デビルマンが米国に実在? 原田龍二が最強UMAモスマンに遭遇!
訪ねる先々で不思議体験をしているミステリー体質の原田龍二。今回は日本を飛び出し、原田がアメリカで体験した未確認生物(UMA)との恐怖体験をお伝えしよう。ミステリーチェイサー原田龍二の「奇怪倶楽部」file.009
19年5月1日、インド軍が公式Twitterで「イエティの足跡を発見した」とつぶやき世界中で大きな話題となったのをご存知だろうか? 技術の発達により、これまで未踏の地だった場所に人間が踏み込むことができるようになったり、携帯電話のカメラの普及ですぐに映像を世界中に拡散することが可能となった今、未確認生物(UMA)と言われていた生物の正体が明かされるのもそう難しい話ではなくなってきているのかもしれない。
そんな中、世界のミステリーの語り部として日本の座敷わらしだけでなく、実は世界のUMAの探索も行っている原田龍二が、今回は彼がアメリカのウエストバージニア州ポイントプレザントという町で体験した巨大なUMAの体験談をお伝えしたい。
◆大きな翼と赤く光る目の巨大未確認生物が車と並走して飛んでくる!
アメリカには多数のUMAの存在が伝えられています。例えば「ネッシー」のように湖にいる「チャンプ」。これはアメリカとカナダの国境にかかるシャンプレーン湖にいると言われる首長竜のUMA。目撃や動画の投稿が絶えず、バージニア州ではチャンプを傷つけてはいけないという法律が制定されたほどです。ただ、僕が以前、探しに行ったのはこのチャンプではなく、「モスマン」というアメリカでもっとも恐れられているUMAです。
モスマンは体長2〜3mで黒い体毛に覆われたモンスター。大きな翼と赤く光る目、そして車よりも速く飛行するといわれています。人に危害を加えたという情報はありませんが、モスマンの目撃情報が多いポイントプレザントというでは、町の人々が車を走らせている時に目撃をしたという話がたびたび話題に上がるそうです。
モスマンを探す際に、僕がある女性に話を聞きました。彼女がまだ幼い頃、父親と一緒に車を走らせていると、窓の向こうから大きなものが飛んでいる気配を感じ、振り向こうとしたところ、父親から「振り向いてはいけない、前を見るんだ!」と強く言われたらしいのです。ただ、彼女も父親も明らかに鳥とは違う巨大な黒い生き物を目の端で確認していて、赤い2つの光を見たそうです。彼女がこのモスマンらしき存在を見たのがTNTといわれるアメリカ軍が保有する土地の近くを通る道と知り、僕たちはそのTNT周辺を捜索することにしました。
◆ 穏やかなキャンプサイトの夜は恐怖の嵐の前触れだった……
捜索は僕を含め、現地の警察官と軍人が1名ずつ、そしてUMAを追っているアメリカの制作チームで行いました。目撃が多発しているというTNTエリアにキャンプをしながら、モスマンが出るという日没から夜にかけて探す計画です。
このTNTエリアは森のような広大な敷地で、中には発電所や廃墟となった倉庫などがありました。僕たちはこの発電所と、倉庫、そしてもう一ヵ所、過去に目撃された場所に暗視カメラを設置し、何かが現れた際には記録ができるようにしました。
まるで、デビルマンのような姿といわれるUMA。恐怖心がなかったと言えば嘘になりますが、その日の夜はキャンプサイトでも特に異変はなく、穏やかな夜を過ごしました。しかし、翌日からまるで侵入者の僕たちを脅すような様々な異変が起き始めたのです……。
◆異変があったカメラを直そうとすると突然、人のものとは思えない叫び声が!
翌日、設置したカメラを回収しに発電所にはいると、明らかに前日とはカメラの向きが変わっていたのです。
僕たちは入り口から室内の中を広く見渡せるようにカメラをセットしていたのですが、そのカメラがなぜか真下の床向きになっていました。
ネジで三脚にカメラを固定するタイプだったので、ネジの緩みも考えられると思います。ただ、そのカメラを直そうとしたその時
「ギャーーーー!」
という、明らかに人とは違う叫び声が聞こえたのです。例えるならピューマのような大きな猛獣が威嚇したりする時に出すような大きな叫び声でした。
これには一緒にいた警察官や軍人たちも驚きを隠せずにいました。なぜなら、TNTにはそれほど大きな声を出せるような動物が存在しないからです。
危険に身を置いていることを改めて意識しながら次の場所に行くと、今度もカメラがおかしくなっていました。二ヵ所目のカメラは箱に入れていたのですが、なぜかその箱の蓋が開いていたのです。
蓋が開いている理由には様々なことが考えられます。ただ、この蓋の鍵はフックを引っ掛けるような細かい指先の作業が必要なものでした。仮にモスマンではなく、何かの動物の仕業だとしても、こんなに細かい指先を使うことをチンパンジーならまだしも、ほかの動物ができるでしょうか……。
◆暗闇の森の中、何者かが僕たちの後ろをついてくる……
夜になり、叫び声が響いた場所を捜索しようと、僕たちチームは懐中電灯を片手に森を歩きました。
すると突然、
「ドン」
と何かが僕たちの近くに落ちてきました。それも真上からではなく、向こうの木からこちらに向かって意識的に投げられるような感じで何が落ちてきたのです。警察官はとっさに下がれと指示して、銃を構えました。
何かが僕たちを傷つけようとしている。そんな恐怖を抑えようと、落ち着けと自分に言い聞かせていた次の瞬間、
「ガサガサッ」
と地面に近い木が大きな音を立てて揺れ始めました。
その音は風で起きた音ではなく、「何者かが木を持って意識的に揺らして音を立てている」ものでした。
間違いなく、何かがいる……!
警察官も軍人も銃を構え、いつでも発砲できる状況でした。そんな中、今度は木の上のほうが揺らされました。しかし不思議なことに、何かが木を登った物音は一切しなかったのです。そう、まるでモスマンが翼を使って上に飛んだかのようでした。
木が揺れる音がしてからは特に何も起きず、僕たちは警戒しながらキャンプ場で一夜を過ごしました。
翌日、物音がした場所を改めて捜索したところ、木が折れている様子も、地面が荒らされていたり、足跡らしきものも一切見つかりませんでした。
残されたのは威嚇された恐怖と暗視カメラの映像だけ。日本に戻り、カメラの映像を見ると、室内を写した映像に赤く光る2つの光がふわりと部屋を浮遊する様子が映し出されていました。
あれは一体何だったのか? モスマンだったのか僕には正直わかりません。ただひとつ言えるのは、こういうミステリアスな経験が自分の凝り固まった常識を壊してくれて、ニュースでしか知らない世界も広げてくれるのだと思います。
ミステリーはロマン。だからこそ僕はミステリーをいつまでも追い求めるのです。
- 語り部:原田龍二
- 企画・構成:SUPER MIX
- 文:知野美紀子(SUPER MIX)