はるかぜちゃん・春名風花が高校卒業「妖精引退宣言」の真意語った | FRIDAYデジタル

はるかぜちゃん・春名風花が高校卒業「妖精引退宣言」の真意語った

はるかぜちゃんが「“別名”で通った高校生活」、「現実世界で感じたこと」、「今後のTwitterとの関わり方」を明かす

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18歳になり高校を卒業した春名が「Twitterの妖精引退宣言」の真意を語った。(写真:竹内みちまろ)
18歳になり高校を卒業した春名が「Twitterの妖精引退宣言」の真意を語った。(写真:竹内みちまろ)

9歳でTwitterを始めた“はるかぜちゃん”こと春名風花(18)。一人称に「ぼく」を使い、歯に衣を着せぬ発言で注目を浴び、“Twitterの妖精”と呼ばれた。誹謗中傷や殺害予告に悩まされることもあったが、舞台に精力的に出演するなど活躍し、この春、高校を卒業。さっそく4月には、舞台「チームジャックちゃんが読んだ新選組公演『土方歳三伝 五稜郭異聞 乱』」に出演する。

そんな春名は18歳の誕生日(2月4日)を前に、今年1月26日、自身のTwitterアカウントにて、「18歳でTwitterの妖精を引退して、意見を言わない普通の女優になる予定なので……」と投稿し話題に。高校卒業後の第1弾舞台となる『土方歳三伝 五稜郭異聞 乱』の稽古場を直撃し、舞台をはじめこれまでリアル世界の中で感じたことや、女優としての今後の抱負、“Twitterの妖精引退宣言”の真意を聞いた。

「Twitterはじっくり考えて書いています。今でこそスピードがあがりましたが、はじめのころは、何度も書き直してから投稿していました。それでも、伝えたいことが伝わらなくて悩んでいた時期もあります。今でも気を遣って書いています」(写真:竹内みちまろ)
「Twitterはじっくり考えて書いています。今でこそスピードがあがりましたが、はじめのころは、何度も書き直してから投稿していました。それでも、伝えたいことが伝わらなくて悩んでいた時期もあります。今でも気を遣って書いています」(写真:竹内みちまろ)

■高校は「西村」の“別名”で通う、「気付かれてはいなかったと思います」

――まず、高校は無事に卒業できましたか?

春名風花(以下、春名):はい。出席日数はめちゃくちゃがんばって、ギリギリ卒業することができました。今年度は大学受験はしませんでした。今年の6月と8月、来年の3月にも舞台出演が決まっていて、冬にも舞台に出るかもしれません。今年は、すでに決まっている仕事がたくさんあり、仮に入学できたとしてもすぐに休学することになります。来年度は、通えるかどうかは別にして、大学受験はしたいなと思っています。

高校は「西村」という“別名”で通ったのですが、転校してきた中学のときの同級生ともう1人、ぼくのことを知っていた子がいました。その2人以外とは、ほぼ会話をしないまま終わりました。担任の先生がすごくいい方で、単位が足りないことで何度も相談をしたのですが、毎回、真剣に聞いてくれました。なので、仕事を続けながら卒業することができました。高校は通信制も採用している学校だったのですが、ぼくは通うスタイルでした。いじめなどの対策として、「クラスをなくす」、「担任制度をなくす」という意見もあり、そういったぼくの考えの元になった場所でもあります。

――「西村さん」として通いたいというのは、春名さんの方から高校に相談したのですか。

春名:そうです。小学校のときに、学校の近くで児童に「君の学校の春名風花っている?」と聞きまくっていた不審者が出没したのと、中学校では学校に“クレームの電話”がかかってきていたそうです。それで、「もういやだ」と思いました。警察の方にはずっと相談をしていたのですが、警察の方からのアドバイスもあって、私の方から、学校に相談しました。ぼくのような例のほかにも、親の離婚などの事情があって名前を変えたいという人は、相談しみているとよいのではと思います。

――実はみんな、「西村さん」が「春名さん」だと知っていたとか?

