離れたくなったのでしょう」(慶大関係者)
野球再開の契機はコロナ禍だった。
「コロナで高校の部活が活動中止となり、疎遠だった父親と野球の練習を始めたとか。正吾はあらためて『オヤジとキャッチボールができる幸せや野球の楽しさ』を実感したそうです」(同前)
正吾は進路を「プロ一本」に絞っている。彼の才能について、和博氏と同じPL学園OBで、最近、正吾から挨拶されたという野球評論家の橋本清氏が語る。
「6年ものブランクがありながら伝統校の4番に抜擢されたのですから、相当な努力をしたのがわかります。ドラフトで上位指名を受けるかは、これからのがんばり次第ですが長い目で見て育てれば将来が楽しみです。お父さんの現役時代と同じような体格(186㎝、90㎏)で、大物スラッガーに成長する可能性があります」
清原ジュニアの重荷を乗り越え、正吾はプロで花を咲かせようとしている。
『FRIDAY』2024年5月24日号より