肉食動物の捕食の瞬間 生命が躍動する季節のフォトドキュメント
【カメレオン】

弱肉強食が自然界の掟
「アフリカのサバンナに行き、ライオンやヒョウが獲物を食べる瞬間に立ち会える機会は、10日間ほど滞在して1回あればいいほうです。多くの動物は、夜に狩りを行います。昼間の撮影では、チャンスはほとんどありません」
動物写真家の内山晟(あきら)氏が語る。
生物が眠りから覚める春。昆虫も鳥類も哺乳類も、獲物を求め躍動し始める。だが捕食シーンに出くわすチャンスは、少ない。ここで紹介するのは、めったに見られない貴重なショットなのだ。内山氏によると、肉食獣たちも簡単に獲物を捕まえられるワケではないという。
「私の感覚では、狩りの成功率は20〜30%です。昨年10月にケニアへ行った時のこと。若い雌ライオンが茂みにじっと伏せ、近くにいたインパラをうかがっていました。30分ほど伏せていたでしょうか。そこにスイギュウの群れが現れ、ライオンを威嚇し、追い払ってしまったんです。インパラは姿を消して、狩りは失敗に終わりました」
捕食は本能でできるものではなく「学習するものだ」と、内山氏が続ける。
「チーターの母子を発見した時です。母親はトムソンガゼルを殺さずに捕まえ、子どもの前で放す。子どもが追いかけ噛みつくと、母親は再び放して捕まえさせる。こうして刈りを覚えさせるんです」
「捕食の瞬間」とは、生命が最も輝く瞬間なのかもしれない。
【カマキリ】

【クモ】

獲物の魚を見事に串ザシ! 【ヤマセミ】

【ウツボ】

【ワニ】

【ヒョウ】

【サメ】

【リクガメ】

【カワウソ】

『捕食動物写真集』(新紀元社)より