痴漢冤罪、スマホ、旅行の雨…。いざという時に役立つ「少額」保険

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スマホの故障、痴漢冤罪など、日常生活に潜んでいるさまざまなトラブルに備える保険が、近年、注目を集めている。ミニ保険とも呼ばれるこれらの保険は、自分のライフスタイルに合ったピンポイントの保障を、少ない金額で得られるのが魅力だ。月額や1回あたりの保険料が数百円と少額なものも多く、インターネットで手軽に契約できることから、年々契約者数が増えている。 

正式名称を「少額短期保険」といい、その名の通り、保険金額が少額(1,000万円以下)で、保険期間が短期に限定されている。従来の生命保険会社や損害保険会社とは異なり、財務局に登録する「少額短期保険会社」が提供している。ニッチな市場をターゲットにしたものも多く、「こんなものもあるのか?!」と感心させられるミニ保険の世界。転ばぬ先の杖として、知っておいて損はない。

弁護士に無料ヘルプコールができる“痴漢冤罪保険”(月額 590円)

ドラマや映画で無実の人が痴漢冤罪を被るケースを見ると、まるっきり他人事とも思えない。毎日、満員電車で通勤する人にとっては、まさに日常的に起こりうるリスク。「自分に非はないから大丈夫」とは、言っていられないのが痴漢冤罪事件だ。

2017年に痴漢を疑われた男性が線路上を逃走するという事件が相次いだことから注目が集まったのが、ジャパン少額短期保険の「痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険」。痴漢と間違われたとき、携帯やスマホのボタン1つで、提携弁護士に一斉に緊急メールが送信され、弁護士と電話で相談できるという仕組みだ。対応する弁護士も痴漢(刑事)事件に馴れた弁護士事務所を選んでいるという。

痴漢を疑われた場合、初動を誤ると無実を証明することは難しいと言われる。その場から逃げ切れる確率は低く、逃げて捕まれば逮捕のリスクが高くなり、線路に逃げれば鉄道法違反で痴漢をしていなくとも罪に問われ、前科が付く可能性もある。動揺して余計なことを言うのも不利になる危険がある。痴漢冤罪事件で重要なのは、“初動を誤らないこと”だ。そのため、駅員室に連れて行かれる前に、少しでも早い段階で弁護士に相談し、どういう行動を取るべきか指示を受ける。必要に応じて、弁護士が駅員や警察と電話で直接話しをしてくれ、現場に駆けつけてもくれる。

以前は、事件発生後48時間の弁護士費用のみだったが、昨年7月から時間の制限がなくなり、48時間を超える部分も補償されるようになった。賠償責任保険とセットで、月額590円というお手頃な金額。弁護士費用等保険金は最高300万円、個人賠償責任保険金は最高1,000万円。痴漢事件だけでなく、日々の生活で起こる偶然の事故で自分が加害者となった場合の損害賠償費用も支払われる。

NYでは、アカデミー助演男優賞受賞歴もある米俳優のキューバ・グッディング・Jrさん(51)が痴漢容疑で5月13日に現地警察に出頭した。本人は容疑を否定している

丁寧に扱う分だけ割引になる!「スマホ保険」(月額356円〜)

常に持ち歩き、画面割れや故障、水濡れの危険にさらされているスマホ。衝撃でヒビは簡単に入るし、修理・交換費用は高額だ。

スマホの修理費用等を補償する保険はいくつかあるが、日頃のスマホの扱い方が保険料に反映されるという、ユニークな保険がある。「スマホ保険」(ジャストインケース)は、スマホに搭載されている加速度センサーなどからのデータを、専用アプリが計測し、独自の安全スコアをAI(人工知能)が算出。スコアが高いほど丁寧に使用していると評価され、故障リスクが低下するので保険料が割引かれる。利用者の割引率の平均は3割だという。

初めに加入するときは、スマホの機種によって基本の保険料が決まっている。保険期間は3ヵ月単位で、その間に保険金を請求せず安全スコアが高ければ、更新時(4ヵ月目以降)は基本の保険料から割引かれるというシステムだ。破損、故障、水濡れ、盗難紛失を補償してくれる。

専用のアプリを使って、加入から保険金の請求まで、スマホで完結できるというのも新しい。保険料の安さや加入の手軽さで、20〜30代の加入者が増えているという。保険会社の狙い通りか、保険に加入してからスマホを丁寧に扱うようになったとの声も。

