2000万円貯金をすすめる麻生太郎が貯金額100万円のからくり

「年金は他人事」なワケ 所得&資産一覧を大公開

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求心力が低下している麻生氏。最近は自らの派閥パーティーでも失言を恐れ、スピーチを早めに切り上げている

まずは、下の表を見ていただきたい。これは、衆議院第一議員会館内の閲覧室で見ることができる麻生太郎財務相兼金融担当相(78)の所得と資産を、本誌が一覧表にしたものだ。

「『所得等報告書』からは、1年間の所得が3500万円以上あることが読み取れます。『資産等報告書』に目を移すと、弟の泰(ゆたか)氏(72)が会長を務める株式会社『麻生』の株式、生家がある福岡県飯塚市の土地、私邸がある渋谷区神山町の土地・建物など、総額5億円を優に超す資産を麻生氏が所有していることがわかります」(日本大学法学部・岩井奉信(ともあき)教授)

ちなみに、麻生氏の貯金額はたったの100万円。「老後、年金だけでは赤字になる」と言って国民に2000万円の貯金を呼び掛けておきながらこの金額では少なすぎる気もするが、ここにはあるトリックが存在するのだ。

「資産公開法によって国会議員の資産は誰でも見ることができるようになっています。ただし、普通預金や当座預金は公開の対象ではなく、貯金額に含まれていない。そのため、国会議員の資産の実態が正しく反映されていない。これは制度上の欠陥と言えます。資産状況を閲覧する際も、議員会館まで足を運ぶ必要があるうえ、コピーや撮影も許されていない。『こんな大きな家に住んで』などと国会議員が批判されるのを避けるため、わざと資産の閲覧に手間がかかるようになっているのでしょう」(前出・岩井氏)

この表を見ると、麻生氏がいかにカネ持ちで常識離れした金銭感覚の持ち主かが想像できる。そんな彼にとって、2000万円というのはハシタ金にすぎないのか――。

6月3日、金融庁・金融審議会が「夫婦で95歳まで生きるには約2000万円の資産が必要」と発表した。それに対して、「そんなに貯められるわけがない」と批判が殺到。麻生氏が前言を翻す形で報告書をボツにする事態にまで発展した。

5億円という膨大な資産を持つ麻生氏が、庶民に対していくら「貯金しろ」と言っても反感を買うだけ。なぜ麻生氏はこうも失言を繰り返すのか。

「年金生活者の厳しい現実を肌身で感じ取れていないのでしょう。今回の2000万円の件には官邸も頭を抱えています。年金だけでは暮らせないと言われて真っ先に困るのは高齢者の人たち。彼らは選挙で投票に行く層でもあります。そもそも安倍政権は高齢化社会への対策を行ってこなかった。’16年の時点ですでに、政府の年金や生活保護だけでは暮らせない高齢者の割合が27%に達しており、その後も増えることがわかりきっていた。それでも手を打ってこなかったのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏

以前から、「100年安心年金」を掲げていた安倍政権。だが、年金をあてにできないことが明らかになってしまったいま、一般庶民は自分たちの生活をどう守っていくべきなのか。

「2000万円貯める場合、一人あたり月2万円、ボーナスで12万円貯める生活を夫婦揃って20年間続けなくてはならない。高齢者には酷な話です。さらに、2000万円という数字には生活費しか含まれておらず、介護費や医療費は入っていない。これらの費用を足すと、3000万~4000万円が必要になってしまう。個人がこれだけ老後に向けて貯金しなくてはいけないなんて、年金システムは破綻していると言わざるを得ません」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)

批判を浴びた麻生氏の「年金だけでは赤字」発言は、金融庁の報告書を基にしたもの。金融庁の狙いは、国民を脅して個人の預金を投資に向かわせることだという見方もある。だが、投資をした人は約半数が損をしているのが現実。投資を勧めておきながら、損をすれば「自己責任」とでも言うつもりなのだろうか。

「金融庁の手に乗せられ、勧められるままに投資をすることは避けるべき。安易に投資はせず、今ある貯金を目減りさせないことが肝要です」(前出・荻原氏)

 政治家に必要なのは財力ではない。普通の生活感覚なのだ。

『FRIDAY』2019年6月28日号より

 

  • 撮影鬼怒川 毅

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