”超ブラック”だった時代はもはや過去? お笑い芸人の「ホワイト化」が進んでいる納得の背景 | FRIDAYデジタル

”超ブラック”だった時代はもはや過去? お笑い芸人の「ホワイト化」が進んでいる納得の背景

スタッフは見た!週刊テレビのウラ側

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’22年、『キングオブコント』で優勝した『ビスケットブラザーズ』の原田(右)ときん。直後から仕事が殺到して見事、東京進出の夢を叶えた
’22年、『キングオブコント』で優勝した『ビスケットブラザーズ』の原田(右)ときん。直後から仕事が殺到して見事、東京進出の夢を叶えた

’22年の『キングオブコント』王者、『ビスケットブラザーズ』が今春から活動拠点を東京に移したが、その新居の家賃が話題を集めている。

「ボケの原田泰雅(32)が30万円、ツッコミのきん(33)が21万円だったんですよ。彼らのほかに『さや香』ら10組以上の大阪芸人が今春から東京に進出しているのですが、ほぼ同クラスのマンションに住んでいるようです。いずれも金額は本人たちがテレビなどで明かしており、意外に高額なギャラを貰っているんだな、とファンや視聴者が驚いていますね」(放送作家)

「1ステージやって500円」「ギャラの取り分は会社9割、芸人1割」などと芸人が吉本興業のブラックぶりをネタにしていたのも今は昔。’19年にFRIDAYがスクープした″闇営業″騒動以降、「かなり吉本はクリーンになったようです」と制作会社ディレクターが言う。

「劇場のギャラや自社案件に関しては大きな変化はないようですが、営業など外部からの仕事に関しては″芸人のランクにかかわらず、取り分は5割″と契約説明会で提示されているそうです。

かつて営業といえばギャラは取っ払いで、金額を知っているのは事務所のみ。芸人には実際の半分以下のギャラを払って残りは事務所に――なんてスタッフがいた時代もあったようですが、芸人ファーストが定着し、不満の声は減りました」

コロナ禍も、芸人たちにとって追い風になったようだ。

「無観客公演に対応できるよう、吉本の主要劇場は配信用システムを整備。これまで、配信だとチケットがいくら売れようがギャラは同じでしたが、コロナ禍以降は配信チケットの売り上げに応じて、芸人たちに還元されるシステムになりました。

数万枚単位でチケットが売れると、数百万円ものギャラが手に入るケースも出てきたのです。劇場が主戦場で一般的な知名度が低くても、月収50万円を稼ぐ芸人もいます」(前出・放送作家)

配信ライブやYouTubeで食べていけるようになったため、テレビ出演にこだわらない若手芸人が増えている。

「昨年の『M‐1グランプリ』王者、『令和ロマン』がテレビ出演を重視していないのは有名な話ですが、地上波テレビのギャラは下がる一方。彼らのようにテレビは二の次という若手は珍しくない。ブレイクしたタレントが事務所に言われるがまま、寝るヒマもないほど仕事を入れられることも減りました。

あまりにブラックだと、SNSで暴露されてしまいますから。″全国に劇場がある吉本の芸人がいちばん稼いでいる″ともっぱらの噂ですよ」(前出・制作会社ディレクター)

コンプライアンス重視の姿勢も、吉本は徹底しているという。

「3月には都内の劇場で大規模な研修会が行われ、女性トラブルに関する注意喚起がなされる場面もありました。闇営業騒動以降、若手芸人も契約書を結ぶようになりましたが、あくまでも個人事業主扱いなので強制的に何かを禁止することはない。

所属芸人が多いので、請求書の送付が遅れてギャラの支払いが遅延するケースはたまにあるようですが、相当クリーンになりました」(吉本興業関係者)

お笑い芸人が超ブラック職だった時代は遠くなりつつあるのだ。

『FRIDAY』2024年5月31日号より

  • PHOTO足立百合

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