独立・宇野昌磨がターゲットに 「鉄の女」が抱く大いなる野望
10月中旬から始まるフィギュアスケート・グランプリシリーズのエントリーが、20日に発表された。羽生結弦やネイサン・チェンなど、スター選手たちが今年も熱戦を繰り広げることだろう。そんなフィギュア界では、6月初旬に大きな衝撃が走っていた。
《この度、私、宇野昌磨は長年お世話になっていたグランプリ東海を卒業いたしました。まだ今後のことは具体的に決まっておりませんが、まずは直ぐに始まる海外合宿に打ち込み、一歩一歩進んで行きたいと思います》
公式ホームページでこう発表したのは、フィギュアスケーターの宇野昌磨。伊藤みどりや浅田真央を育てた山田満知子コーチ、樋口美穂子コーチのもとを離れることを宣言した。
「今月から韓国でのアイスショーに出演したり、ロシアでサマーキャンプに参加したりと、コーチ不在の中でも忙しくしています。本人は新たなコーチについて、“今季はもしかしたら1人かも。来季までには決めたいと思っています”と語っていて、慌ててはいないようですね」(スポーツ紙記者)
現在は、平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ選手などのトップ選手を多数指導し、エテリ・トゥトベリーゼ氏のサマーキャンプに参加している。5月中旬ころから、外国人記者の間で日本人選手がエテリ氏の元へ渡るという話が駆け巡っており、ロシアでは“宇野が彼女に師事するのでは”と報道が過熱していたが、宇野本人はあくまで合宿参加が目的だと明言している。
「その厳しさから“鉄の女”の異名を持つ彼女ですが指導力には定評があり、ジュニアの女子選手たちが4回転ジャンプを次々と習得するほど、環境も整っています。ジャンプ強化のためには最高の環境だと考えたのでしょう」(同・スポーツ紙記者)
純粋なレベルアップを目的としている宇野だが、エテリ氏には別の思惑もあるようだ。
「彼女はアジア人、特に日本人選手のスキルや練習態度をリスペクトしていて、“帰化した日本人選手が隣で滑ってくれれば、ほかの選手たちの刺激になるのに……”と冗談を常々言っているそうです。今回のサマーキャンプでは勤勉な宇野選手を歓待しているようで、このままチームに合流してもらえたら、と考えているようです。さすがに宇野選手は帰化することはないですが(笑)」(スケート連盟関係者)
いっしょに練習に励むジュニア選手たちもインスタグラムで宇野との写真を投稿しており、選手同士の空気も良好なようだ。
「今までいい意味で勝負を意識していなかった宇野選手ですが、昨シーズンは五輪メダリストとしてのプライドが芽生え、結果を求めたことによってプレッシャーに翻弄されていたように思います。選手としての欲が出てきたからこそ、15年以上所属したチームを離れたのでしょう。そこには、いつまでも弟分 としてではなく“打倒・羽生”という思いも強いのでは。エテリ氏に師事する可能性は十分にあり得ると思います」(同・スケート連盟関係者)
宇野の新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。
PHOTO:YUTAKA/アフロスポーツ