ANAの“空飛ぶホテル”A380ハワイに就航!王者JALに挑む | FRIDAYデジタル

ANAの“空飛ぶホテル”A380ハワイに就航!王者JALに挑む

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GWの10連休特需に沸いている旅行業界。その中でも、とりわけ人気なのがハワイ路線だ。日本とハワイ間の往復航空券は、2ヵ月前からほぼ満席の状態だとか。

そんなハワイ路線で、今熱い戦いが繰り広げられている。この路線で30%以上のシェアを占める王者JALに、ANAがその牙城を崩すべく戦いを挑んでいるのだ。その戦いの目玉になるのが、ウミガメの機体と綾瀬はるかを起用した広告が話題の超大型機A380だ。いよいよ今年、5月24日に成田-ホノルル線に就航する。

A380は4機のエンジンを搭載し、全長72.7m、全幅79.8m、520席を誇る総2階建ての超大型機。長距離&大量輸送が可能な機体で、これまで海外のエアラインでも多く採用されている機体だ。4発機といえばボーイング747、通称「ジャンボジェット」が長らく有名だったが、現在ではANA、JALともに退役している。A380のハワイ線は、日本の大型機ファンにとっては待ちに待った就航なのである。

この飛行機の魅力とチェックポイントを『月刊エアライン』(イカロス出版)で「ヒコーキ女子の生態学」を連載中のヒコーキ愛好家の漫画家・蘭木流子氏のイラスト&コメントと共にレポートする。

就航地のハワイをイメージした三色のウミガメが順次就航予定

「就航地のハワイをイメージしたANAブルー(空)・エメラルドグリーン(海)・サンセットオレンジ(夕日)の三色のウミガメが順次就航予定。色の違いだけでなく、よく見るとそれぞれ目元が違っているのもかわいいですね」(蘭木流子さん 以下同)

大きすぎて羽田空港には、就航できない?

このA380が就航するのは成田空港。なぜ「羽田空港」ではなく「成田空港」なのだろうか。羽田空港にもA380に対応するスポットはあるのだが、ある理由があって現状では就航が見送られている。それはエンジンを4機積んだ大型機ならではの問題。 

A380は全幅79.8mの巨大な翼を持っているため、その翼が巻き起こす〝後方乱気流″によって、後続の飛行機が大きな影響を受けてしまうというものだ。小型のプライベートジェット機がA380とすれ違った際に、後方乱気流に巻き込まれて機体が裏返ってしまったという例もあるほど。現状の羽田空港では、発着便数が多く、A380の後方乱気流を避けるためには便数を減らさなければならないというジレンマが発生してしまう。

そのほか、多くの航空会社が採用している中型機ボーイング777よりも全幅が15mも長いため、誘導路などの問題もあるのだとか。そのため、現状ではA380に乗るのなら、関東からは成田空港から、ということになる。

丸いフォルムにぴったりの機体デザイン

 

「ANAのA380の機体は、公募で決まったウミガメのデザインです。A380は機首に丸みがあってかわいいフォルム。この機体にウミガメはぴったりのデザインではないでしょうか。ANAはかつてジャンボジェット(ボーイング747)をクジラにした特別塗装機<マリンジャンボ>を飛ばしていて、どちらもその機種のフォルムにぴったり合った塗装。その愛らしい姿はヒコーキ女子的にも高ポイントです」

1機500億円! これを100機以上も所有するエアラインがある

世界最大の飛行機、A380。その価格も世界最高で、カタログ価格で1機約4億4000万USドル。日本円で約500億円(!)。一度に500人以上乗れるとしても、いったい何回飛んだら“元”が取れるのだろうか、と心配になってしまう。 

そんな高価な飛行機を100機以上所有しているエアラインが、アラブ首長国連邦のドバイを本拠とするエミレーツ航空だ。航空業界初の試みとしてファーストクラス用に、ラウンジバーやシャワーを備えた2つのバスルームが装備されたことでも話題になった。最近のニュースでは、今後受領予定だった39機をキャンセルし、A380の生産終了決定の引き金になったことが報じられた。とはいえ、2021年までに残りの14機を受領し、合計123機を運用することになる。 

一方、2007年に世界で初めてA380を導入したシンガポール航空は、2019年7月から成田―シンガポール路線に、最上クラス「スイート」が個室仕様になったA380を投入する。座席の“ほかに”フルフラットベッドが備え付けられており、まさに、“空飛ぶホテル”だ。

どちらのエアラインのA380も、成田と関空に就航しているので興味がある方はぜひ!

