「エリート官僚」役を熱演 高橋春織は『シン・ゴジラ』で役作り
「大学ではずっと写真を勉強していました」
といたずらっぽく笑いながら高橋春織(はおり)ちゃんはカメラマンに向かって話しかけた。カメラマンにとっては同じカメラを勉強した人を被写体として撮影するのは少なからずとも意識をしてしまうだろう。でも、そんなことを知ってか知らずか、もうさっきの発言を忘れたかのように彼女はカメラに向かってにっこりと微笑みかける。清純そうな見た目とは裏腹な、自由奔放さを感じさせる春織ちゃん。
でも、今回、彼女が出演しているドラマ『インハンド』(毎週金曜 夜10時〜TBS系)では、内閣官房サイエンス・メディカル対策室の真面目なメガネ女子・熊谷美緒を演じている。つい先日まで学生だっただけに、これまでは生徒役を演じることが多かった春織ちゃんだが、いきなりの社会人役で、しかも理系の難しい言葉を使いこなす難役だ。
「台本を読んだときは、台詞を噛まずにいえるかな、と不安になりました。しかも内閣官房の役という……役作りには悩みましたね。でも、スタッフさんに相談をしたとき、『シン・ゴジラ』を参考にしては? と助言をもらいました。内閣官房という環境を少し理解できた気がしましたし、『シン・ゴジラ』ほどではないですが、少し早口で話したり、姿勢を意識してエリート役を楽しんで演じています」
今回はエリート役人で、かつ、上司に楯突くようなかなりしっかり者の役どころ。おとなしそうなイメージの春織さんとは程遠いのかとおもいきや、「共通点は多いかも」という、意外な返事が。
「学生時代は積極的に委員会に参加したり、イベントを企画したりする立場にいました。おとなしそうにみられるのですが、実は思ったことははっきり発言しますし、体や手を動かすのも好きです」
大学時代に写真を専攻したのも、4年間実技を通してひとつのことを学びたからだったという。
「何かを作り出したり、表現することが好きなんです。周囲の友達にもクリエイティブな人が多くて、刺激をうけた大学4年間でした。実際に学んだ写真については、いつかどこかでみなさんとシェアしたいなと考えていたので、今はインスタに自分の写真をアップしています。どんな一枚にしたいか、イメージする“絵”を写真に表現するために、手先が器用な母にわざわざ特注で服を作ってもらって、それを着て撮影するほどこだわっています(笑)」
この春、卒業をして、新社会人として一歩を踏み出した。
「『インハンド』というドラマとともに私も新社会人として新たに一歩を踏み出した感じです。会社に入ったりするわけではないので、気持ちに変化はないかなと思っていましたが、菜々緒さん、光石さん、藤森さんを始め、現場でご一緒させていただくみなさんが素晴らしい方ばかりなので、気持ちも引き締まりましたね」
高橋春織(たかはしはおり)
1997年東京都生まれ。ドラマ、映画、バラエティなどに出演する傍ら、昨年までは「ZIP!」(日テレ系)のZIP!ファミリーとしてキャスターを務めていた。趣味は写真を編集すること。
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企画・構成:SUPER MIX文:知野美紀子(SUPER MIX)撮影:田畑竜三郎