春名:それはないと思います。ぼくは目が悪いこともあって、高校ではめがねをかけていましたし、冬にはマスクもしていました。髪の毛もあえてボサボサのまま登校したりしました。私服の学校だったのですが、服も、わざとゆるめの服を着たりしていました。色々と工夫をしていたので、気付かれてはいなかったと思います。

「SNSでのイメージと現実世界のご自身は違うと感じる」と質問すると、「違うと思います。現実世界の方がポンコツです(笑)」(写真:竹内みちまろ)
「SNSでのイメージと現実世界のご自身は違うと感じる」と質問すると、「違うと思います。現実世界の方がポンコツです(笑)」(写真:竹内みちまろ)

■「Twitterの妖精引退宣言」の真意とは?

――18歳の誕生日を前に「Twitterの妖精引退宣言」をされましたね。

春名:はい。「Twitterの妖精引退宣言」の真意としては、“仕事に実害が出ない程度に意見を言っていくスタイルに変更する”ということです。ぼくは、ネット上で炎上するたびに、呼ばれていたイベントへの出演がなくなったりするのですよ(笑)。「当方としては春名さんにぜひ出演して頂きたいのですが、今からだと、どうしても警備を整える時間がなく……」など(笑)。そういった実害があったので、意見が分かれやすいようなことは言わないようにしようと思って、「Twitterの妖精引退宣言」をしました。また、18歳で選挙権が手に入ることも、「Twitterの妖精引退宣言」をした大きな要因のひとつです。

ただ、言ってしまうものは言ってしまいます(笑)。先日も、ある有名な方に対して、「子役はやらされているのではないですよ」という意見を書いて、「あのお方に対してそんなことを!」みたいなリプライをもらったのですが、ぼくは「天皇以外はみんな平等」だと思っていますし、そういうことがポロッと言えちゃうのもネットかなと思います(笑)。

また、今までずっと発信を続けてきた「いじめ問題」についてや、自分の身の回りに関わることについては発言を続けて行こうと思います。最近でいえば、新潟のとあるアイドルの方のことがきっかけで「芸能界=怖い場所」と思っている方がいらっしゃいます。ぼくは、これまでも今もクリーンな場所でしか仕事をしていないのですが、「全部が怖い場所だとは思わないでほしい」などの強い思いがあることは発信していくかもしれません。

でも、徐々に、Twitterでの発言は止めていくつもりではいます。全部、しゃべっていたら仕事をする時間がなくなってしまいますし。なので、今後は、関心のあるニュースにはTwitterで「いいね」をすることでアピールするようにします。ニュースの方々にはぜひ、ぼくが「はるかぜちゃんの意見を聞きたい場合は、“はるかぜちゃんが意見を言うという仕事”を下さい、と言っていた」と伝えておいてください(笑)。

Twitterについては、ファンとのコミュニケーションツールとしては引き続き利用するものの「だんだん控えめになっていくのかなと思います」と明かした。(写真:竹内みちまろ)
Twitterについては、ファンとのコミュニケーションツールとしては引き続き利用するものの「だんだん控えめになっていくのかなと思います」と明かした。(写真:竹内みちまろ)

■政治家転身は?

――選挙権が大きな要因のひとつとは?

春名:ぼくは、今までですら、「右翼だ」、「左翼だ」という両方の噂を流されてきました。どちらでもないのに(笑)。なので、Twitterでは、政治的な発言はしなくなっていくのかなと思います。

――次の選挙は投票しますか?

春名:絶対します。でも、ぜんぜん決められなくて。ぼくの条件が厳しすぎるのかな(笑)。他の人の悪口を言わないとか、特定の思想に縛られていないとか。……最近、投票って難しいなと思い始めています。

――将来的に、ご自身が立候補して政治家を目指すことは?

