「職業を隠さず話ができる」「現金当日支払いOK」 大人気!「夜職女子限定」パーソナルジムの実態 | FRIDAYデジタル
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「職業を隠さず話ができる」「現金当日支払いOK」 大人気!「夜職女子限定」パーソナルジムの実態

令和6年、歌舞伎町はいま…… 第99回

壁には「写メ日記講習」や「スカウトマン紹介」の文言が。こんなジム、他にない
壁には「写メ日記講習」や「スカウトマン紹介」の文言が。こんなジム、他にない

夜の仕事をしている女性は、見た目に何かと気を使う。休日を「美容デー」と位置づけ、身体のメンテナンスを行ったり、時に整形をしたりするのは、彼女たちにとって常識だ。そんな水商売、とくに風俗やパパ活を生業(なりわい)としている女性達のためのジムが、新宿に存在するという。その名も『LaLa』。

新宿に2店舗を構え、利用客のほとんどが夜職に従事している。

「しっかり指導されたい」、あるいは「人にトレーニング姿を見られたくない」というニーズはたしかにあるのだが、女性たちが『LaLa』を利用するのは、「仕事を思い出したくないので不特定多数の男と同じ空間にいなくてすむ」「職業を隠さずトレーナーと会話できる」といったメリットがあるからだ。

「担当ホストの話をトレーナーに愚痴(ぐち)りまくりながら、やる気出すためにシャンパンコールの音を流してもらってます。体重を落として高級店に移籍したいんで」

そう語るソープ嬢のマオ(仮名・23)は、ジムに通うことでホストクラブで使うカネが減ったという。

「今まで本担(本命のホスト)の愚痴と私のメンタルケアをサブ担当に任せてたんです。彼には毎日LINEしてもらったり、たまに飲みに付き合ってもらう代わりに毎月10万円以上を余分に使ってたんですよ。でも、ここで全部愚痴を吐き出せるし、身体動かしてストレス発散できるんで、サブ担はもういらない。ジムのトレーナーさんが実質サブ担です。

普通のジムだと、やっぱホストに貢(みつ)いでるとか、風俗で働いているみたいな話ってできない。それに簡単に『食事制限してください』って言われても、風俗なら差し入れがあるし、パパ活では外食が必須だから、うまくいかないこともある。そういった事情を理解してもらえるのはありがたいです」

『LaLa』が他のジムと大きく異なるのは、売り上げの8割が現金であること。当日支払いもOKだという。ジムの経理としては非効率的だが、夜職の女性にとっては大歓迎。彼女たちはクレジットカードを持っていないことが多く、日払いの給料で生活しているからだ。

「たまにとんでもない大金を持って店に来る子もいますよ(笑)」

トレーナーのリキ(22)が振り返る。

「いつも無遅刻無欠席のお客さんが、珍しく15分遅刻してきたんですよ。でも、そのわりにはなぜかいつもよりテンションが高かった。何があったか聞いてみたら、『実はさっきプレイ中に盗撮されたんですよ! それで遅れちゃって』って。

盗撮されたのになんでそんな元気なの?って聞いたら、『元気!実は盗撮の口止め料で100万巻き上げてきたの!』ってカバンを見せられて。札束が無造作に突っ込まれてました。その日はいつもよりスクワットの重量を上げてみたんですけど、ニコニコしながらこなしてた。お金の力ってすごいなと思いましたね」

他にも、「担当ホストが吸っていた大麻が自分の自宅に置いてあり、そのまま家宅捜索で逮捕された」というパパ活女子や、「借金が800万円を超え、現金がないのでパンツを売り捌(さば)く」と大量の下着をキャリーケースに詰めた風俗嬢など、『LaLa』にはユニークな顧客が押し寄せる。

パーソナルジムが、夜職女子たちのオアシスになっているのだ。

ちなみに、ジムの壁にはジム主催の「写メ日記講習」のポスターが掲示されていた。筋トレだけでなく稼ぎ方まで教えてくれるとは……。

 

『FRIDAY』2024年7月19日号より

  • 取材・文佐々木チワワ

佐々木 チワワ

’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。15歳から歌舞伎町に通っており、幅広い人脈を持つ。大学では社会学を研究していた。

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