中国勢を倒すための秘策が見つかった! 早田ひな「ミドルからの攻め」と「緩急」でパリの頂点へ | FRIDAYデジタル

中国勢を倒すための秘策が見つかった! 早田ひな「ミドルからの攻め」と「緩急」でパリの頂点へ

『WTTザグレブ』で、平野美宇・張本美和を圧倒して今季国際大会初制覇!

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
早田の世界ランクは現在5位。1〜4位は全て中国人選手だが、五輪でメダルを獲得し、トップ3入りを目指す
早田の世界ランクは現在5位。1〜4位は全て中国人選手だが、五輪でメダルを獲得し、トップ3入りを目指す

女王の強さが証明された戦いだった。

クロアチアで行われた卓球の国際大会『WTTコンテンダー ザグレブ』(6月3〜9日)で、パリ五輪女子日本代表の早田ひな(23)が優勝を飾った。

「8日の準決勝では、平野美宇(24)とフルゲームの死闘を演じて辛くも勝利を収め、翌9日の決勝では張本美和(15)をゲームカウント4ー0と圧倒しました。パリではチームメイトとなる二人に勝ち切ったわけですから、もはや国内に敵なしと言えるでしょう。とはいえ、今大会には世界最強の中国勢は不出場。五輪で最大のライバルとなる世界ランキング1位の孫穎莎(そんえいさ)(23)や、同4位の陳夢(ちんむ)(30)に、パリでどこまで渡り合えるかは未知数です」(スポーツ紙デスク)

5月30日〜6月3日に中国で行われた『WTTチャンピオンズ重慶』の準々決勝では孫にストレート負けを喫し、「孫穎莎選手や陳夢選手が10としたら、私は6くらい」とコメントした早田。無類の強さを誇る日本のエースであっても、中国の壁を崩すことは不可能なのだろうか? 元日本代表で卓球解説者の藤井寛子氏は、「ザグレブでの戦いが中国勢を撃破するためのヒントになる」と話す。

「今大会で特に良かったのは、早田選手の戦術の幅広さです。相手が弱点とする側を攻めるのが卓球のセオリーなのですが、トップクラスの選手はそれを逆手に取って反撃してくる。そうはさせまいとフォアからバック、バックからフォアへと大きくコースを変更しても、中国勢は両サイドの守りが堅いので決めきれず得点が難しいんです。
ところが今大会、早田選手は平野選手や張本選手に対し、ミドル(台のセンターラインに近い位置)の攻めを有効的に使っていた。ミドルのボールは身体に近いため、強打しにくく、サイドを警戒していた相手の体勢を崩すことができます。実は中国勢も、このミドルの攻めを苦手にしているんです。一度ミドルを意識させたうえで、得意とする両ハンドのドライブをコーナーに打ち込めば、高確率で得点に結びつくはずです」

とはいえ、相手はトップランカー。ミドルの攻めが単調になれば、それも対応されてしまうことは目に見えている。

「早田選手のこれまでの弱点は、ボールの質のバラつきでした。腕を大きく振れるチャンスボールのタイミングでは強い打球が打てるのに、相手に攻められている際に振りが小さくなるとボールの回転が落ちる。しかし、ここ最近は体幹が鍛えられたことで、コンパクトなフォームでも強い球が打てるようになった。球質を変えることなく回転に変化を加えたり、緩急をつけて相手を揺さぶることができるのです。サイドだけでなくミドルも攻め、多種多様なボールさばきで相手を揺さぶる。早田選手は今もなお、成長を続けています。自分のペースで試合を運べれば、オリンピックでの金メダル獲得も十分に可能です」(同前)

日本の女王から世界の女王へ――。パリの頂を望む早田の進化は終わらない。

『FRIDAY』2024年6月28日号より

  • PHOTOAFLO

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事