栄和人前監督 解任を決定づけた“反省”なき態度
至学館大レスリング部監督を解任された 栄和人前監督の「運命の分かれ道」
監督として現場復帰を果たしてから、わずか3日での解任劇。もしかしたら本誌が捉えたこの飲み会が、栄和人”前”監督(58)にとって、「運命の分かれ道」だったのかもしれない……。
電撃解任2日前の6月15日夕方6時半、栄氏の姿は東京・渋谷にあった。ハンチング帽にマスクをつけ、道に迷った様子でスマホを眺めながら歩いた後、雑居ビルに入っていく。
「この日は渋谷にあるパーティスペースを貸し切りにして、至学館大レスリング部の『保護者懇親会』が開かれたんです。パワハラ騒動以来、心配をかけてきた保護者に謝罪をするため、谷岡郁子学長(64)が声をかけ、20人ほどの保護者が集まりました」(至学館大関係者)
谷岡氏は栄氏を解任した理由について、6月17日の会見で、「反省が見られない」と発表。14日から全日本選抜選手権『明治杯』が都内で行われたが、栄氏はセコンドに入らないどころか、練習場にも顔を出さず、挙げ句の果てには謝罪会見を開いた14日夜に、キャバクラに行っていたことも報じられた。至学館大関係者が続ける。
「そういった様子を見て呆れ返った学長は、15日の『懇親会』の前に、栄さんに『荷物をまとめて名古屋に帰りなさい。自宅謹慎しなさい』と伝えた。栄さんはそれに対し、『わかりました。申し訳ありませんでした』と答えていました」
この時点では、谷岡氏は「解任」は決断していなかった。だが、迷惑をかけた保護者を前にしても、栄氏の”反省”は見られなかったという。
「『迷惑をおかけして申し訳ありません』と谷岡学長が謝罪して懇親会はスタートしましたが、栄さんは学長に促されるまで何も言わなかったんです。あの場できちんと反省の意を示していれば、解任まではされなかったかもしれません。学長は翌16日、関係者と話し合い、チームのために『解任』を決めた。選手も保護者も、決定には納得しています」(同前)
とはいえ、栄氏の後任には吉田沙保里(35)が当たるとも見られており、むしろ至学館大は雨降って地固まった感もある。ただ一方の女王・伊調馨(34)も、着々と復帰に向け練習を重ねている。
「5月頃から、告発状に関わった田南部力コーチのいる日体大で練習を再開しています。再開当初は気が向いたらという感じでしたが、いまではほぼ毎日、練習場に現れ、激しくトレーニングしています。秋には本格的に復活し、大会にも出場するはずです」(日体大関係者)
本誌は6月16日、日体大から自転車で自宅へ帰る伊調をキャッチ。痩せてしまっていた身体は引き締まり、かつての眼光の鋭さも取り戻していた。
新生・至学館大と復活の絶対女王。因縁のライバル対決が、まもなく始まろうとしている。
撮影:西 圭介