とらえどころのない大活躍 清宮幸太郎「こんにゃく日記」
「一軍では結果が出せなかったのに、二軍では5試合で5本のホームランを放つなど大爆発。先輩たちからは『打撃フォームもクネクネしているし、こんにゃくみたいに掴みどころのないヤツだ』と冷やかされています。『こんな成績で満足していない』と、本人は物足りない様子。やはり大物です」(日本ハム球団職員)
どんな時も連日スポーツ紙を賑わせる、日ハムの清宮幸太郎(19)。ゴールデンルーキーの苦闘の日々を紹介する。
5月23日 対ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム) 3打数無安打1三振
「清宮クン、がんばって~」
待ち構えていたファンが声援を送っても、笑顔を返すのがやっと。ホテルに戻ってきた清宮の表情は、さえなかった(1枚目写真)。この日は7番・左翼で先発出場するも、3打席目に3球三振に倒れると6回の守備から途中交代。翌々日は10代最後のバースデイだったが、集まった報道陣には「もっと打って気持ちよく迎えたかったです……」と本音をポロリ。
5月27日 対西武戦(メットライフドーム) 出場機会なし
「幸太郎、一回、向こうに落とす」
試合後、栗山英樹監督から告げられたのは二軍降格通告だった。一軍では21試合に出場して打率1割7分9厘、1本塁打、2打点と低迷。仲間を横目に荷物をまとめると、一人タクシーに乗って千葉県鎌ケ谷市の二軍施設へむかった。
「父親の克幸氏からは『苦しい時が上り坂という言葉を忘れるな。腐らずにガンバレ』と言われたそうです。本人は『もう一度勉強しなおします』と答えていました」(スポーツ紙日ハム担当記者)
二軍に降格した清宮。トレーニングルームで音楽を聴きながらノリノリで首を振っていると、先輩の矢野謙次から声が。
「オマエ、ノリいいな。今度ホームラン打ったらダンスしろよ」
妙なミッションを受けてしまう――。
6月2日 イースタン対巨人戦(鎌ケ谷スタジアム) 4打数1安打1本塁打
迎えた巨人戦。清宮は試合前に「この試合でホームランを打ったら(ダンスを)やります」と宣言。相手は苦手の左投手だったが、第3打席にスライダーを右翼席へ。「出ちゃいましたぁ~」と照れながら、予告通りベンチ前で両手を広げて首を振る「キヨダンス」を披露したのだ。
「二軍で結果を残し『ホームランを連発できるのが自分の持ち味』と自信を深めています。『もっと首脳陣にアピールできるような活躍をし、なんとか交流戦の期間中に一軍に上がりたい』とも話していました」(前出・記者)
一軍の大観衆の前で「キヨダンス」を披露する日は、そう遠くなさそうだ。
撮影:西原 秀