復帰後初本塁打! 大谷翔平についての「監督の言葉」が意味する事

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ボルティモア・オリオールズ戦でヒットを放つ大谷翔平。2019年5月11日(現地)

エンゼルスの大谷翔平選手が打者として、復帰しました。

昨秋のトミー・ジョン手術から8ヶ月で、メジャーのバッターボックスに戻るのが早いのかどうかは分かりません。トミー・ジョンを受けた選手で、打者としてのリハビリの経過のデータはほとんどないはずで、やはり彼は規格外で唯一無二の選手ということでしょう。

復帰したデトロイトでのタイガースとの3連戦では、計14回打席に入り、11打数2安打、3つの四死球、5三振。続くボルティモアでのオリオールズ3連戦では、2試合に出場。10回の打席で10打数2安打四死球なし、2三振という内容でした。

さらに現地時間13日のミネソタ(ツインズ)との初戦ではセンターへのホームランも放ちました。待望の一発も出て、ここまでの内容は「順調そのもの」といった印象です。(6戦で24打数6安打)

特に復帰初戦では空振りした後にヘルメットが外れて落ちるという場面もありました。サイズにもよりますが、フルスイングしないとなかなかヘルメットは動きません。打撃の不安はほぼないと言っていいでしょう。その証拠に、初安打が出た3戦目などは左右に強い打球を放つなど、8ヶ月も実戦から遠ざかっていたのが疑わしいくらい、ボールの捉え方も始動のタイミングも適応しているように見えます。安打が少ないのではとか、打率が上がって欲しいとか、ファンの気持ちも分かりますが、今は本人が楽しくプレーしてくれるだけで御の字なのではないでしょうか。

というのも、そこにはエンゼルスのチーム事情もからんできます。

ミネソタでツインズとの3連戦を挟んだら、エンゼルスは18日の土曜日から(現地時間)ホームに戻って、ロイヤルズとの試合で、いよいよ大谷選手が復帰打席を迎えます。

おそらくスタジアムは総立ち、万雷の拍手で彼の復帰を喜んでくれるでしょう。シンプルにファンに愛されていて、待ち望まれていたのはもちろんですが、下位に沈むエンゼルスはやはり、球団もファンもいいニュースが欲しいものです。下位ではなく3番での復帰というのも、そのあたりに理由があるかもしれません。

そして、特に興味深かったのはブラッド・オースマス監督のコメントです。

「野球は1試合だけを見るスポーツではなく、大谷選手を長いスパンで見守ってゆく」

といった内容を記者に向けて話していたようです。多くの日本の媒体がこの談話をベースに記事を出していました。

そして、実際にエンゼルスタジアムに行ってみると、日本人記者の多さには驚かされます。それも大谷選手のスター性やポテンシャルによるものなんですが、それにしても多いです。

また、復帰まで、大谷選手の打撃練習はほとんどが早い時間に行われていて、ほとんどメディアの前に姿を見せなかったと聞きます。だからこそなんでしょうが、日本のメディアは大挙して「ショウヘイの調子は?復帰はいつになりそうだ?」とオースマス監督に質問攻めにするわけです。

彼は監督として5シーズン目で、以前はデトロイト(タイガース)で指揮を執っていましたが、そこには日本人選手は所属していませんでした。日本の記者はみなさん勤勉です。僕も現役時代に経験がありますが、些細なことでも日々、アップデートして記事を上げることに意識が向いています。これは日本特有の報道かもしれません。ゲームの中身ならまだしも、今日は何を食べた?とか「それ、本当に必要なのかな」と思われる質問もありましたし、チームメイトに「シギ(※編集部注 長谷川滋利のニックネーム)はどんなヤツだ?」と聞く記者も少なくありませんでした。

僕が現役当時の(マイク・)ソーシア監督は経験も豊富で、うまく記者をかわしたり、笑顔であしらったりしていましたが、日本人選手、そしてその周辺の報道陣に初めて接するオースマス監督はそのあたりに多少、戸惑いはあるかもしれません。幸い、オースマス監督も、マイク・トラウト選手はじめ、エンゼルスの選手はみんなナイスガイなので、それで気分を悪くすることはないと思いますが、それらのことを鑑みると彼の出した「野球は1試合だけを見るスポーツではない」というコメントに何か他の意味が込められている、と考えてしまうのは邪推でしょうか。

いずれにしてもエンゼルスのファンは、今は大谷選手が無事に復帰し、楽しそうに野球をしているだけで十分なのではないでしょうか。その結果、チームの調子が上向けば最高ですし、来季は投手としての復帰も待っています。もう少し我慢しながらも、今は打者大谷の打席に一喜一憂する。それが賢明なファンの姿かもしれません。

  • 長谷川滋利

    1968年8月1日兵庫県加古川市生まれ。東洋大姫路高校で春夏甲子園に出場。立命館大学を経て1991年ドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブに入団。初年度から12勝を挙げ、新人賞を獲得した。1997年、金銭トレードでアナハイム・エンゼルス(現在のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム)に移籍。2002年シアトル・マリナーズに移り、2006年現役引退

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