い物中に食器を割ってしまった! もカバー。「個人賠償責任保険」

少額で広範囲の補償が得られる保険として、知っておきたいのが個人賠償責任保険だ。この保険の特徴は補償範囲が広いこと。日常生活のちょっとした不注意で他人に迷惑をかけてしまった場合に、かなり使える保険なのである。

買い物中に高価な商品を落として壊してしまった、パーティーでワインをこぼし他人のドレスを汚してしまった、キャッチボールをしていて窓ガラスを割ってしまった、飼い犬が他人を噛んで怪我をさせた、ゴルフプレー中に自分の打ったボールが他人に当たり怪我をさせた、マンションで水漏れ事故を起こし階下に被害を与えたなど。過失により他人を死傷させたり、他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負ったりしたときに、相当広い範囲で補償されるのだ。

さらに大きな特徴として、補償される人の範囲が広い。補償範囲は、生計をともにする同居の親族となっているのが一般的。家族の中の誰かが加入していれば、同居している家族、配偶者、子供の全員が使える。また、生計をともにする別居の未婚の子もカバーできるタイプのものを選べば、実家を出てひとり暮らしをし、仕送りを受けている子供も保証の対象となる。その家の誰かが加入していれば、ほとんどのケースで家族全員をカバーできるということだ。

自転車事故などで、歩行者に後遺症が残るようなケガをさせてしまい、数千万円の賠償命令がくだされるケースもある。そういう高額な損害賠償も保険によってカバーできる。しかも、保険金額が一億円の場合でも、保険会社によって多少の違いはあるが、月々の掛け金は100円から200円程度なのだ。

從來、個人賠償責任保険はクレジットカードの付帯サービスや、自動車保険、火災保険等に付けられる特約として提供されていたが、近年は単独の保険商品もあり、Yahoo!保険(※1)、楽天少額あんしん保険(※2)、日本生命保険(※3)などでも提供されている。ポイントは、“示談交渉サービス”付きのものを選ぶこと。トラブルに巻き込まれた場合、先方との間に入って交渉してもらうことができる心強いサービスだ。すでに加入している可能性もあるので、一度、自分の自動車・火災保険、カードの付帯サービスをチェックしてみよう。

旅先で雨が降った! コンサートに行けなかった! に応えるミニ保険

せっかくの旅行も、お天気が悪いと台無し。そんな旅先の悪天候を補償してくれる保険がある。宿泊予約サイト、ベストリザーブ・宿ぷらざの「お天気保険付きプラン」は、雨が降ったら宿泊代金を100%キャッシュバックしてくれるという。連泊の際も、1日単位で天気を判定、1日単位でキャッシュバックしてくれる。保険料は宿泊料金の10%だ。旅行代理店H.I.S.でも国内旅行向けに「お天気あんしんプラン」があり、こちらは希望のパッケージ旅行商品にオプションとしてつけるタイプ。ともに梅雨の時期も保険料は変わらない。

「チケットぴあ チケットガード」は、コンサートやスポーツなど日時が指定されたイベントを対象に、急な病気、けが、家族の入院、交通機関の遅延、突然の出張などでやむをえずキャンセルした場合、チケット代金を補償する保険。保険料はチケット代の約1割前後が目安。高額なオペラや、子供向けのイベントなどで利用する人が多いという。

大切なものに1日単位でかけられる保険も便利だ。今夏リリース予定の「モノ保険」(ジャストインケース)は、たとえば、1泊2日の旅行に持っていく新品のカメラに旅行期間中だけ保険をかけたり、運動会やアウトドアなどのイベントで、たまにしか使わない高価なものを使うときに1日だけかけることが可能。また、友人から短期間だけ借りたものにもかけておくことができる。上記の「個人賠償責任保険」では、貸借物に対する損害は補償されないので便利だ。

これらのミニ保険を上手に使えば、旅行や趣味が安心して楽しめるうえ、万が一、残念な事態になっても、ずいぶん気持ちをやわらげてくれるはずだ。

※1:Yahoo!ウォレットの登録が必要/※2:楽天銀行に口座を持つ必要がある/※3:日本生命の保険加入者向けサービス

  • 取材・文井津多亜子イラスト渡辺鉄平写真アフロ

Photo Gallary2

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