東京医大「裏口入学」事件 ここが許せない! | FRIDAYデジタル

東京医大「裏口入学」事件 ここが許せない!

「権力大好き」文科省の父 「受験勉強」ろくにしない息子 「裏口」大歓迎の大学

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’14年、甲府市(山梨)で講演する佐野容疑者。この日、教育による人材育成の重要性について熱弁していたというから呆れる

「今年の入試で医学科に入ってきた学生は120人。その中には、2年も3年も浪人して猛勉強した末に合格した人だっている。今回の裏口入学の煽(あお)りを食って、努力していた受験生が落ちてしまった可能性だってあるんですよ。裏口入学を計画した父親も許されるものではないですし、息子がそれを知っていたなら、ふざけるなと言いたい。さらに、そういう不正をする大学の体質も許せません」

こう怒りを露(あらわ)にするのは、東京医科大学の現役学生だ。

7月4日、文部科学省前科学技術・学術政策局長の佐野太(ふとし)(58)が、「裏口入学」の受託収賄容疑で逮捕された。

東京医大を受験した自分の息子に加点してもらう代わりに、文科省が進める支援事業に同校が選ばれるよう便宜を図る――。漫画の世界のような”裏取引”だが、本当に息子が東京医大に入学してしまったのだから開いた口が塞(ふさ)がらない。

「この事件では、佐野と大学関係者を引き合わせた会社役員・谷口浩司(47)が、受託収賄幇助容疑で逮捕されています。佐野は谷口を通じて東京医大関係者と知り合い、同大を『私立大学研究ブランディング事業』対象校とする見返りとして、息子の裏口入学をお願いした。実際、東京医大は昨年11月に対象校に選ばれ、5年間、国から助成金を受けることが決まっています」(全国紙社会部記者)

佐野は’85年に早稲田大学大学院の理工学研究科を修了し、同年、旧科学技術庁に入庁。学生時代は「印象に残らないタイプだった」(同級生)というが、文科省の要職を歴任し、局長にまで登り詰めたエリートだった。

「実は、佐野は政界進出も狙っていました。ただ、それは頓挫してしまった。というのも、彼の義父は小杉隆元文部大臣(82)なんですが、その小杉元大臣の妻(佐野にとっての義母)が、’10年に支援者からカネを騙(だま)し取ったとして詐欺罪で逮捕されている。この事件をきっかけに、彼は政治家への道を諦(あきら)めたといいます。これで彼は人生の目標を見失ったのかもしれません」(前出・社会部記者)

裏口入学を画策した父も父だが、息子の言動も関係者の怒りを増幅させている。センター試験前の昨年12月にはセブ島で遊ぶ様子をツイッターにアップ。今年2月の本試験後には「春からたぶん東京医科大行きます」と裏口を知っていたかのような投稿をしているのだ。

元文科省官僚で京都造形芸術大学客員教授の寺脇研氏は、こう指摘する。

「この事件は、文科省始まって以来のスキャンダル。エリートには自分の力で成果を上げるタイプと、政界との交渉能力が優れたタイプがいる。彼は後者でしょう。佐野は、個人の利益のために税金が投入された国家プロジェクトを利用してまで、息子を大学に入れた。人の不正を戒める立場にもかかわらずこんな事件を起こしたことに、怒りを覚えます」

官僚という立場を悪用して起きた今回の事件。佐野は自らを”特権階級”であると思い込んでいたのだろう。

麻布(港区)にある佐野の超高級マンション。裏口入学を工作しながら、優雅な”億ション”ライフを満喫していた

息子(右)は今年2月の受験で東京医大に入学。写真はツイッターより

写真:読売新聞/アフロ 撮影:蓮尾真司(自宅マンション)

 

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