世帯年収3000万 妻が夫の2倍稼ぐ同級生夫婦の二人三脚生活 | FRIDAYデジタル

世帯年収3000万 妻が夫の2倍稼ぐ同級生夫婦の二人三脚生活

世帯年収1400万円以上 新富裕層「パワーカップル」の衣食住レポート1

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約56%の金融資産が 60 歳以上の高年齢層によって保有されていると言われる日本。若年層は働けど働けど生活が豊かにならないと不満の声が上がる中、株高などを追い風に「パワーカップル」と呼ばれる若い世代の“新富裕層”が台頭してきている。

「パワーカップル」とは、夫婦の年収がそれぞれ700万円以上、世帯年収1400万円を超えるカップルのこと。日本全体の平均年収が400万円台前半であることを考えると、二馬力とはいえ、かなりの高額所得者であることには変わりない。

そこで、高額消費の担い手と目されている本物の「パワーカップル」を取材。その実態をお届けする。

妻が夫の倍の年収を稼ぐ夫婦の場合

今回話を聞いたのは、保険代理店に務める妻が、夫の倍の年収を稼ぐパワーカップル。自宅はタワーマンションが立ち並ぶベイエリア。駅近なのだが、一歩中に入ると外の喧騒を一切感じさせず、エントランスから部屋までゆうに5分はかかる広大なマンションだ。(文中に登場する名前はすべて仮名)

夫・翔太(39):日系通信会社勤務 年収1000万円

妻・恵(39):日系保険代理店勤務 年収2000万円

交際のきっかけ:高校の同級生

住居: 3LDK(90平米)の賃貸マンション 家賃25万円

二人の出身地に、2600万円で購入した翔太さん名義のマンション(70平米)を所有。月7万円のローンを、家賃収入の11万円で相殺している。

恵 「日系保険会社に14年勤務して、今は保険代理店で働いています」

翔太 「僕は日系通信会社の管理部マネージャーとして経理をやっています」

二人の出会いは高校時代まで遡る。

恵 「高校の陸上部で私がマネージャー、彼がキャプテンでした。1年生の頃からずっと私が片想いしていて、3年生の10月から交際スタート。当然勉強に身が入らず、二人とも受験に失敗(笑)。二人とも一浪して、主人はそこそこ有名な地元の大学に、私は近郊の名もない大学に進学しました」

「会社に入れば一生働くんだから、学生からバイトなんてしたくない」と何もしない翔太さんを頼りなく感じ、就職活動中に一度別れるものの復活。しかし恵さんが日系大手保険会社に就職したことで、再び危機が訪れる。

恵 「就職したての20代の頃は、電車で隣に座った人にも声をかけるぐらい“保険命”だったんですよ。『保険でお客様を守らないと』って正義感に燃えていて。表彰も狙っていたので、“出会う人=保険”みたいに考えていました。デートをしていても、仕事の電話が入ったら仕事に戻るなんてしょっちゅう」

翔太 「それ自体は問題なかったんですが、僕の会社の人に子供が生まれたって話をしただけなのに、学資保険を勧めようとしたから頭に来てしまって。しばらく連絡しませんでした」

そんなとき、恵さんの勧めで翔太さんが入っていたゴルフ保険が満期を迎えたため、恵さんは翔太さんに連絡せざるを得なくなった。

恵 「電話をして『更新しますか?』と聞いたら、彼は冷たく『更新しといて』と一言。そこで勇気を出して『私との関係は更新しますか?』と聞いたら、『会わない間にいろいろ考えていた。29歳といういい年なのにプロポーズもしていなかったオレとずっと一緒にいてくれてありがとう。結婚しよう』って♡」

翔太 「恥ずかしいからやめてくれ(笑)」

保険によって別れ、保険によって結ばれた愛。嘘のような本当の話だ。もちろん結婚式も保険が絡む……というより、恵さんにとっては自分たちの結婚式も営業のチャンスだ(笑)。

恵 「当時、とあるホテルを担当していたので、『ここで結婚式を挙げたんです』という話は絶対に営業でも生きると思って。ホテルが実家から離れていることを両親にいろいろと言われましたが、『私の仕事のためなの!』と説得し、社割などを徹底的に使わせていただいて120名を招いて豪華な式を挙げました。料理も装花も最高のものを最低料金で。それでも600万円かかったので、普通に払ったら1000万円以上かかると思います。いまだに会社の部下に『あんな結婚式に出たのは、後にも先にも初めてだ』と言われますよ」

翔太 「それも結婚式後の営業で、きちんと回収してきたみたいです。我が妻ながら、やるなあと(笑)」

その後のハネムーンは、仕事命の恵さんの希望でアジアンリゾートに。

恵 「何かあったときにすぐ帰れるから、近場にしました。実は、泊まったところもあまり覚えていなくて……。4日間ぐらいの滞在中、ずっと携帯を見ていましたから。人間らしくなったのは、子どもができてからです」