春名:政治家になる気はないです。政治家の仕事ができる気がしないので(笑)。ただ、“一般の方が言いたいけどうまく言葉にできないことを社会に繋げられる存在”にはなりたいかなと思います。

18歳になったはるかぜちゃんは「最近、投票って難しいなと思い始めています」と言葉に。(写真:竹内みちまろ)
18歳になったはるかぜちゃんは「最近、投票って難しいなと思い始めています」と言葉に。(写真:竹内みちまろ)

■現実世界の人は「頼ってもいいのだな」

――役者の仕事が充実しているようですね。

春名:はい。舞台は大好きです。舞台では、同じ戯曲を繰り返し上演できるので、自分で納得したものをお客様に見せられることがいいなと思います。また、めちゃくちゃ準備をして挑んだにも関わらず、毎回違うことが起こります。それは、ぼくたち演者にとっても、お客様にとっても、他のメディア作品では体験できないことだと思います。

ぼくは5歳のときからお芝居がしたいと言い続けています。形は何でもいいのですが、自分に合っているのが声の仕事であり、舞台の仕事だと思っています。これまでに舞台には15作品くらい出演しました。

ぼくは、小学校、中学校のときに色々と騒動があったので、“ぼくと関わると、関わった人がいつ面倒事に巻き込まれるか分からない状況に陥ること”を分かっていました。なので、人とあまり近づかないようにしていました。ただ、舞台をやると、どうしても仲良くなってしまうのですね。

「どうして劇団の人たちは絆が深いのですか?」と尋ねると、「全員で一緒にいる時間が長いので深くなるのです」と田口氏。(写真:竹内みちまろ)
「どうして劇団の人たちは絆が深いのですか?」と尋ねると、「全員で一緒にいる時間が長いので深くなるのです」と田口氏。(写真:竹内みちまろ)

――以前の舞台出演の際、“殺害予告騒動”に巻き込まれていたときには、劇場では、お祝いの花のスタンドで劇場入り口前に“バリケード”を作っていましたね。

春名:あのときは、2ちゃんねるに劇場の爆破予告が投稿され、警察の方にも協力して頂くことになったのですが、劇団の方たちがぼくを守ってくれて、ほんとうに嬉しかったです。

また、去年の6月に上演予定だった、劇団「チームジャックちゃん」の母体となる劇団「Voyantroupe(ヴァイヤントループ)」の『偏執狂短編集IV』※では、ぼく1人を降板させればそのまま上演できたのに、そうはせずに、上演演目を変更しました。劇団のみなさまには、ほんとうに感謝しかないです。

※【「偏執狂短編集IV」】

※2018年6月、当時17歳の春名が出演予定だったVoyantroupe主催の短編劇『偏執狂短編集IV』に対し、公演前に警視庁から、未成年(本件では春名のこと)が出演する演劇にヌード表現などが含まれることから、「ヌードおよびわいせつ物の露出表現を自粛せよ」との要請があり、Voyantroupeは、公演内容を差し替えて公演を行った。

舞台出演を続ける中で、この現実世界で接している人たちは、ネットの世界の人達とは違って、そこまで細かいことを気にしないし、頼ってもいいのだなと思うようになりました。それまでの感覚が変わっていった気がします。舞台に出演するようになってから、舞台以外の人間関係も、よくなったように感じています。

――今は、リア充?

春名:何をもって“リア充”とするのかという定義は分かりませんが、幸せではあります。

春名は「チームジャックちゃん」&「Voyantroupe」の作品には何度も出演しており、「ぼくのホームです」とにっこり。(写真:竹内みちまろ)
春名は「チームジャックちゃん」&「Voyantroupe」の作品には何度も出演しており、「ぼくのホームです」とにっこり。(写真:竹内みちまろ)

■気になる「Twitterの妖精」の今後は?

――今後は、Twitterをどう使っていくつもり?

