シカマアキ

<h3><span class="strongInContent">久々の海外で痛感する、日本の後進国ぶり。コロナ前の情報のまま行って失敗した話も……</span></h3>
<p>コロナ禍が本格化した’20年春から、約４年半。その間、世界はコロナ後のさらに先を見据えた対策を次々と施し、特に、感染防止という観点からキャッシュレス、ペーパーレスなど非接触関連の対応もどんどん進めていた。</p>
<p>そして、海外へ久々に行った日本人から「パスポートチェックが無人だった」「現金で払う機会が激減した」「タクシーよりライドシェアが便利すぎる」といった驚きの声の一方で、コロナ前の情報のまま行って失敗した話なども。特に、日本でやっと今ごろ対応し始めた数々のことが、海外はすでに常識、はるか先を行っている。</p>
<figure id="attachment_387202" aria-describedby="caption-attachment-387202" style="width: 4018px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="b0155bee"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/d7b4bbb0fb721e048313d9a8b01b2029.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387202" class="wp-caption-text">スマホの海外ローミング料金も手頃になり、Wi-FiルーターのレンタルやSIM購入も過去の話に……。コロナ前は賑わっていた空港のSIM売り場も閑散と（’24年７月バンコク・スワンナプーム空港で）</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">出入国は無人ゲート、日本のパスポートが使える国も</span></h3>
<p>まずは、出入国審査。パスポートやビザを手に有人窓口に並んで出入国スタンプを押してもらおうと思いきや、無人の「自動化ゲート」が先進国などで主流になりつつある。出入国スタンプをもらうのも、もはや遠い過去の話だ。</p>
<p>例えば、フランス・パリでは、自動化ゲートが日本のパスポートも対象。「有人窓口で、現地語で質問攻めに遭ったらどうしよう」と毎回ビクビクしながら並んでいた不安を抱くことはもはやない。韓国やシンガポールなども同様だ。</p>
<p>筆者は’24年８月にタイを訪れた。これまでタイといえば、長い行列に延々と並ばされ、業務をゆっくりこなす入国審査官を見てイライラしたことは一度や二度ではない。それが先日、タイ人の入国審査は自動化ゲートになっていたのだ。その他の外国人はまだ有人窓口だが、人員が半分となった影響か、以前は１時間ほどかかっていたのが、今回たった数分で終了した。</p>
<p>日本の主要空港も今、日本のパスポートがあれば「顔認証ゲート」へ誘導される。「出入国審査が有人窓口でなくなってスムーズになった」と、コロナ後の初海外でまず日本の空港から驚く人もいる。ただ、これらは日本人限定で、外国人はいまだ有人窓口に並ばされる。特にインバウンドが多い影響で入国時は１〜２時間待ちもザラだという。</p>
<figure id="attachment_387203" aria-describedby="caption-attachment-387203" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="13583180"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/4861d00f84d5b0dedb21fd68f179a813.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387203" class="wp-caption-text">オーストラリアは審査官と対面しない入国システム「スマートゲート」が’15年から導入済み。専用端末で自ら手続きし、税関でカードを渡す</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">地下鉄・バスで「VISAタッチ」、海外は辺境地まで普及</span></h3>
<p>続いて、海外で鉄道やバスなど公共交通機関に乗る時の支払い方法。今までだと「駅で切符を買う」「交通系ICカードを入手して現地通貨をチャージして使う」のが一般的だった。</p>
<p>しかしコロナ後、「海外で、VISAカードで地下鉄に乗れてビックリした」という声が次々聞かれた。通称・VISAタッチで、日本でも店舗や交通機関などで導入が徐々に進む。</p>
<div data-friday-nextpage-lead="「現金NG」増加！　両替で失敗した人も……"></div>
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<p>シンガポールでは、MRT（地下鉄）の駅や路線バスの全線で、タッチ決済対応。香港は路線バスと香港名物の２階建て路面電車トラム、MRTがタッチ決済で乗車できる。一方、タイはMRTが対応でBTS（バンコク・スカイトレイン）が非対応など導入はまだ一部に留まるが、いずれ対応しそうではある。台湾では、台北桃園国際空港からの桃園機場捷運（桃園空港MRT）のみタッチ決済で乗車可能だ。</p>
<p>都市部以外にもタッチ決済の導入が進む。筆者が’23年６月に訪れたギリシャ・コルフ島で、路線バス全線でタッチ決済が使えた時は、本当に驚いた。世界遺産登録の島とはいえ、旅行客で賑わうのは夏のバカンス時期のみ。そんな島ですらVISAタッチが普及する。</p>
<p>とはいえ、日本もVISAタッチ対応がまだごく一部に留まるように、意外な国・地域で使えないことも。カード先進国と言われて久しい韓国の地下鉄やバスは、今も使用不可。交通系ICカード「T-money」を入手し、しかもチャージが現金のみで、最初に多めに両替しておかないとあとで面倒なことになる。</p>
<figure id="attachment_387204" aria-describedby="caption-attachment-387204" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0d075518"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/ee88a4bbcff2826cebcb32cf1ddbafc9.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387204" class="wp-caption-text">香港のトラムにVISAタッチが導入された時の広告。当時のキャンペーンではトラム車内でタッチすると自動的に１香港ドル割引になった（’23年８月）</figcaption></figure>