婚約指輪の代わりに時計を贈り合い、結婚指輪はしないので「適当に」購入。ついこの間「どうせ着けないから」と売りに行ったら、「縁起でもない!」とお店の人に言われたそうだ。そんな話もあっけらかんと話す恵さんに、むしろ清々しさや可愛らしさすら覚える。

その後、日系大手ならではの手厚い福利厚生をしっかり使い、産休・育休中も月収100万円ほどを得ながら計画通り出産。復職後には、年収アップと時間の融通が利く環境を手に入れるため、現在の保険会社に転職した。

恵 「前の会社では毎日朝礼があるなど時間に縛られていましたが、今は直訪直帰できるのでとても楽。年収も1300万円から2000万円にアップしました。でも実は、地元にいた時は2800万くらいあったので、その当時に比べれば多少減ってしまったんですが……」

本社勤務になった翔太さんとともに、出身地から東京に引っ越した恵さん。たった1年でゼロから人脈を築き、ここまで稼ぎ出すガッツと能力は尊敬に値する。

恵 「とはいえ出費も多いです。地元のお客様に会いに行く交通費は自腹ですし、身なりにも気を使わなくてはいけないので、2000万円そのまま全部が収入かというと違うかな、と」

妻が働き、夫がサポート。二人三脚で高収入を実現

営業だけでなく、教育係およびファイナンシャルアドバイザーとして日本全国を飛び回る恵さんを、翔太さん(と翔太さんの会社)は驚くほどの献身ぶりで応援している。

翔太 「家賃は25万円ですが、15万円家賃補助が出ているので実質10万円です。家事はほぼ僕で、料理は完全に僕の担当。娘のためにも野菜多めで健康的なメニューを心がけています」

恵 「掃除は私で、月2回家事代行を頼んでいます。娘のお迎えは必ず二人で行きますね。そういうルールにしないと、私が仕事優先で帰ってこないだろうと夫が心配しているんです。まあ、図星なんですが(笑)」

家計の内訳は、食材を宅配してくれる『パルシステム』に10万円、バレエ、英語、塾、ピアノ、プールなどの習い事を含めて娘の教育費が12万円、そして保険に30万円、投資信託に15万円。夫のお小遣いは5万円だ。

翔太 「娘が生まれてから写真に凝りだして、カメラやレンズを集め出しました。もともとゴルフが好きなので、主にその二つにお金を使っています」

一方、妻のお小遣いは平均30万円ほど。ただ、これはほぼ必要経費だという。

恵 「対面の仕事ですし、お客様から信頼していただくには見た目も大切。仕事着でもあるスーツは、30万円くらいのオーダーものです。化粧品は自分の好みでシャネル。バッグもきらびやかではないですが、高級品を使っています。時間がないので、靴5足、インナー5枚などまとめ買いするのが鉄則。化粧品は1回で1年分買います(笑)」

恵さんと話していて感じたのは、とにかく“時間をムダにしない”ということ。10分、15分でも時短を心がける。

翔太 「恵は食にこだわりがなく、しかもメニューを考える時間がもったいないという考え方。『月曜は野菜炒め、火曜は生姜焼き……』と1週間の献立をあらかじめ決めていて、それに合わせて僕が毎日作っています。このマンションを選んだのも、僕の会社が徒歩圏内だからなんです」

恵 「マッサージに行く時間もお金ももったいないのでマッサージ機を買いましたし、コーデを考える時間がもったいないのでスーツのインナーはいつも同じです。ランチも時間がもったいないから、歩きながらかコンビニのイートインコーナー。とにかく時間を有効に使いたいんです」

バリバリ働く恵さんにばかりフォーカスしがちだが、翔太さんは友人と出かけるより、自分の世界で楽しみたいタイプ。愛車のメルセデスベンツを乗り回しているだけで幸せだそうだ。

翔太 「仕事関係の資格試験に通ったら、どんな車でも好きなものを買っていいと言ってくれて。試験も通ったし、車も買えたし、大満足です!」

恵 「夫婦でそれなりに稼いでいるんだし、それで夫が満足してくれるなら安いもの。日々のことに感謝しているので、まったく問題ありません」

目下の課題は貯金すること。保険や投資信託にお金を使っているため、普通貯金の額は現状2000万円以下という。

恵 「1億1000万円のタワマンを買いに行ったら、営業マンに『900万円の頭金を払うのに苦労する人はお断り』という態度を取られ、火がつきました(笑)。これからは贅沢を控えてお金を貯めます!」

目標はリタイアまでに1億円貯金。

恵 「夫は65歳が定年ですが、私は80歳まで働きます。その後はお習字の先生になろうと思っていて(笑)。娘には私の顧客を引き継いでもらって、苦労かけないようにするつもりです」

安倍内閣が「すべての女性が輝く社会づくり」を推進しているが、まさにその先駆者的に活躍する妻と、二人三脚でそれを支える夫。お互いを尊重し合う関係は、出会った高校時代から何も変わっていないのかも知れない。

  • 取材・文周防美佳撮影田中祐介写真アフロ

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