トランプと金正恩が握手して1兆円の請求書が日本へ

戦争回避はよかったけど……

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

 

余裕綽々のトランプ氏だったが、非核化への「決意表明」という空手形で体制保証を勝ち取った金氏の勝ち

「今回の米朝会談の隠れた重要テーマは『マネー』です。北朝鮮は5月に豊渓里(プンゲリ)の核実験場を爆破した際、メディアから一人あたり3万ドルを徴収したほど外貨に困っていました。シンガポールに金正恩(朝鮮労働党)委員長が渡航するにも、チャーター機代やホテル代も後ろ盾の中国が肩代わりしている、との情報もあるほど困窮しているのです」(外交ジャーナリストの手嶋龍一氏)

6月12日、米国トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長による史上初の米朝首脳会談が行われた。両者は共同声明に署名し、トランプ氏は「金委員長は非核化への決意を示した」と大成功をアピールしたが、それを鵜呑みにする者は少ない。

「表面上は安倍(晋三)首相も評価して見せたが、現実にはいわゆる『CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)』にはまったく触れられず、非核化のプロセスも不明。肝心の拉致問題も『いちおう伝えたよ』程度の言及で、日本にとってゼロ回答に近い」(官邸関係者)

少なくともすぐに戦争になるような事態は避けられたが、かといって何か新たな具体的合意がなされたわけでもない。会見でそれを突っ込まれたトランプ氏は、「No time(時間がなかった)!」と開き直る始末。結局は「世紀の外交ショー」で終わったといえる。

安倍首相が頭を抱えるのはこの先だ。仮に北朝鮮が非核化を始めるとして、その莫大な費用はどうするのか? という問いに対し、トランプ氏は「日本や韓国が払う」と、しれっと語った。史上初の首脳会談実現という「果実」を美味しくいただいた後、そのツケは「シンゾーが払ってね」というのである。

日本がこれから「ふっかけられる」金額について、前出・手嶋氏はこう話す。

「安倍政権は今後、日朝交渉では’02年の『日朝平壌宣言』を出発点にと考えています。平壌宣言では、日本は先の戦争の償いも含めて1兆円を支払うことが前提になっていたのです。しかし、あの時点で北朝鮮に1兆円を支払っていれば核開発に回っていたはずです。しかも平壌宣言には『拉致』という言葉がなかった。拉致問題は解決すべきですが、1兆円を超える日本の血税を非核化の確かな保証なしに払っていいはずがない。また核・ミサイルの開発に使われかねません」

トランプ大統領から回されてきた莫大なツケを、安倍首相はさらに、誰に押し付けるのか。当然、それは日本国民だということを忘れてはならない。

安倍首相が最優先課題とする拉致問題については、トランプ氏から「あとは直接交渉を」と突き放された

写真:代表撮影/ロイター/アフロ(1枚目写真) 鬼怒川 毅(2枚目写真)

Photo Gallary2

share icon記事をシェアする

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事