<figure id="attachment_382418" aria-describedby="caption-attachment-382418" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1766dcfd"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/adb992b867c5bc85942d8cf63b379c65.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382418" class="wp-caption-text">埋設工事中の核シェルターの全貌。地上に大きく飛び出した部分が入り口だ</figcaption></figure>
<p>北朝鮮がミサイルを発射したというニュースはもはや日常茶飯事。南では台湾有事への懸念も高まっている昨今、核シェルターが注目を浴びている。東京都が今年度から外国からのミサイル攻撃に備えて住民が一定期間滞在できる「地下シェルター」の整備をすすめる方針を固めたと報じられた。すでに都営地下鉄大江戸線・麻布十番駅構内などが候補地としてあがっているという。</p>
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<p>海外では法律でシェルターの設置を義務付けられているスイスやイスラエルは100％、アメリカ、ロシア、イギリスでも設置率は約80～70％だという。近隣の国では台湾が370％、韓国が300％だという数字もある。対して日本は0.02％で、ごくわずかな富裕層が設置したものだけなのだとか。</p>
<p>だが、ここ最近では国内で販売される例も増えているようだ。長野県上田市の建設会社㈱SEIRYOUで、新たに９月にモデルルームをオープンするために核シェルターの設置工事をしているというので、その〝現場〟を取材した。</p>
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<p><span class="strongInContent">「半年前の能登の地震の時にペットが置き去りになって放置されているという映像を弊社の清水（社長）が見たんです。災害が降りかかった時、今までは自分の命を守るだけで精一杯で、それ以外は何もできないというのが現実でした。でもシェルターがあれば家族はもちろん、ペットのような小さな命も救うことができる、そういう思いで弊社の事業として始めさせていただきました」（㈱SEIRYO広報担当・堀内清司氏）</span></p>
<div data-friday-nextpage-lead="大きな穴の中に黒い鉄の箱が"></div>
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<p>小高い丘の中腹にある住宅展示場を訪れると、奥のほうに約10ｍ四方ほどの大きな穴が掘られており、その中に真っ黒い鉄の箱が鎮座していた。このシェルターを製造しているアンカーハウジング㈱の吉山和實代表によると、米軍で採用されている規格と同じものを国内で製造。核の放射能が消えるまでにアメリカの研究所の見解では２週間かかるといわれており、その２週間をこのシェルターの中でサバイブするための、空気、水、食料と生活環境が整えられる。</p>
<p><span class="strongInContent">「このシェルターのサイズは幅2.4ｍ×奥行５ｍ×高さ2.4ｍ。これはトレーラーに乗せて運べるぎりぎりの大きさです。設置するには作業するスペースが１ｍずつ取れればいいので、10坪ぐらいあれば十分。２台ぶんのカーポートぐらいのスペースがあれば、そこに掘って埋められます。実際にこれまでカーポートがあったところに設置して、その後カーポートを復元した例がありました」（吉山氏）</span></p>
<p>地上に設置された入り口から階段を下りて、内部も見せてもらった。まだ内装工事はこれからだとかでむき出しの鉄板の床と壁にペンキを塗っただけの状態だった。けっして広くはないが、高さがそこそこあるので思ったほど閉塞感はない。心なしか地上よりも涼しい気がする。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="気になる「お値段」は……"></div>
<p><span class="strongInContent">「放射能を99.8％シャットアウトする特殊な空気清浄機を設置しています。食料、水を貯蓄できる棚や１人１台のベッドを４人ぶん確保できるようなスペースを作ります。トイレは水洗トイレだと断水になる可能性があるし、簡易トイレは不潔なので、バイオトイレを設置します。あとはミニキッチンですね。水道が使えない場合は備蓄した水を使います。</span></p>
<p><span class="strongInContent">電源は太陽光発電機と蓄電池がありますが、暑い夏でもエアコンは動かせません。それでも生活できる25℃ぐらいの温度に保てることが地下シェルターの１つの大きなポイントです」（同前）</span></p>
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<p>ふだんは、ワインセラーやホームシアター、金庫などとしても使用できるという。音が漏れにくいので楽器の練習部屋などに使用する例もあるそうだ。ただ、お値段2750万円というのがやはりわれわれ庶民にはネックだろう。さらにこれに設置工事のコストがかかる。また、都市部ではまず設置するスペースを確保するのが至難の技だろう。現時点では、やはり富裕層向け物件なのだ。ただ、それでもいざという時のこのシェルターの〝実力〟は確かなものだと吉山氏は語る。</p>
<p><span class="strongInContent">「さすがに爆弾が直撃したら無理です。でも、実際のデータがあるんですけど、広島の原爆の時に爆心地から100ｍか200ｍぐらいのところで助かってる人がいるんですよ。それが、たまたま地下に潜っていたという人なんですね。核爆弾の場合は放射能以上に爆風の熱で亡くなる人がほとんど。放射能もそうですけど、シェルターは爆風も完全にシャットアウトできるので、爆心地から100～200ｍぐらい離れていれば大丈夫です」</span></p>
<p>シェルターを買えないわれわれ一般人は、何かあったらせめて地下に逃げるしかなさそうだ。</p>
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<div data-friday-nextpage-lead="核シェルターの内部に潜入‼"></div>
