広瀬すず 最高に雰囲気のいい現場「二十歳の朝ドラ座長」の評判
二枚看板の大河がコケたが『なつぞら』は視聴率23.4%で番組最高更新!
通算100作目とあって、朝の連続テレビ小説『なつぞら』は絶対にコケられない作品だった。NHKドラマの二枚看板の一つである大河『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』が史上最速で視聴率1ケタに沈んだとあっては、なおさらだ。
「『おしん』の小林綾子や『ひまわり』の松嶋菜々子、『どんど晴れ』の比嘉愛未(ひがまなみ)など、歴代ヒロインの投入が話題になっていますが、とにかくNHKの気合の入りようが凄い。撮影開始は昨年6月。こんなに時間をかけて丁寧に撮っている作品は、ちょっと記憶にないですね。昨年冬の北海道ロケのときなんて、取材に来たメディアを誘って、NHKの広報&制作スタッフが懇親会を開催。『なつぞら』推しをお願いしていたそうです」(テレビ誌記者)
その甲斐あって、『なつぞら』は4月1日放送の第1話から視聴率20%超えの好スタート。広瀬すず(20)が本格的に登場した13話は22.6%とさらに視聴率は上昇した。
「初顔合わせのとき、松嶋が広瀬に『台本、ちゃんと読んできてね』とクギを刺し、場が凍りついたことがありました。過去には夏菜のようにノイローゼ気味になった女優もいるくらい、朝ドラの撮影は厳しい。しかも通算100作目というメモリアル作。期待も注目度も高く、ヒロインにかかるプレッシャーはハンパじゃない。それがわかっているからこそ、松嶋は甘い顔を見せず、いきなり叱咤したんでしょう」(NHK関係者)
並の若手女優なら萎縮してしまう場面だが、「負けず嫌い」だと公言する広瀬は動じない。「朝ドラだからと特別気合は入ってない。いつも通り、頑張るだけ」とサラリと言ってのけたという。
前出のテレビ誌記者は「広瀬は若いのに肝が据(す)わっている」と絶賛する。
「重圧に押しつぶされるどころか、『毎日が楽しくて仕方がない』そうです(笑)。実際、撮影の合間に『廊下、走りまーす!』なんて言ってダッシュしたり、スクワットをしたりと元気そのもの。それでいて、周囲への気配りも忘れない。20歳以上も年上の音尾琢真と即興でコントをやって笑わせたり、子役やスタッフにも自分から積極的に話しかけている。こんなに雰囲気のいい朝ドラの現場、初めてです」
弱冠ハタチにして、座長の務めを果たしている広瀬。視聴率戦争に挑むNHKに、頼もしいジャンヌ・ダルクが現れた。
『FRIDAY』2019年5月3日号より
- 写真:原一平