再検査次第で手術も 誰が大谷翔平の右ヒジを壊したのか?

兆候は日ハム時代からあった

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「大谷は体重移動のスムーズさに欠けています。メジャーに移籍して下半身をうまく使えず上半身の力に頼った投げ方になっているのが、右ヒジを痛めた原因でしょう。日本ハム時代からその兆候があったので、問題は根が深いと思います」

こう語るのはスポーツ力学が専門の、筑波大学体育系准教授・川村卓(たかし)氏だ。

二刀流でメジャーを席巻した大谷翔平(23)が、右ヒジ内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷で故障者リスト入りした。6月下旬に受ける再検査次第では、早期復帰も期待されるが、油断は禁物だ。スポーツ専門局ESPNのペドロ・ゴメス記者は、テレビ番組でこう話している。

「大谷は、完治まで2年かかる靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けることになる」

前出の川村氏は、故障の原因はメジャー移籍後に顕著になった大谷のクセにあると分析する(2~3枚目写真参照)。

「もともとフォームを崩しがちでしたが、日ハム時代は始動してから股関節に上半身がうまく乗っていたため、右ヒザが折れていません。そのため両肩が平行で、下半身の力を利用できています。左足が着地してからも、身体の開きを抑えられている。その証拠にユニフォームにはシワができています。一方メジャーでは、始動後にヒザが折れ右肩が下がっています。左足が着地してからも身体の開きが早く、ユニフォームが伸びてシワができていません。これでは下半身の力が逃げてしまいます。それを補うには、上半身の力に頼らざるをえない。右ヒジに相当な負担がかかっているんです」

大谷のフォームの変化には、メジャー特有の硬いマウンドが大きく影響している。川村氏が続ける。

「日本の軟らかいマウンドでは、左足を着地させてからも足の裏を回転させるように踏み込み体重移動ができます。しかしメジャーのマウンドは硬いので、着地した瞬間左足にブレーキがかかり体重移動ができません。大谷は硬いマウンドに合わせようと、早く上半身を回転させ身体が開いてしまっているのでしょう。日ハムに入団した当初から体重移動がうまくありませんでしたが、メジャーに行ってより顕著になっています」

二刀流も、少なからず右ヒジにダメージを与えているという。

「大谷は左打ちなので、スイング時に最も力が入る右ヒジに負担がかかります。特に、ボールがバットに当たる瞬間、右ヒジにかかる衝撃は大きい」(川村氏)

大谷が右ヒジを壊してしまった責任は、誰にあるのだろうか。スポーツジャーナリストの友成那智氏が話す。

「フォークを多投させた、エンゼルス首脳陣の責任です。手首を固定して投げるため、フォークが最もヒジに悪いというのは野球界の常識。田中将大も上原浩治も和田毅も、メジャー1年目でフォークを多投しヒジを故障しました。それでもエンゼルスは、大谷のフォークの落差が大きく有効なので多く投げさせたんです。ただトミー・ジョン手術が成功すれば、投手の能力が上がる例も多くあります。田澤純一は術後、145㎞前後だった速球の球速が153㎞まで伸びました。ダルビッシュ有もそうです。彼らに共通するのは、20代半ばまでに手術を受けたこと。長い目で見れば、大谷にとってもプラスになるかもしれません」

不安要素を取り除き、さらに進化した大谷の復活が待たれる。

写真:アフロ

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