<figure id="attachment_382419" aria-describedby="caption-attachment-382419" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="8794484d"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/1e4cc2b8e2ae422f1591c3f367d790db.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382419" class="wp-caption-text">シェルターの地上入り口。完成するとこの部分だけ地上に出ることになる</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382420" aria-describedby="caption-attachment-382420" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bb01b0d0"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/237e1cf99d56e068bf90beab43677564-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382420" class="wp-caption-text">入り口から入ったところ。階段を下りて左側にシェルター入り口の鉄扉がある</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_382421" aria-describedby="caption-attachment-382421" style="width: 1280px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="d1924f34"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/7d740fa4260a1d3adf5fc7cab84bfcd8-rotated.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382421" class="wp-caption-text">扉の前に立つ吉山氏。この奥がシェルター内部だ</figcaption></figure>
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<figure id="attachment_382422" aria-describedby="caption-attachment-382422" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="1b77956c"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/decbaf64dd284100b91e021b24971c18.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382422" class="wp-caption-text">内部右側。まだまったく内装工事をしていない状態だ。右側スチールの棚枠のような部分がベッドになる。左はキッチン</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382423" aria-describedby="caption-attachment-382423" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="427e5b7a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/edb2f38a027bbe5a29a3beead3ad9b74.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382423" class="wp-caption-text">内部左側。本来はここにも２人ぶんのベッドが設置可能なのだが、違う用途に使うのかもしれない</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382424" aria-describedby="caption-attachment-382424" style="width: 2592px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bf89eec9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/c40d5bd233092c66059833e0b9118182.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382424" class="wp-caption-text">吸排気口。ブレストバブルという外の気圧が急激に変化すると閉じる仕組みで、爆風や放射能を防ぐ。ここに空気清浄機が取り付けられる</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382425" aria-describedby="caption-attachment-382425" style="width: 1920px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="267e63da"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/4bd15daa6df964e1a66a1eb6649ae7db.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382425" class="wp-caption-text">吉山氏と㈱SEIRYO・清水芳則社長（右）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382450" aria-describedby="caption-attachment-382450" style="width: 5184px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="dc60cf55"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/a567284b72b80f0dcc03d18b0bf7c250.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382450" class="wp-caption-text">本誌が’23年５月に取材した同じタイプの核シェルター。二段ベッドの部分が作業スペースになっていた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_382452" aria-describedby="caption-attachment-382452" style="width: 5184px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c3a278ac"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/07/f7108116e9fc751f008aee626033c391.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-382452" class="wp-caption-text">同じく二段ベッドの下から前写真の作業スペースを見た光景。キッチンの向こうのカーテンで覆われた部分がトイレだ</figcaption></figure>


足立百合、濱崎慎治（'23年取材ぶん）

北のミサイルや台湾有事などの危機が迫るなかで、政府なども核シェルターの必要性を認識し始めている。そんな中、長野県上田市で核シェルターの設置工事をしているとの情報があり、現場を取材した。

北のミサイル、台湾有事…核戦争時代をサバイブするための「核シェルター」設置工事現場を〝潜入撮〟

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