来季実現するか!? メジャー挑戦カープ菊池涼介を待つ試練

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2017年WBCに出場した菊池。久々にメジャーで日本人内野手の姿が見られるか

先月、広島東洋カープの菊池涼介選手が出場選手登録8年に達し、国内フリーエージェント(FA)権の資格取得の条件を満たしました。

シーズン中なので本人は、今何も語らないでしょうが、昨オフにテレビ番組で一緒になった際にメジャー挑戦についてコメントを求められると、前向きに真摯に語っていました。もちろんテレビ用のリップサービスも含まれているのでしょうが、今シーズン終了後にポスティングシステムを利用したメジャー移籍の可能性は低くないでしょう。

ここ5年ではNPB経由でメジャーに挑戦し出場した内野手は、川﨑宗則氏のみです。過去を遡っても2シーズン以上連続して100試合以上に出場した選手は、田口壮氏(04-07年/セントルイス・カージナルス)、井口資仁氏(05年-07年/シカゴ・ホワイトソックス、フィラデルフィア・フィリーズ)、岩村明憲氏(07-08年/タンパベイ・レイズ)の3名のみ。投手や外野手のように、タイトルを獲得したり、チームの看板のような存在になった選手は出現していないのが現状です。

試合数の多さ、移動の長さ、メジャーの投手との対戦などなど、タフな挑戦となる要因は様々ですが、内野手にとって最大のネックは天然芝の守備でしょう。日本でベストナインやゴールデングラブ賞を受賞した名手でも、対応に苦しんでいた姿は印象的です。

やはりイレギュラーの少ない人工芝に比べると、打球や天候によって独特のボールの“躍り方”をする天然芝のディフェンスは困難です。また、ゴロの勢いが急激に落ちるような“死に方”をするボールを待っていると送球が間に合わなくなるため、素早いチャージが必要になってきます。そのあたりに慣れるのには時間がかかるでしょう。

ただ、菊池選手に関して言えば天然芝のマツダスタジアムをホームにしているので比較的、アジャストしやすいかもしれません。オフェンスに関しても時折、引っ張って強い打球を飛ばしているので、チャンスもあると思います。堅守と走力ありきで、打率が2割7-8分、ホームランが5本、良ければ10本。そんな数字が期待できると判断されれば、年間を通してセカンドを任せたいチームはかなり多いのではないでしょうか。

そしてこれは僕の意見ですが、菊池選手のような走攻守とも器用にこなす選手は長いシーズンを戦う上で、非常に大切な存在だと思います。メジャーのロースター(選手枠)は25人。投手は先発とブルペンを合わせると一般的に12名で、スタメンの8人を除くと5名しか野手は残りません。DHのあるアメリカン・リーグの場合は4枠のみで、捕手、内野、外野、そしてオールラウンダーがそれぞれ控えているだけのケースもあります。そういう意味で内野の全ポジションを守れるであろう菊池選手は、非常に貴重な存在になってきます。

あとは大前提として菊池選手自身がどのようなイメージでメジャーに挑戦したいのか。現在、カープでは不動のレギュラーで、打順もポジションも2億4000万円(推定)の年俸も保証されている状態です。大きな怪我やひどい不振に遭わない限り、来季以降も同等以上の待遇が見込めます。

その地位とサラリーを一度、リセットするのはどんな選手でも勇気が必要です。メジャーのラインナップはどうしても打撃、もっと言ってしまえばホームランを打つ選手やOPS(出塁率+長打率)の強い選手がプライオリティの上にきますので、守備や走塁ありきの菊池選手は認められるまで時間がかかる可能性が高い。まずは便利屋としてベンチに置かれるだけのシーズンを過ごさないといけないかもしれません。

それを覚悟して行くなら、もちろん応援したいですね。逆に言えば彼が内野手でレギュラーを取ること、あるいは上記のようなマルチロールとしてチームに貢献することで、日本人内野手の可能性がまた広がっていきます。

いずれにしても、前述のように近年、日本人内野手はメジャーでプレーしていないこともあり、データや年俸の相場がないと言っていい状況です。そのあたりをメジャーのスカウティングチームや編成がどう考えて、バランスを取るかも興味深いですね。本人はメジャー挑戦にどんなイメージを持っているのか。そしてどんなチームがどのような評価を持って獲得に乗り出すのか。今シーズンのストーブリーグは日本球界にとっても意義のあるものになりそうです。

  • 長谷川滋利

    1968年8月1日兵庫県加古川市生まれ。東洋大姫路高校で春夏甲子園に出場。立命館大学を経て1991年ドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブに入団。初年度から12勝を挙げ、新人賞を獲得した。1997年、金銭トレードでアナハイム・エンゼルス(現在のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム)に移籍。2002年シアトル・マリナーズに移り、2006年現役引退

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