横浜流星、山田裕貴 『戦隊モノ』俳優をブレイクさせた“虎の穴” | FRIDAYデジタル

横浜流星、山田裕貴 『戦隊モノ』俳優をブレイクさせた“虎の穴”

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『はじこい』では、ヒロインの深田恭子に恋心をぶつける年下男子を熱演した横浜流星(19年)
『はじこい』では、ヒロインの深田恭子に恋心をぶつける年下男子を熱演した横浜流星(19年)

ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)での演技が話題になり、写真集『流麗』が発行部数6万部とバカ売れしている横浜流星。

NHK朝ドラ『なつぞら』や、ドラマ『特捜9』(テレビ朝日系)で注目を浴びる山田裕貴……。

この人気急上昇中の若手俳優に共通することといえば、2人とも“戦隊モノ”出身の俳優ということだ。

“戦隊モノ”とは、東映が制作し、テレビ朝日系で40年以上放送されている『スーパー戦隊シリーズ』のこと。75年から放送された『秘密戦隊ゴレンジャー』を皮切りに、現在は43作目の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』が放送中だ。

横浜や山田だけでなく、現在ドラマや映画で活躍する若手俳優は“戦隊モノ”出身や、同じく「東映制作・テレ朝放送」の“仮面ライダー”出身者が多い。

「戦隊モノで言えば、松坂桃李や千葉雄大、玉山鉄二。また、ライダー出身では、オダギリジョーや佐藤健、菅田将暉、福士蒼汰、竹内涼真、吉沢亮など、まさに今の映画界を支える主役級の役者たちが、キラ星のごとく出ているんです。特に2000年代に入ってからは、子どもたちだけでなく、母親まで取り込もうとしたため、イケメン化が顕著になりましたね」(テレビ誌記者)

当然、どの芸能プロダクションも、所属タレントを当選させようと、オーディションは熾烈を極める。だが、仮に受かったとしても、事務所としては金銭的にマイナスだという。

「撮影は1年間に及びますし、その間に関連の映画が1本から3本くらい入ってきます。それに、後楽園をはじめとするイベントにも出演しないといけない。まさに“戦隊漬け”の毎日なので、この期間には他の仕事はできません。事務所としては“1年間、東映さんに預ける”という感覚ですね。ですので、東映撮影所の近辺にマンションを借りて、住まわせる。当然、家賃や光熱費などは事務所持ち。ですが、ギャラは1話につき数万円程度ですし、“ライダーベルト”などのグッズが売れたとしても、俳優サイドには1円も入ってこない。さらに、その間の給料も払わないといけないから、完全に赤字ですよ」(芸能プロ関係者)

しかも、“戦隊モノ”などの演技は大げさなところが多く、松坂桃李はその癖がなかなか抜けなかったという苦労話をテレビで明かしている。

演技の勉強という意味では微妙でも、芸能プロダクションが“戦隊モノ”に何とか若手俳優を出演させたいと考えるのには、ワケがある。

「知名度が上がることが大きいですよね。子どもたちだけでなく、お母さん世代にも顔を覚えてもらえるのは大きい。それに、芸能界でも『戦隊モノをやっていた〇〇です』といえば、売り込みやすいんです。でも、それ以上に期待しているのは、東映さんに役者としての心構えをみっちり鍛えてもらえることですよ。東映といえば、映画会社の中でも特に厳しいことで有名。挨拶からスタッフさんへの心配りなど、イチから叩き込まれます。まさに俳優“虎の穴”ですよ。そこで1年間に耐えられたということは、どこの現場に行っても大丈夫というお墨付きを得たようなもの。当然、映画監督やドラマプロデューサーの信頼度は絶大ですね」(前出・芸能プロ関係者)

若手俳優の成功のウラには、“東映イズム”が脈々と流れているのだ。

 

  • 荒木田 範文(FRIDAYデジタル芸能デスク)

    埼玉県さいたま市出身。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオなどにも出演中

  • PHOTO山田宏次郎

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