女子ゴルフに影を落とす小林浩美会長VS有村智恵委員長の舞台裏 | FRIDAYデジタル

女子ゴルフに影を落とす小林浩美会長VS有村智恵委員長の舞台裏

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選手たちの代表として協会に不信感を募らせる有村
選手たちの代表として協会に不信感を募らせる有村

今、隆盛を極める女子ゴルフ界が揺れている。

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長が大がかりな組織改革を一気に断行するあまり、テレビ局と放映権問題を巡り、亀裂が深まっている。さらに、プレーヤーズ委員会の有村智恵委員長を筆頭とする選手たちからも不信感を抱かれているというのだ。

国内4大メジャーの1つ「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は、5月12日に最終ラウンドが行われ、渋野日向子が優勝を飾った。

「国内ツアーの中で、最も観客動員の多い大会です。17年は過去最高の4万1484人を記録。今年も大盛況でしたね」(スポーツ紙記者)

だが、その伝統と人気を誇る大会がテレビ局側との“放映権”を巡り、開催継続のピンチに陥っている。

「17年8月、LPGAがテレビ局側に放映権を一括管理する旨を通告。だがテレビ局側は、それまでスポンサーを集め、中継費用を担って女子ゴルフ界も盛り上げて来ただけに納得できない話で、交渉が難航していた」(スポーツ紙デスク)

18年12月20日、LPGAは、日本テレビ局系が中継してきた「ワールドレディス―」の名称を変更し、最終戦の「ツアー選手権リコー杯」は中継局を変更。さらに同系列局が主催、中継していた「KKT杯バンテリンレディスオープン」(熊本)や「中京テレビ・ブリヂストンレディス」(愛知)、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子」(宮城)の中止を発表した。

「これに対し、日本テレビも『協議に臨む姿勢は誠実さを欠くもので、かつ放映権帰属の論議が十分になされないまま発表に至ったことは甚だ遺憾』と文書で公式発表。日テレの事実上の撤退は衝撃的でした」(ツアー関係者)

しかし、年明けの1月25日になると、事態は一転し、LPGA側は「KKT杯―」などの3大会を継続開催することを発表した。

「おそまつなものです。『ワールドレディスー』にしても『LPGAウィメンズ選手権』と名称変更して開催すると発表していたが、会場や番組制作会社などが見つからず実現できなかった。開催、運営となると、簡単なものではない。小林会長は今回の改革を『米男子ゴルフツアーが目指すモデルケース』と公言しているが、米PGAツアーでは、内部のプロダクションが番組を制作し、収益を得ている。一朝一夕で成せるようなプロジェクトではない」(前出・ツアー関係者)

テレビ局以外の主催者にしても、放映権のLPGAへの帰属については納得していないという。

「その数は、LPGA側は『一部』と説明しているが、ツアー関係者によれば『半数以上』に上るそうです。Jリーグをはじめとした放映権を持つスポーツ団体は、みずから大会を主催し、リスクを負って興行しています。LPGAはまったく状況が違うので、賛同できないようです」(前出・スポーツ紙記者)

なかでも、一時“開催中止”となった熊本県で唯一の大会「KKT杯―」の会場では、来季の開催を危惧する声が選手からも聞かれた。

「ご当地出身の上田桃子は『熊本を象徴する大会。ずっと続けるために頑張っていきたい』と話していた。16年の大会が熊本地震で中止になったばかりにもかかわらず、日テレ系のKKT(熊本県民テレビ)が主催という理由だけで、簡単に中止の決断をしてしまうLPGAへの不信感が拭えていないように感じた」(前出・スポーツ紙記者)

選手会に相当するプレーヤーズ委員会の有村智恵委員長にとっては、上田以上にショックだったようだ。

「この大会は13年に名称変更しているが、新規スポンサーを連れて来たのが実質、有村でした。10年には『バンテリン』のCMに起用されていたし、有村の所属事務所は、KKT局員が退職して立ち上げた会社です。昨年12月の中止決定の時は『裏切られた』と呆然としていた。小林会長の右腕の役員が選手との窓口だったんですが、『マスコミ報道のようなことはなく、何も決まってないから。あなた達はゴルフに専念して』と説明されていたそうですが、有村は納得していないようでしたね」(KKT関係者)

LPGAの大改革は「選手ファースト」を旗印にしているが、不安の声ばかりが選手から漏れてくる。

「LPGAの発展は、他国やほかのスポーツ界と異なる歴史がある。テレビ局との関係がこじれれば、選手のスポンサー契約料引き下げの憂き目もある。独断とも映る小林会長の舵取りに対して、プレーヤーズ委員会からブーイングが起きてもおかしくない状況が続いているんです」(前出・スポーツ紙記者)

若手の活躍が著しく、隆盛を誇る『女子ツアー』。スポーツ中継は、ネットを通じ、世界中に放映されることも多くなった。LPGAも放映権を取りまとめ、アジアや世界への配信を目指したいのかも知れない。しかし、こうした協会と選手との間に溝が深まるようなことになれば、その人気に影を落とすことになりそうだ―。

  • 写真アフロスポーツ

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