三冠王も狙える! 好調・巨人坂本勇人を支える「兄弟の絆」
「今季の坂本は好不調の波がない。ランナーがいればセンター方向に打ち返し、いなければ長打を狙っていく。相手投手に合わせフォームも変えているので、まったく穴がありません」
こう話すのは、2度首位打者のタイトルを獲得した野球評論家の若松勉氏だ。
巨人の坂本勇人(はやと)(30)が好調だ。セ・リーグ新記録となる、開幕からの36試合連続出塁を達成。最近こそ広島の鈴木誠也の勢いに押され気味ではあるが、三冠王を狙える位置で奮闘している。活躍の裏には、坂本を支える「兄弟の絆」がある。
「坂本は3人兄弟の次男です。幼い頃に両親が離婚。女手一つで育ててくれた母親の輝美さんも、巨人入団1年目の’07年に47歳の若さで小腸がんが原因で亡くなっています。そのため兄弟の絆は、とても深い。坂本も6歳年上の兄・勇太さんの影響で野球を始めました。もともと左ききだったのですが、右ききの兄からもらったグローブに合わせ右投げ右打ちに変更。いまでも調子を落とすと、LINEやメールでアドバイスをもらっているそうです」(スポーツ紙記者)
3歳年下の弟・勇斗氏は、坂本の個人マネージャー的存在だ。
「勇斗さんも野球経験者です。’16年1月のグアムでの自主トレには、坂本の練習相手として同行。二人は、毎日のように食事をするほど仲がいいんです」(同前)
勇斗氏は専属運転手の役もこなす。
「ドライブテクニックは相当なもの。都内の複雑な道も知りつくし、渋滞などで兄が疲れないようハンドルをあやつります。5月上旬に新潟で行われた、DeNA戦後のことです。他の選手は球場近くのホテルに泊まりましたが、坂本だけはナイターにもかかわらず弟の運転で都内の自宅へ戻りました。疲労回復を考慮し、慣れないホテルのベッドより遠距離でも自宅の寝室を優先させたのでしょう。長時間の移動を選んだのは、弟を信頼しているからこそです」(巨人球団関係者)
現在も独身生活を貫く坂本。内助の功がなくても、絆の深い兄弟がいれば心配はいらなそうだ。


『FRIDAY』2019年5月31日号より
撮影(3枚目):香川貴宏