平野佳寿 26試合連続無失点! メジャーリーガーが打てない魔球

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ダイヤモンドバックスの球団新記録を樹立 絶好調のヒミツ

人差し指と中指でボールを挟みスプリットを投げ込む。走者を置いてから粘り強く、得点圏での被打率はわずか0割8分(メジャーの平均は2割6分ほど)だ

「メジャーの打者を翻弄(ほんろう)しているのが、魔球と呼ばれる平野のスプリットです。平野のスプリットは、落ち方が2種類ある。真っ直ぐに落ちる〝ストレートダウン〟と、右投手のグラブ側に落ちる〝グラブサイドダウン〟です。特に右打者から見ると逃げるように落ちるグラブサイドダウンは、メジャーの打者にとって初めて見る軌道で打つのは困難でしょう」

スポーツジャーナリストの、友成那智氏が解説する。

ダイヤモンドバックスの平野佳寿(よしひさ)(34)が絶好調だ。7月4日に1/3回を投げカージナルス打線を無安打に抑えると、26試合連続無失点と球団新記録を更新。同日現在、セットアッパーとして2勝0敗、防御率1.22とバツグンの成績をあげている。地元紙『アリゾナ・セントラル』は、特集を組み絶賛した。

〈ヒラノは25試合連続無失点を記録した試合の最後のボールを、ロブロ監督から受け取らなかった。本人によると『自分の記録よりチームの成功が重要だから』だという。素晴らしい精神の持ち主。間違いなく今季の日本人で最高の投手だ〉

平野は、渡米直後から活躍できていたわけではない。シーズン序盤は失点を重ね、防御率が3点近くまで悪化したこともある。前出の友成氏は「才能を引き出した捕手の存在が大きい」と話す。

「3番手捕手のジョン・マーフィーです。平野は5月以降、マーフィーと組んでから好調を維持しています。正捕手のアレックス・アビラと組んだ時は防御率1.12、2番手捕手ジェフ・マシスとは3.00ですが、マーフィーとは0.56です。マーフィーはヤンキース時代、田中将大と組み日本人投手の特性をよく知っている。メジャーでは『スプリットはヒジを壊す可能性が高い』と言われ、投げる投手が少ない。田中将大や野茂英雄など米国で成功した日本人投手は、それを逆手に取りスプリットを武器にしています。マーフィーは独特な曲がり方をする平野のスプリットも有効だと感じたため、多投させるようになったんです」

’17年のWBCで投手コーチを務め、平野とともに戦った権藤博氏が語る。

「WBCでも米国の硬いマウンドや滑るボールに戸惑うことなく、メジャーの打者を完璧に抑えていました。一見そうは見えませんが平野は身長が高い。190cm近い長身から落差のあるスプリットを投げられれば、そう簡単には打てません。日本代表の小久保(裕紀)監督も『今日の抑えは平野で行きます』と伝えると、いつも安心したような顔をしていました」

チームの立地も平野に味方している。

「砂漠地帯にあるダイヤモンドバックスの本拠地アリゾナ州フェニックスには、日本人記者はほとんどいません。たまに共同通信の記者が取材に来るぐらいです。平野は大人しい性格。渡米前から『日本人がいないほうが野球に集中できる』と話していました。26試合連続無失点の大記録を達成できたのも、日本の報道陣が大騒ぎしなかったからかもしれません」(スポーツ紙メジャー担当記者)

ナ・リーグ西地区で首位を走るダイヤモンドバックスで、〝新人〟平野は早くも不動のセットアッパーになった。

3番手捕手マーフィー(右)が女房役になったことが、平野の快進撃の大きな要因となっている

写真:AP/アフロ

 

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