「皇居前広場」 時代が変わるとき ここでドラマが起きていた
時代を映し出す鏡のような場所で 昭和、平成、令和 何があったのか
「皇居前広場という場所は、時代を映し出す鏡のようなもの。終戦後すぐの頃には、皇居前広場には行きたくないという国民も多かった。逆に昭和40年代以降には、大きな幟(のぼり)などを立てた右翼的な人が集まりがちになった時期もありました。
しかし平成になって、象徴天皇として全身全霊で務める天皇陛下の努力を感じ取った国民が、一般参賀に足を運ぶようになり、その数がどんどん増していったのだと思います」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)
今回の改元で特徴的なのが、「令和」という言葉を書いたものを持ったり着たりして皇居前に来る人が多いこと。ちなみに皇居前広場の売店で売られている「令和せんべい」は、一般参賀のおみやげとして大人気だった。
また、新天皇のお出ましなどで、手を振りながらスマホで天皇の写真を撮ろうとする人が目についた。なかには自撮りで「天皇とのツーショット」を撮ろうと試みる強者(つわもの)までいる。
「新天皇陛下は、皇位継承の儀の後に語られた初めてのおことばで、皇室のよき伝統を心にとどめ、国民に寄り添って天皇として責務を果たしていきたい、と述べられています。このままいけば、令和の時代も平成のように多くの国民が皇室に親しみを持つような時代になるのではないでしょうか。いずれにせよ、皇居前広場には、令和の時代が映し出されるようになると思います」(前出・神田氏)
皇居前広場では、日本人、外国人問わず、あちこちで嬉しそうに記念写真を撮る姿が見られる。それは連休が明けても続いている。







『FRIDAY』2019年5月24日号より
撮影:結束武郎