凄い投手が現れた!星稜高校・奥川恭伸「ストレートはメジャー級」

春のセンバツ 履正社岡田龍生監督もタジタジ

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
スライダーやカットボールも一級品。小学4年のころからバッテリーを組む山瀬と甲子園V&プロ入りを目指す

「真っ直(す)ぐ一本に絞らせました。変化球が来て見逃し三振してもOK。とにかく『直球を打っていけ』と。それでも、捉えきれなかった。スピードについていけなかった。ベルト付近の打ちごろのボールだと思って振ったら、グーンと伸びて、高めにくる。あんなストレートはいままで見たことがないです……」

強豪・履正社の岡田龍生監督も、星稜の奥川恭伸(やすのぶ)(17)の前では為す術(すべ)がなかった。春の選抜高校野球1回戦で履正社と星稜が激突。初戦ながら”事実上の決勝戦”と言われたが、最速152㎞の真っ直ぐを武器に奥川が履正社を完封。散発3安打、17奪三振と、履正社打線にまともにバッティングをさせなかった。

 「奥川は星稜の地元・石川の出身。小学3年時から野球を始め、中学時代に全国制覇。星稜入学後は1年時からベンチ入りし、翌年は春夏連続でエースとして甲子園に出場しています。昨年、2年生ながらU―18高校日本代表に選ばれたプロ注目の逸材です」(スポーツ紙アマチュア野球担当記者)

昨今、150キロ台の速球を投げる高校生は珍しくない。奥川と同世代では大船渡高の佐々木朗希(ろうき)、横浜の及川(およかわ)雅貴、創志学園の西純矢、広陵の河野佳(かわのけい)らが有名だが、「奥川のストレートは群を抜いている。メジャー級の質の高さです」とスポーツライターの藤本大和氏は言う。

「まずはボールのキレ。冬の間、みっちりウエイトと体幹トレーニングで身体をいじめ抜いた成果で『球速以上にピュッとくる』と捕手の山瀬慎之助が証言しています。次にコントロール。いかにストレートが速くても、コントロールがアバウトだと全国レベルでは通用しないのですが、コースを狙えるうえに失投が二球と続かない。フルカウントからでもストライクを取れる。奥川は変化球も一級品です。特にストレートとまったく同じ腕の振りで投げるフォークは、ギリギリまで打者には直球に見える。プロのスカウト陣は『あのフォークは高校生では対応できない』と口を揃えていました」 

そして、おそらく奥川の最大の武器と言っていいのがクレバーさだ。

奥川が目指しているのが「押せるところは押して、引けるところは引く」という、「大人のピッチング」。意味するところは”ギアチェンジ投法”だ。

「下位打線相手には、平気で130キロ台のストレートを投げるんですよ(笑)。一方で四番の井上広大相手には、急にクイックで投げてフォームで緩急をつけてみたりする。あらゆる引き出しを使って、強打者の井上から2つの三振を奪っています。奥川が省エネに注力するようになったキッカケはおそらく、昨夏の甲子園にある。昨夏、2年生エースとしてチームを甲子園に導いた奥川は、2回戦の済美(愛媛)の6回途中に右足の痙攣(けいれん)でベンチに下がった。いったん、外野にまわして再登板させる手もあったのですが、その時点で7―1と大量リードしていたので、首脳陣は大事をとったんでしょう。ところが、リリーフが打ちこまれて逆転負けしてしまった。奥川は『野球人生で一番悔しかったこと』として、済美戦を挙げています」(前出・藤本氏)

履正社の岡田監督は、甲子園を去る前、報道陣にこう言い残した。

「3イニングくらいなら、奥川はいますぐでもプロを抑えられるよ」

今年もすごい投手が聖地に現れた。

この冬のトレーニングで一回り身体が大きくなった奥川。身体の軸が安定して、球速も変化球の精度も増した

Photo Gallary2

share icon記事をシェアする

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事