新記録連発 短距離サニブラウンとやり投げ北口榛花の可能性

東京五輪の新エース

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9秒99の記録を出したサニブラウン・ハキーム。レース映像は留学先・フロリダ大の陸上部によって公開されている

東京五輪を来年に控え、陸上競技での新記録樹立が相次いでいる。5月11日には、米大学南東地区選手権100mでサニブラウン・ハキーム(20)が日本人史上2人目の9秒台を叩き出した。なぜ「10秒の壁」を破ることができたのか。

「これまでの彼の走りとは身体のブレが全然違う。以前はがむしゃらに、身体を前にねじるようにして走っていたが、今は無駄がないスムーズな走りで、体幹が鍛えられていることがよくわかります。スタートの安定性、加速力が増すことで、前半に無駄な力を使わず、後半の持続力を保てています」(中京大学陸上競技部監督の青戸慎司氏)

サニブラウンは’17年秋から、アメリカのフロリダ大学に留学している。この留学が強さの秘訣だと話すのは、男子100mの元日本記録保持者で甲南大学教授の伊東浩司氏だ。

「サニブラウン選手は16歳の時、世界ユースでウサイン・ボルトの記録を破って優勝しましたが、翌’16年に肉離れを起こしている。ボルトも、シニアの世界選手権に出てきた時は肉離れを起こしました。彼らほどになると、若い時は持っている才能に身体が追いつかないのです。その後もサニブラウン選手はケガに悩まされてきましたが、留学先のアメリカで9秒台の走りの負荷に耐えられる身体作りを徹底して行ってきた。その結果が今、出てきている状態だと言えるでしょう。今後、世界で争うトップスプリンターになることは、間違いないと思いますね」

新世代エースは彼だけではない。5月6日には、女子やり投げで北口榛花(はるか)(21)が従来記録を56㎝上回り、日本記録を更新した。試合を取材していた専門誌記者が言う。

「去年まで北口選手は、試合中にミスをすると動揺して涙を浮かべ、さらにミスを誘発することが多かった。それが変わったのは今年2月のチェコ留学以降です。留学時には、女子やり投げ世界記録保持者のシュポタコバから助言を受けることもあったとか。誰の力も借りず、単身チェコに1ヵ月間留学したことで精神的に見違えるほど強くなりました」

サニブラウンと北口には、不思議な共通点があった。前出・伊東氏が話す。

「実は二人とも、’15年の世界ユース陸上で世界チャンピオンになっているんです。しかしその後は、ケガや技術的課題で一時低迷したことまで共通している。二人が苦しんだのは、今までの日本人選手を超えたスケールの大きさ故とも言えるでしょう。二人には東京五輪で、世界トップクラスの選手と互角に戦う姿を見せてもらいたいところです」

新世代エースたちの活躍で、大いに盛り上がる日本陸上界。東京五輪はこれまで以上に見ごたえのある大会になるのは間違いない。

『FRIDAY』2019年5月31日号より

  • 写真University of Florida/アフロ(1枚目写真)、月刊陸上競技(2~3枚目)

Photo Gallary1

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