<figure id="attachment_378224" aria-describedby="caption-attachment-378224" style="width: 3932px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c99225e2"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/1d412989fc9805dcf1ac920a3b24621c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378224" class="wp-caption-text">サッカークラブ来日バブルの原因を作ったメッシ</figcaption></figure>
<p>海外の主要サッカーリーグのオフシーズンにあたるこの時期は、日本人にとって世界のトッププレイヤーを間近に観られるチャンスとなっている。</p>
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<p>昨年はマンチェスター・シティ（イングランド）を皮切りに、パリ・サンジェルマン（フランス）、バイエルン・ミュンヘン（ドイツ）といったビッグクラブが来日し、日本のサッカーファンを喜ばせた。今年は去年より多い14チーム（※数字は６月18日時点）が来日し、Jクラブと対戦することになっている。かつて香川真司（35）が所属し、今季のCL（欧州チャンピオンズリーグ）で決勝進出を果たしたドルトムント（ドイツ）や、三笘薫（27）が所属するブライトン（イングランド）など、日本人にとって馴染み深いラインナップ。５月29日に国立競技場で開催されたレアル・ソシエダと東京ヴェルディの一戦は、久保建英（23）の凱旋試合ということもあり、４万人もの観衆が集まった。</p>
<p>実は数年前まで、欧州のクラブがオフに遠征していたのは中国だった。だが、ある出来事を境にそんな風景が一変した。欧州クラブと日本を繋ぐエージェント会社の幹部は<span class="strongInContent">「今夏、14ものクラブが日本を訪れることになったキッカケは中国で起きた“メッシクライシス”です」</span>と打ち明ける。</p>
<figure id="attachment_378225" aria-describedby="caption-attachment-378225" style="width: 4589px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8bf571e6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/c1bed60bedbad8f8cc4aa08e9f72d764.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378225" class="wp-caption-text">レアル・ソシエダのジャパンツアーで来日し、躍動した久保建英</figcaption></figure>
<p><span class="strongInContent">「今年２月、リオネル・メッシ（37）擁するインテル・マイアミが香港で親善試合を行ったのですが、肝心のメッシは欠場。ところが、その３日後に日本で行われた親善試合には出場した。これに中国人たちが激怒し、メッシのSNSに中国語で誹謗中傷が書き込まれた。騒動を受けて中国サッカー協会は『レギュラー陣の９割を出場させる契約書にサインすること。それができなければ中国には呼ばない』と欧州の各クラブに通達しました。このオフには欧州選手権やコパ・アメリカが開催されます。どこも親善試合にレギュラーを出すリスクは取りたくない。それで脱・中国が加速したのです」</span></p>
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<p>このエージェント幹部は、欧州クラブを呼ぶのに<span class="strongInContent">「皆さんが思っているほど大きな金額は必要ない」</span>とも打ち明けた。</p>
<p><span class="strongInContent">「クラブの規模にもよりますが、１試合あたりおよそ２～３億円プラス経費という感じです。ただし、レアル・マドリードやバルセロナ、プレミアリーグのトップレベルのクラブになると10億円規模の金額が必要となります。アメリカや中東のオイルマネーで潤っている国は５年などの長期契約を結びますが、さすがにそこまでの財力は日本にはない。それでも、スポンサーの獲得やパートナーシップ締結、クラブ会員の獲得などのうまみはある。だから彼ら</span><span class="strongInContent">は日本にやってくるわけです。特にスペインのラ・リーガとドイツのブンデスリーガが熱心ですね」</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="来日バブルで懸念されること"></div>
<figure id="attachment_378226" aria-describedby="caption-attachment-378226" style="width: 2920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="31699a95"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/06/989f34c7aae42ca811d0909ddf833602.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-378226" class="wp-caption-text">今季最終節後に、妻のクリアさんと共にピッチに降りた三笘薫</figcaption></figure>
<p>６月上旬、来日中のラ・リーガの幹部は、筆者にこう話した。</p>
<p><span class="strongInContent">「マジョルカやレアル・ソシエダが日本企業とスポンサー契約を結んでいることからもわかるように、我々ラ・リーガはアジア、なかでも日本でのマーケット拡大を目指しています。日本はビッグクラブだけではなく、金銭的に裕福ではない規模のクラブでも集客が可能で、ビジネスチャンスがあると感じます」</span></p>
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<p>海外クラブも、対戦するJリーグのクラブも潤い、ファンは世界トップレベルの技量を間近で見ることができる。まさに三方良しと言えそうだが、いくつか懸念事項もあるという。</p>
<p><span class="strongInContent">「１つは、来日するクラブが多すぎて“飽和”していく恐れがあるということ。このペースで各クラブが来日すると飽きられてしまう恐れがある。たくさん来ればいい、という単純な話ではないのです」（同前）</span></p>
<p>選手ファーストの観点からも、今の状況は決して好ましくない――とエージェントの幹部は続けた。</p>
<p><span class="strongInContent">「過密日程を懸念する声が上がっています。来年からCL（チャンピオンズリーグ）のレギュレーションが変わりますから、一層その傾向は強くなる。今夏はユーロ（欧州選手権）が開催されるので、選手たちのオフは短くなっており、ケガのリスクも高まっています」</span></p>
<p>とはいえ、今後しばらく、オフシーズンを利用した欧州クラブの“日本巡業”は続く見込みだという。こうした背景を頭に入れて海外人気クラブとJクラブの試合を観るのも一興かもしれない。</p>
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栗田シメイ（ノンフィクションライター）

アフロ

今夏は14チームものサッカークラブが来日する予定で、まさに「来日バブル」といえる。この特異な状況はなぜ生まれているのか。その裏側には、サッカーバブルが崩壊しつつある中国の存在があった。

英1部・ブライトンほか14チームが参戦…「来日バブル」の裏にある海外名門クラブの“脱・中国路線”

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