西野ジャパン ベンチ裏レポート「あきらめるのは、まだ早い」
本田は衰え、香川は自分勝手、長友は金髪になったけど……
W杯初戦まであと1週間、本番前ラストマッチで西野ジャパンはようやく、’18年初勝利を挙げた――のだが、ハシャいでいるのは、日本のメディアだけだ。
対戦相手のパラグアイはW杯出場を逃した士気の低いチーム。海外メディアは昨年12月の韓国戦からここまで引き分けを挟んで4連敗し、5試合で3点しか取れなかった事実に注視し、「日本はノーチャンス」だと酷評している。
「うーん……一言で言うと『厳しいな』と。これではW杯で勝てないと思う」
W杯直前のオーストリア合宿中、長友佑都(31)はこう嘆いた。「スーパーサイヤ人になりたくて」と髪を金色に染めたのも「救世主でも現れない限り日本代表は勝てない」とわかっているからだ。
「長友や吉田麻也ら危機感を募(つの)らせている選手と、本田圭佑や香川真司ら”前向きバカ”とでチームは割れています」
現地で取材するサッカーライターによれば、「ハリルホジッチ解任によって代表入りした本田や香川に若手が反発。険悪なムードが漂っている」という。
「原口元気や宇佐見貴史ら若手は、敵陣近くでボールを奪って一気にゴールを目指す『ショートカウンター』を取り入れるべきだと意見したのに本田は耳を貸さず、ボールをキープして横展開する従来の戦術に固執。結果、スイス戦で本田は機能せず、若手に『できてねえじゃん!』と毒づかれていました」
ならば、名将・西野朗監督(63)の手腕に期待したいところだが……スポーツライターの後藤茂喜氏は「西野さんが一番のネック」だと断言する。
「強度も密度も足りない練習を若手が不安がっていても何の手も打たない。最後まで3バックでいくのか、4バックでいくのか決めきれなかった――というのも、西野さんにはビジョンがないんですよ。どんなサッカーをしたいのか何度も尋ねましたが『ポリバレント』とか横文字を並べるだけ。主語と述語がつながってなかったりして、何を言っているのかわからない。あえて言うなら、『選手任せで、自由にプレーさせる』のが西野サッカー」
たしかに20年に迫る監督人生で、西野氏が優勝したのは遠藤保仁らタレントが揃っていたガンバ大阪時代の一度きりだ。
「あきらめるのは早いですよ。’10年のW杯で、やはり空中分解寸前だった日本代表を救ったのが実は西野さんなのです。大会前、悩める岡田武史監督が早大の先輩である西野さんに泣きついたところ、『お前の好きなようにやれ』と激励された。開き直った岡ちゃんは戦術もスタメンもガラリと変え、決勝トーナメント進出を果たした」(日本代表関係者)
奇跡は2度、起こるか!?
写真:松岡健三郎/アフロ