経済評論家／マネーコンサルタント　(株)Money＆You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に起業。ニュースメディア「Mocha（モカ）」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA＆iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X（旧Twitter）→@yorifujitaiki

頼藤 太希

<h3><span class="strongInContent">「オルカン」だけでいいのか…？</span></h3>
<p>ウェルスアドバイザー「投資信託への資金流出入速報」（’24年５月）によると、’24年４月の国内の株式投資信託（ETF除く）の資金流入は１兆5379億円。４ヵ月連続で１兆円を超えています。</p>
<p>純資金流入額上位25ファンドのうち17ファンドが国際株式型であり、トップは「eMAXIS Slim全世界株式（オール・カントリー）」（以下、オルカン）が1813億円の資金流入です。オルカンは、６ヵ月連続で全ファンド含め流入超過額トップとなっています。</p>
<p>今回は、そんな人気の「オルカン」に投資するだけで良いのか、一緒に考えていきたいと思います。</p>
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<figure id="attachment_375894" aria-describedby="caption-attachment-375894" style="width: 640px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="43e43328"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/347d13edf341564bcfbf8d273631c296.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-375894" class="wp-caption-text">６ヵ月連続で全ファンド含め流入超過額トップの「オルカン」だけど…</figcaption></figure>
<h3><span class="strongInContent">そもそも「オルカン」とはどんな投資信託？</span></h3>
<p>オルカンこと「eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）」は、日本を含む全世界の株式市場の動きに連動する投資成果を目指して運用される全世界株式インデックスファンドです。</p>
<p>日本を含む世界の先進国23ヵ国・新興国24ヵ国、約3000の大型株で構成された株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」（MSCI ACWI）への連動を目指します。全世界の株式市場カバー率は85%となっています。</p>
<p>オルカンの運用開始は’18年10月31日であり、本稿執筆時点（’24年５月23日）で運用から５年半が経過しています。純資産総額は３兆4484億円［’24年５月23日時点］、５年リターン（年率）19.66％［’24年５月17日時点］と、投資から順調にお金が集まり、堅実に利益を出せていることがわかります。</p>
<p>人気の秘訣は、保有中のコスト「信託報酬」が年0.05775%と最安水準であること。実質的に投資家が負担する総経費率（’22年４月26日〜’23年４月25日）は、0.15%と低水準を維持しています。なお、信託報酬が年0.05775%となったのは、’23年９月８日からです。</p>
<p><span class="strongInContent">また、オルカンには純資産総額が増えると投資家が実質的に負担する信託報酬率が少しずつ下がる「受益者還元型信託報酬」の仕組みも用意されています。</span></p>
<p>ところで、オルカンが連動する世界株価指数「MSCI ACWI」は、次の地域に資産を分散しています。</p>
<figure id="attachment_375899" aria-describedby="caption-attachment-375899" style="width: 886px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="ee30a198"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/bb052652551396e066ed6dae5d7c509d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-375899" class="wp-caption-text">【MSCI ACWIの地域の割合】MSCI ACWIのファクトシート［’24年４月末時点］より(株)Money&amp;You作成</figcaption></figure>
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<p>全世界株とあるので、全世界株に均等に投資していると思われた人もいるかもしれませんが、実際はグラフのとおり、米国だけで約６割を占めています。米国株の配分が多いということを知らない人も意外と多いので、覚えておきましょう。</p>
<p>米国株が多い理由は、米国が世界経済の中心で長らく成長してきたからです。米国が今後もずっと成長を続けるという保証はありませんが、オルカンでは米国以外の先進国・新興国も約４割組み込んでいるので、米国だけに集中するよりも分散投資効果が期待できます。</p>
<p>とはいえ、米国株の割合が多いのは事実です。</p>
<p>読者の中にはリスクヘッジをしたいと考えている人がいるかもしれません。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「投資信託」への投資なら…"></div>
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<p>リスクを減らすならば、株だけに投資するのではなく、債券やREITなど値動きの異なる資産に投資をするというのが王道ですが、今回は「株」への投資を前提として、工夫していくことを考えます。</p>
<p><span class="strongInContent">１＿通貨や地域分散を考慮するなら「日本株インデックスファンド」「除く米国インデックスファンド」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>上述の通り、オルカンは日本株の割合が数%であり米国株偏重です。また、外国株はその国の通貨で購入するため、外貨の割合が大きく為替変動リスクも高くなっています。</p>
<p>よって、通貨や地域分散を考慮しながら、資産増を狙うならば日本株インデックスファンドに投資するのが一つの手でしょう。<span class="strongInContent"> </span></p>
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<p><span class="strongInContent">２＿積極的にリスクを取るなら「米国株インデックスファンド」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>一方でオルカン以上にリスクを取りたいと考えている人もいるかもしれません。その場合は、オルカンに加えて、米国株インデックスファンドに投資するという手があります。<span class="strongInContent"> </span></p>
<p><span class="strongInContent">３＿値上がり益＆分配金狙いなら「高配当株ファンド」</span><span class="strongInContent"> </span></p>
<p>暴落や下落相場への耐性を上げたい、値上がり益＆分配金を狙いたいということであれば、オルカンに加えて、「高配当株ファンド」に投資するのもひとつの手です。</p>
<p>新NISAで高配当株ファンドに投資をすれば、一生涯非課税で分配金を受け取り続けることができます。</p>
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<p>しかし、リスク許容度に合っていれば、オルカン１本でも全く問題はないかと思います。一方で、オルカンの特徴やリスク・リターンを踏まえ、リスクヘッジしたい、よりリスクを取りたいということであれば、組み合わせるのも面白いでしょう。</p>
<p>有料版「FRIDAYサブスク」では、目的別や狙うタイプ別に「オルカン」と合わせて持ちたい「もう一つの投資信託」とその訳を【実名銘柄入り】で詳しく紹介しています。</p>
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<blockquote><p><a href="https://friday.gold/article/239725" rel="noopener">有料版では「もう一つの投資信託」を【実名銘柄入り】で紹介している。詳細が気になる方はコチラ！</a></p></blockquote>
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マネーコンサルタント　(株)Money＆You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に起業。ニュースメディア「Mocha（モカ）」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA＆iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X（旧Twitter）→@yorifujitaiki

頼藤 太希（よりふじ・たいき）　

全世界株とあるのに、実際は米国だけで約６割を占めている「オルカン」。はたしてオルカン一択でいいのか？　リスクヘッジするべきか、攻めるか…。今回は「株」への投資を前提として、工夫していく方法を考えます。

リスクヘッジするか、攻めるか…投資のプロに聞く目的別「オルカン」と持ちたい「もう一つの投資信託」

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