名優ジャン・レノ 和歌山カジノ誘致の”客寄せパンダ”に
仏ホテル大手が支店を開設 地元の大物・二階幹事長もごり押しし…
ジャイアントパンダの飼育数日本一を誇る和歌山に、ハリウッドスターが「客寄せパンダ」としてやってきた。
5月14日、日本のカジノ事業参入を目指す仏ホテル大手『バリエール』が日本事務所を開設。そのオープンを記念して、映画『LEON』などで知られる名優、ジャン・レノ(70)が和歌山に現れたのだ。
「『バリエール』は、和歌山市内の人工島『和歌山マリーナシティ』にカジノ建設をするつもりです。その宣伝のため、日本でもよく知られているジャン・レノに、アンバサダーを依頼した」(全国紙和歌山担当記者)
14日、ジャン・レノは市内のホテルで会見を開き、『バリエール』のカジノ事業がいかに魅力的かをアピールした。その後、『バリエール』日本事務所の代表と共に、和歌山市内の市場で行われたマグロ解体ショーに飛び入り参加。突然のハリウッドスターに驚く観光客の目の前でマグロの切り身を頬張り、
「ううん! うまい!」
と、親指を立てて見せた。
自民党のゴリ押しによってカジノ法案が成立したのは、昨年7月。建設地は国内3ヵ所とされ、現在はその椅子を巡って各自治体による綱引きが続いている。
東京、横浜、苫小牧、大阪などの大都市が候補地として挙がっているなか、世界で34ものカジノを経営している『バリエール』が、和歌山に事務所を開いたのはなぜか。国際カジノ研究所所長の木曽崇氏が語る。
「和歌山は県知事、市長、県議会、市議会のすべてがカジノ推進派という全国でも極めて稀な県です。横浜は市長が慎重になっており、最有力と言われている大阪も推進派の維新が市議会の過半数を取れていませんからね。しかも、カジノの候補地とされているマリーナシティは関空からクルマで30分程度と立地も抜群です」
こういった好条件に目をつけた『バリエール』は、5年ほど前から幹部を頻繁に日本に送り、県や市と調整を続けてきた。ジャン・レノまで呼び寄せる力の入れようから見ても、同社が「和歌山にカジノができる」と確信しているのは間違いない。
和歌山県の自民党中堅県議が言う。
「和歌山はほとんど決まりですよ。地元の大物である二階さん(俊博・自民党幹事長)が、ゴリ押ししていますからね。来年の1月には、県の委員会でカジノ建設をどの事業者に任せるか正式決定する予定です。建設費は3000億円程度で、その半分を外資のカジノ業者が、残りの半分を国内の業者で負担することになっています」
和歌山がカジノ誘致を実現する日は、近そうだ。
『FRIDAY』2019年5月31日号より
- 写真:加藤 慶(ジャン・レノ)、鬼怒川毅(二階幹事長)