「AIはツンデレ」家電芸人がおすすめする、役に立つ“面白家電”
「多機能ではなく、単機能だけど高性能」が最近のトレンド
第1位 スマートスピーカー「Google Home」(グーグル)
「うわっ! なんやコレ。このテレビ、めっちゃ薄い。紙みたいですわ。ふつうテレビの裏って、配線とかゴテゴテ付いてますけど、これには一切ついてないです。全部、ディスプレイの下にまとめてある。なんか、ツッコミどころがない!」
薄さ4㎜の有機ELテレビ「OLED・TV」をナデナデと触りながら目を丸くしているのは、人気バラエティー番組『アメトーーク!』の「家電芸人」でおなじみ、『TKO』木本武宏(48)だ。
家電の世界はいまや日進月歩。電化製品好きを自認する木本ですら、実際の”現場”に突撃してみて、仰天したらしい。
今回、木本と本誌はビックカメラ新宿西口店に突入。最新家電のジャングルを探検し、”お宝”を次々と発見した。以下、製品名の次にある順位は、木本と本誌が見て触って確かめた家電ランキングだ。
AIはツンデレやな……
最初に目についたのは、今人気のスマートスピーカー「Google Home」(第1位)。内蔵されたマイクで音声を認識し、情報の検索を行うAIを搭載する。さっそく、木本が話しかけてみる。
「オッケーグーグル、『TKO』の木本って知ってる?」
「スイマセン。ヨクワカリマセン」
「知らんのかい(笑)」
ツッコミながら、「悲しいなあ……」と無念の表情を浮かべる木本。だが、「Google Home」の真価が発揮されたのはこの後だ。横にいた店舗スタッフがすかさず、「オッケーグーグル、テレビで『TKO』のお笑い番組が見たい」と話しかけると……。
突然、近くのテレビが点灯。なんと、かつての人気お笑い番組『お笑いDynamite!』でネタを披露する『TKO』の二人の姿が映しだされたのである。
「おおっ!? 俺が映ってる。オッケーグーグル。ありがとう。もう~、ホントは『TKO』のこと知ってたんだね!」
満面の笑みで語りかける木本。しかし、返答は先ほどと同じく「スイマセン。ヨクワカリマセン」。「Google Home」さんはツンデレなのだ……。
続いて手に取った2つの製品は、どちらも落ちにくい汚れをカンタンに落としてしまうスグレモノだ。まずはハンディ洗濯機「超音波ウォッシャー」(第3位)。毎秒3万8000回の超音波振動が衣類についた汚れをみるみる落とす。試しに、先日本誌記者がチーズバーガーを食べ損ねてケチャップがついてしまったYシャツに、木本が使用してみる。
ゴシゴシとこすり始めて約3分……。「あっ! マジか」。ケチャップのシミが、水に溶けるように消えていく。気が付くと、Yシャツは真っ白に! これには木本も驚きを隠せない様子だった。
もう一つは様々なタイプの掃除機に取り付け可能な、水を噴射する新型洗浄機「switle スイトル」(第5位)。普通の掃除機は乾いたホコリなどを吸い取るが、これはカーペットにこぼしてしまったコーヒーなどを水噴射の力でキレイに取り去ってくれる。最初に水を入れて使い、後始末は汚れた水を捨てるだけで、お手入れも超簡単だ。
実際にコーヒーをこぼしたカーペットを用意し、木本に掃除してもらったところ、使い心地は上々の様子。
「これ、ものすごく気持ちイイですね~。僕はダイソンの掃除機とか大好きで、マレーシアの工場に見学に行くぐらい好きなんですが、それに負けないくらい気持ちイイ。水を噴射して、落ちた汚れと一緒にその水を吸い取るとか、スゴい発想ですよね。これがあれば、ウチの犬がどこで粗相してくれても構いません(笑)」
嫁さんより頭イイです
夢中で記者と一緒に家電探検を続け、何やら空腹を感じてきた木本が次に手に取ったのは、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」(第4位)である。これは必要な材料を入れておけば、自動で料理ができてしまうウソのような魔法の鍋だ。にわかには信じがたいが、これも試せばわかる。「じゃ、使ってみましょう」と鍋の中にカレーの材料を入れて、調理開始! すると60分後……。
「ええ~。ホントにカレーになってる。味は……。うまっ! これ、水を使わずに野菜の水分だけで作ってるとこがミソですね。だから、素材の旨味がたっぷり出て、口の中に広がる甘みがすごい。これもう家のカレーじゃないです。お店で食べるレベルのカレーかも」
おいしい料理を作るためには、食材もおいしく保存しなければ……ということで、次に向かったのは大型家電売り場。そこにあったのは、AI搭載型冷蔵庫「SJ-GA55E」(第6位)だ。肉に野菜に牛乳、何を入れたのか登録しておけば、どんな料理が作れるかAIが考えてくれるスーパー冷蔵庫である。
「この冷蔵庫、もしかしてうちの嫁さんより頭イイんじゃ……。寝る前に『この食材が足りない』と言っても、次の日になると絶対忘れてますからね。でも、使う人のそんなうっかりを補ってくれる――これぞAIですよね。あと、こういうのが家にあると地元の友達に自慢できそう(笑)」
木本と巡る家電の旅はこうして大満足のうちに終わった。ただ、今のオススメ家電はこれだけではない。下の表は、家電評価のエキスパートで、ジャーナリストの安蔵靖志氏が選んだ便利商品。本誌だけでは探検しきれなかった製品をさらにピックアップしてくれた。
「以前は大量生産大量消費タイプのマスに受ける製品が中心でしたが、最近はパーソナルな志向を捉えた家電がヒットする傾向がある。多機能ではなくて単機能だけど性能が高い”一点豪華型”や、デザイン性を重視したインテリア家電など、多種多様なニーズに合わせて新製品が作られています」(安蔵氏)
役に立って面白い家電――あなたもそれを探す旅に出てみませんか?
第2位 極薄4㎜有機ELテレビ「OLED TV(オーレッド テレビ)」(LGエレクトロニクス)
第3位 ハンディ洗濯機「超音波ウォッシャー UW-A1」(シャープ)
第4位 水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」(シャープ)
第5位 水噴射掃除機「switle スイトル」(シリウス)
第6位 人工知能搭載冷蔵庫「SJ-GA55E」 (シャープ)
第7位 ホームクリーニング機「LG styler」 (LGエレクトロニクス)
第8位 ネックスピーカー「SRS-WS1」(SONY)
『FRIDAY』2019年6月7日号より
- 撮影:鬼怒川毅(第1、2、8位) 柏原力(第3、4、5位)