地下格闘技選手が公判で語った「1億円強奪事件」の発端

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18年月、渋谷区の路上で40代の会社経営者が暴行された上、車に監禁され、自宅から合計約億円相当の腕時計と現金を強奪されるという巨額強盗事件が発生。実行犯人に指示を出していた首謀者と目される田沢寛之被告(38)が同年11月中旬、事件から約10ヵ月が経ってようやく逮捕された。

勝っても負けても必ずKO決着をする田沢容疑者(中央)は、地下格闘技界で絶大な人気を誇った

逮捕当時フライデーが詳報した通り、田沢容疑者は地下格闘技界の「カリスマ」とまで呼ばれたスター選手だった。

「都内の豪華なタワーマンションに住んで、毎日のように六本木や歌舞伎町で仲間を集めて飲み会を開いていた。試合の前日も深夜まで酒を飲み、直前にサウナで酒を抜いてから会場入りしてました。地下格闘技の安いギャラであんな生活ができるわけがなく、本業はタタキ(強盗)だと事件前から噂されていた。仲間の半グレたちも、格闘技経験はまったくない奴ばかりだったから、タタキの手下として集めていたんでしょう」(田沢容疑者の知人 フライデー2018年12月21日号より)

警視庁は事件発生直後から、田沢容疑者を首謀者としてマークしており、ようやく逮捕に至ったという。のちに逮捕監禁、住居侵入、強盗の罪で起訴され、現在東京地裁で公判中。22日には被告人質問が行われた。

1月の初公判で読み上げられた起訴状によれば、田沢被告は事件当日、実行犯らと共謀。実行犯らが会社経営者Aさんの自宅前でAさんの顔面を殴り、車の後部座席に押し込んだ上、さらに顔面を殴り、両手や口を緊縛。走行中の車内でAさんを不当に監禁したという逮捕監禁罪と、その車内においてAさんに「金を出せ。嘘をついたら家族を皆殺すぞ」と脅し、5000万円相当の腕時計を強取したうえ、自宅に連行し、現金4000万円と腕時計をはじめとする貴金属(計850万円相当)を強奪したという住居侵入罪、強盗罪に問われている。田沢被告は現場にはいなかったが、実行犯らとの共謀があったと検察側は主張している。

これに対して罪状認否で田沢被告は「共謀をして強取するとかはしていません」と共謀を否認した。

冒頭陳述やその他の証拠によると、田沢被告は高校を中退したのち鳶職に就いたが、2003年に覚せい剤取締法違反で執行猶予付きの有罪判決を受ける。その後再び罪を犯し服役していたが2005年に出所。翌年、鳶の会社を立ち上げ、会社を切り盛りしていた。離婚歴があり、娘と二人で暮らしていたという。

実行犯らは調書に「田沢から『タタキ(強盗)をやらないか』と持ちかけられた」「一昨年初旬に、田沢から『金になる話がある』と持ちかけられた。田沢とは犯行時までLINEをしていた」と、田沢による誘いと、犯行までの指示があったことを語っている。田沢被告はそれを否定しており、逮捕当時から取り調べに対し、

「一昨年の冬にIと名乗る者から『(被害者となった経営者の)家に金庫があり、金を持って来れる』と話を持ちかけられた。これを実行犯に振り、Iにその連絡先を教えた。当日も実行犯から頻繁に報告があった。その中で『今日さらう』という話があり、やめるように言ったが、実行犯たちはそれを聞かずにやった」

と、自身の関与の及ばぬところで強盗が敢行されたと述べている。被告人質問でも、その姿勢は一貫していた。

「会社の年商は、7000万円ぐらいと記憶しています。12000万円ぐらいある年もあった。マンションも所有していて購入時は3480万円……。人に貸して賃料を得ています。クルーザーも個人で購入……400万円で買いました」

と“金銭的に困窮していなかった”ことを強調し「盗みをやる必要はないです」と主張。そして実行犯らとの共謀を改めて否定した。

「話を持って来たIからは『自分がFXの詐欺で金を騙し取られたので取り返したい。盗む人を紹介してくれ』と言われました。『空き巣をやらせたい人がいる』と言うので、空き巣か確認したら『空き巣だ』って言ったので『聞いてみます』と返事をしました」

こうして、話を持ちかけたIと、実行犯を繋げただけで自分は関与していないと繰り返し述べる。また、持ちかけられた話は“強盗”ではなく、あくまでも“空き巣”だったと、同じく繰り返した。

検察官 Iから、空き巣の話は聞いていたが、強盗になっているとは聞いていなかった?」

田沢被告 「聞いてないです。関わりたくないと僕が思っていることはIもわかっていたんで、自分も聞くことはなかったです」

検察官 「Iも、現場にいる人間に、Aさんを襲わないように連絡してくれていると?」

田沢被告 「その可能性しかないと思ってました。言って、人は襲うことをやめると思ってました」

検察官 「実行犯は、あなたやIの指示に反して事件を起こしたんですか?」

田沢被告 「僕が指示してるわけじゃないんで。提案はしてる。彼らに指示するような間柄ではない。指示に反して、という思いはないです」

検察官 「“提案”に反して彼らはAさんを襲ったと?」

田沢被告 「はい」

強盗事件の犯行現場となった渋谷区の路上。被害者の会社経営者は、殴られて鼻の骨を折る重傷を負った

共犯らの公判での証拠によれば、Aさんの運転手がAさん宅に多額の現金と貴金属がある」という情報を、今回の事件の関係者に漏らしたことが発端だった。田沢被告はあくまでも現金強奪ではなく“空き巣”を持ちかけられたという主張を崩さなかった。実行犯にはすでに懲役刑が言い渡されている。田沢被告の言い分は果たして通るのか。月には論告弁論が開かれる予定だ。

  • 撮影結束武郎(事件現場)写真(リング上の画像)Facebookより

Photo Gallary2

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