ANAのA380のファーストクラスのアメニティは、なんと「グローブ・トロッター」

「これほしさに『ファーストクラスに乗りたい!』と思うヒコーキ女子が続出しそうなかわいいアメニティにも注目です。グローブ・トロッター愛用者にはたまらないアメニティケースがファーストクラスで採用されているのです! アメニティケースとしては世界初のレアものです。そのデザインは精巧なミニチュアのようで、本物のトランクの上に置いて写真を撮ればインスタ映えも間違いなしでしょう」

今年で65周年を迎える日本―ハワイ路線 最大の悩み「時差」を解消できる!?

最初に日本の航空会社の飛行機がハワイに降り立ったのは、1954年2月2日。JAL最初の国際線定期便、日本―サンフランシスコ線の経由地(ウェーキ、ホノルル)としての就航だった。その後、東京-ホノルル間が無着陸飛行の定期便で結ばれたのが、1958年。飛行時間は、15時間55分、使用された飛行機はDC-7Cで座席数は48~72席(国際線仕様)。就航当時はファーストクラスしか設定がなく、その料金は日本人のサラリーマンの平均収入が1万6千円の時代に、23万4千円だったとか。 

そして、65年後の今、飛行機の性能は格段に進歩して身近なものになった。が、ハワイ旅行で悩ましいのが19時間の時差。ハワイ到着が午前中になり、寝不足と時差で、ホテルのチェックイン時間までフラフラっていう経験がある人も多いはずだ。こればっかりは、技術の進歩でも解消できない。そこで重要になるのが機内での過ごし方だ。

今回就航するANAのA380で注目したいのが、エコノミーの一部に設置されている「カウチシート」なるもの。このシートは、ニュージーランド航空が初めて採用し話題になったもので、座席の下の折り畳み式のフットレストを引き出してフラットシートを作れるというもの。ひとりで3席占領して到着まで“爆睡”っていうのも可能だ(要追加料金)。

カウチシートでプチゴージャス気分

「エコノミークラスでは日本の航空会社で初となるカウチシートが採用されています。『もっとゆったり座りたいけど、ファーストやビジネスはちょっと……』という人は、エコノミーのカウチシートやプレミアムエコノミーでちょっと贅沢な気分を味わうという選択もアリです」

 

毎年150万人以上の日本人が訪れるというハワイ。今回の大型機の就航で、“価格競争で航空券が値下がりするのでは?”“マイルを使った特典航空券が取れやすくなるかも?”といった情報もある。これは、ハワイ好きじゃなくても、ともに大歓迎だ! この夏のバカンスは、ウミガメに乗ってハワイに。

 

↓ 蘭木流子『今日もヒコーキに会いに行く』はコチラ ※この漫画は2016年3月に発行されたもので、作中の情報は当時のものです。※映画のネタバレが含まれます。

「”空飛ぶホテル“と呼ばれるA380のファーストクラスにクラクラ」

  • イラスト蘭木流子(らんき・りゅうこ)

    漫画家、イラストレーター、旅客機愛好家。雑誌『月刊エアライン』(イカロス出版)にて4コマ漫画&コラム、雑誌『素敵なフラ・スタイル』(同)にて4コマ漫画、フリーペーパー『遊・悠・WesT』(ネクスコ西日本)にて短編漫画連載中。著書『今日もヒコーキに会いに行く』(イースト・プレス)

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