【パリ五輪『完全ガイド』】《柔道》阿部一二三&詩　２大会連続の「兄妹同日優勝」へ視界良好！

阿部一二三（26）・ 阿部 詩（24）

男子66㎏級予選　7月28日16：30〜（テレビ朝日系列）
　　　　　決勝　7月28日23：00〜（NHK総合）
女子52㎏級予選　7月28日16：30〜（テレビ朝日系列）
　　　　　決勝　7月28日23：00〜（NHK総合）

日本選手団史上初の２大会連続兄妹同日金メダル獲得へ。柔道界を背負ってパリで戦う阿部兄妹は、日本時間７月28日に決戦の時を迎える。先に決勝の舞台に立つのは、兄の一二三(ひふみ)だ。天理大学柔道部監督で、国際大会で８つの金メダルを獲得した穴井隆将氏が話す。

「一二三選手は相手を投げるタイミングをつかむ勘が図抜けている。加えて、瞬発力が凄いんです。相手からすれば、突然軽トラックがぶつかってくるような衝撃を受けることでしょう。
４月の全日本選抜大会で会ったとき、『強いな』と声をかけると『とんでもないです』と謙遜しながらも表情からは自信が漲(みなぎ)っていた。精神力まで強化されており、死角はありません。サクッと金メダルを獲ってきてほしいです」

穴井氏によれば、妹の詩(うた)は「お兄ちゃんの後はめっちゃイヤです（笑）」と話していたというが……。

「東京五輪まで、瞬発力といえば一二三選手ではなく詩選手の専売特許でした。詩選手のスピードはとてつもない。しかも、柔道のスタイルが進化している。それまでガムシャラに相手をなぎ倒す柔道だったのが、今では冷静に獲物を仕留める、柔道の極みのような領域まで達している。決勝の相手は地元フランスのアマンディーヌ・ブシャール選手（29）が予想されますが、詩選手のほうが数段上で、金メダルの可能性は非常に高いです」（同前）

さらに強くなった最強の兄妹が、対戦相手に絶望を与える。

『FRIDAY』2024年8月9日号より