<figure id="attachment_387205" aria-describedby="caption-attachment-387205" style="width: 1199px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="460b5a30"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/eec9aaeb68bcb1c3f4bc2119ccafb9f8.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387205" class="wp-caption-text">タイ・バンコクのMRT改札。VISAタッチが利用できると大々的に広告していたが、実際に利用する人は皆無。タイ人にはまだ普及していないようだ</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">現地「現金NG」増加で、両替で失敗した人も</span></h3>
<p>タッチ決済は、海外での買い物時、もはや常識に近い。クレジットカードを端末でスキャンしたり挿入したり、自分のPINコードを入力したりすることすらない。</p>
<p>先進国で現金よりカードでの支払いが主流なのはコロナ前からだが、コロナ禍を経て「現金支払いNG」も増えている。フィンランドでは、カフェのレジで「CASH NG」と貼ってあった。また、「韓国の釜山で、スターバックスで現金（ウォン）で支払おうとしたら『現金NG』と言われた」という日本人旅行者の声も。</p>
<p>現金の使用頻度が減る、現金支払いNGとなると、「現地でいくら両替しておけばよいか」と迷うだろう。実際、「コロナ前と同じ金額を現地通貨に両替したのに使う機会がなくて現金が余ってしまった」という人も少なからずいる。なお、両替するたびに手数料がかかるので、両替は慎重に行いたい。</p>
<h3><span class="strongInContent">「ライドシェア」は常識、実は日本が最も遅れている部分</span></h3>
<p>海外で「Uber」などのライドシェアは、もはやあって当たり前。旅行者にとっても貴重な現地の移動手段である。</p>
<p>例えば、アメリカやヨーロッパ、インドでも「Uber」が普及する。主要空港には、タクシー乗り場の先に「Uber」の専用乗り場が設置されている。タイやシンガポールなどではUberはなく「Grab」が主流だが、利用方法などはUberとほぼ同じだ。</p>
<p>海外で利用したことがある人ほど「ライドシェアは本当に便利」と好評だ。以前は東南アジアなどで、タクシーで日本人だとわかると運賃をごまかそうとして揉めるケースも少なくなかった。</p>
<p>「タクシーより若干高いけど、運賃が最初に分かるのがいい」「行き先を入力して手配するので、運転手に細かく説明する必要もない」「不便な場所もライドシェアで行けるようになり、行動範囲が広がった」など、今の海外旅行でライドシェアは欠かせない存在となりつつある。</p>
<figure id="attachment_387206" aria-describedby="caption-attachment-387206" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="6aa773ac"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/3331447436913b2c4b50676c634dd880.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387206" class="wp-caption-text">タイ・バンコクのドンムアン空港内にあった「Grab」ブース。このブースのすぐ外で車をピックアップするのが空港内では一番安かった</figcaption></figure>
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<h3><span class="strongInContent">ホテルで自分の「スマートフォンが部屋のキー」になる時代</span></h3>
<p>さらに、ホテルでも「チェックインをアプリで行った」「客室の鍵がスマホだった」など急なDX化に戸惑う声も。ヒルトン系のホテルなどは電子キー（デジタルキー）の普及を進め、客室の入室だけでなく、ホテル内のラウンジやジムなどにも入室できる。使いこなせる人には便利だが、使い慣れていないと大変だ。</p>
<p>また、Airbnbなどの民泊を中心に、フロントが最初から無人で、入り口に置かれたタブレット端末で自らチェックインする宿泊施設も増えている。もしトラブルが起きたら、リモートで対応するスタイルだ。ホテルでも無人サービス化が進む。</p>
<p>もし近く海外旅行を予定していれば、海外はあらゆる面において先を行く、それを念頭に旅行プランをじっくり練ってほしい。</p>
<figure id="attachment_387207" aria-describedby="caption-attachment-387207" style="width: 1800px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7f2a1da6"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2024/08/8c5a98f9652131159da6467622aa1063.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-387207" class="wp-caption-text">筆者がフィンランドでマンションを借りた際のチェックイン端末。スタッフはおらず、自分で操作する。英語対応</figcaption></figure>


コロナ禍、世界はコロナ後の先を見据えた対策を次々と施し、キャッシュレス、ペーパーレスなど非接触関連の対応もどんどん進めていた。日本でやっと今ごろ対応し始めた数々のことが、海外はすでに常識だった。

無人出入国ゲート、タッチ決済、現金NG…知らなかった！コロナ後に変わっていた「海外旅行」の新常識

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