春名:Twitterで伝えたいことは、なくはないのですけど、それよりも大事なことがある気がしています。そして、その大事なことは、作品で表現できたりするんですよ。だから、よい作品に出て、そのよい作品を観て頂くことで、ぼくが何を考えているのかということを知って頂けたらいいなと思っています

そう感じ始めたのは、あうるすぽっとプロデュース「TUSK TUSK」(2015年12月)が初舞台作品だったのですが、そのときからです。舞台の場合は、長期で時間を拘束されるので、しっかりと脚本を確認させて頂くのですね。そうしたら、いい脚本がたくさんあるのですよ。「自分が言いたいことって、この本の中に詰まっているじゃない」って思って。その繰り返しの中で、今の考えに至っていると思います。なので、舞台はこれからも続けて行きたいです。

春名は「幸せではあります」とにっこり。インタビュー中も、たくさんの笑顔を見せてくれた。(写真:竹内みちまろ)
春名は「幸せではあります」とにっこり。インタビュー中も、たくさんの笑顔を見せてくれた。(写真:竹内みちまろ)

■高校卒業後初舞台、演じるのは新選組隊士

――いよいよ、「チームジャックちゃんが読んだ新選組公演『土方歳三伝 五稜郭異聞 乱』」が開幕します。

春名:男性キャスト、女性キャストの2つのバージョンがあります。新選組が五稜郭に立てこもる箱館戦争が舞台なのですが、男性キャスト版は王道の物語で、土方歳三の戦う理由にいろんな人が惹かれていく物語でもあります。殺陣もダイナミックで、新選組を観に来た方も満足して頂けると思います。“あの時代に夢であったものが現代に結びつく”ところも見どころです。

女性キャスト版は、男性役を演じるのではなく、武士の魂を持った女性たちのお話になります。せりふも全部、女性用に書き直しています。女性は声の質が男性とは違うので、澄んだ空に響き渡るようなイメージで、お客様にも心地よいのではと思います。女性特有の柔らかさも表現され、衣装も、女性の体のしなやかなラインが出るものになっています。

作品を通して「大事なこと」を伝えたいと明かした春名。(写真:竹内みちまろ)
作品を通して「大事なこと」を伝えたいと明かした春名。(写真:竹内みちまろ)

ぼくは、新選組隊士の市村鉄之介を演じます。史実でいえば相当に強い剣士ですが、作品の中では、新選組の中で一番の後輩に当たります。なので“あふれ出る後輩感”を意識しています。また、後輩であり、部下であった鉄之介が大人になるシーンがあるのですが、そこで鉄之介が見せる“戦う心”が伝わればいいなと思います。

ぼくは色々な役をやらせて頂くことが多く、ぼくが出演した舞台をすべて観て下さっている方もいるのですが、その方が観に来て下さっても、「こんなはるかぜちゃんがいるのだ!」と驚くような仕上がりになっていると思いますので、「めちゃくちゃ期待して観に来て下さっても損はしないぜ!」と伝えたいです。

武士の魂を持った女性を演じる春名。舞台俳優としての活躍にも期待したい。(写真:竹内みちまろ)
武士の魂を持った女性を演じる春名。舞台俳優としての活躍にも期待したい。(写真:竹内みちまろ)

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インタビューに答えてくれた春名。稽古場では劇団のメンバーたちと気さくに話をしていたが、高校を卒業し、ますます活躍の幅を拡げてゆくのかもしれない。舞台に愛され、舞台関係者に愛され、そして観客に愛される役者になっていく春名に期待したい。

高校を卒業した春名。「Twitterの妖精」が、どんな大人の女性に成長していくのかに注目だ。(写真:竹内みちまろ)
高校を卒業した春名。「Twitterの妖精」が、どんな大人の女性に成長していくのかに注目だ。(写真:竹内みちまろ)
【チームジャックちゃんが読んだ新選組公演「土方歳三伝 五稜郭異聞 乱」】
日程:2019年4月3日~8日 *男女Wキャストで上演。春名風花は女性キャスト版である「乱れ髪」に出演。 詳細は公式サイト
春名と役者として共演経験もある田口氏いわく「ネット上のイメージと、生のはるかぜちゃんは、それほど変わらないと思います。どこでも正直に意見を言っているだけだと思います(笑)」(写真:竹内みちまろ)
春名と役者として共演経験もある田口氏いわく「ネット上のイメージと、生のはるかぜちゃんは、それほど変わらないと思います。どこでも正直に意見を言っているだけだと思います(笑)」(写真:竹内みちまろ)
  • 取材・構成・文竹内みちまろ

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