逃亡90時間 小林誠容疑者 前科3犯・悪の履歴

横浜地検が取り逃がした覚醒剤使用容疑の実刑犯は、過去に何度も凶悪事件を犯していた

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
カラオケを楽しむ小林誠容疑者。親しい仲間に対しては、気を遣う人柄だったという(本人のフェイスブックより)

凶悪としか言いようがない男である。小林誠容疑者(43)は横浜地検が収監のために訪れた際に暴れたうえ、包丁を持って逃げ出した。そして逃走から90時間後、6月23日に自宅のある神奈川県愛川町から約50㎞離れたアパートで逮捕された。

地元住民を恐怖に陥れた小林容疑者はどんな半生を送ってきたのだろうか。

「誠君は3歳ぐらいのときに、神奈川県厚木市に引っ越してきました。ご両親は露天商として働いており、家にはほとんどいなかった。それもあって中学生のときには誠君はほとんど自宅には寄りつかなくなっていましたね」(当時の近隣住民)

10代の小林容疑者は高校には行かず、地元の暴走族に入り、喧嘩に明け暮れていたという。当時をよく知る知人が言う。

「族では頭というわけではないですが、気合の入ったヤツで、厚木では有名なヤンキーでしたね。自分の味方ではないと決めた相手には粗暴な態度をとるんです。一度キレると手がつけられなかった。アイツは10代の終わりに、敵対していた暴走族との抗争中に相手のメンバーを車で轢(ひ)いて傷害致死で逮捕されたんですよ」

小林容疑者の前科について、神奈川県警の捜査官らはオフレコで、新聞やテレビの記者たちに詳細に説明していたという。

「この逃走事件がいかに重大であるかを示すためでしょう。小林容疑者は前科3犯なのです。少年時代には傷害致死をはじめ、道交法違反、監禁致傷、強姦致傷、覚せい剤などで5年以上8年以下の懲役刑に処せられていました。さらに2犯目も覚せい剤、窃盗、道交法違反、3犯目も器物損壊、覚せい剤などで、それぞれ実刑判決を受けています」(全国紙神奈川県警担当記者)

本誌は小林容疑者の実家を訪ねたが、「とにかく何も答えることはできない」と親族の男性が語るのみだった。

「仲間内には優しいのですが、それ以外の場所ではトラブルメーカーでした。金を借りて返さず、開き直る。常連ではない飲み屋で、誰彼かまわずケンカすることもありました。クスリでおかしくなったのか、自分のペットだった愛犬を殴り殺したという話も聞いていましたね」(別の知人)

横浜地検の大失態

一方で、小林容疑者には家族想いの一面もあったという。前出の知人が語る。

「内縁関係にあった女性との間に子どもが産まれて、喜んでいたことを覚えています。ただ、そのときはすぐに別れてしまいました。現在、結婚している女性には連れ子が二人いて、その子たちとよく一緒に遊びに出かけていたみたいですね。アイツも悩んで、『自分の置かれた環境もあるし、変わっていきたい』と相談に乗ったこともあります。建築関係の仕事をやったり、縁日の屋台を出したり、ちゃんと働こうとした時期もあったんです」

昨年3月20日、神奈川県警捜査3課は、大和市の工具店で電動工具など約70点を盗んだとして、6人を摘発したと発表した。この窃盗グループの実行役が小林容疑者だった。

「この窃盗団は暴力団の傘下にあったとされ、’17年の1年間で、県内において100件前後の犯行を繰り返していたとみられています。しかも、小林は窃盗容疑で逮捕されると感づいた後、逃走を図り、その逃亡生活中に、覚醒剤を使用していました」(全国紙社会部記者)

そして小林容疑者は窃盗、傷害、覚せい剤取締法違反(使用)の罪で、今年2月、懲役3年8ヵ月の実刑が確定した。

横浜地検は小林容疑者の実刑確定後、4ヵ月間も収監できないまま取り逃がし、しかも3時間以上経ってから、逃走を発表した。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう批判する。

「国民の安全を考えて、刑が確定した受刑者を一日も早く収監すべきという意識が横浜地検に欠けていたとしか思えない。逃走されたことも、地検と県警がしっかり連携していれば未然に防げた。さらに逃走後は検察の組織内のやりとりを優先して発表が遅れたと考えられます。国民からの司法に対する信頼は大きく揺るぎました」

小林容疑者の罪は重いが、横浜地検と神奈川県警の罪もきわめて重い。

小林誠容疑者が潜伏していた横須賀市内のアパート。知人の紹介で会ったことのない男性に匿ってもらっていた
横須賀市の潜伏先の近くにあった公衆電話から、小林誠容疑者が電話をかける様子が近隣住民に目撃されていた
友人は多かったという小林誠容疑者。知人によれば、肩から腕にかけて、龍と菊の入れ墨が彫られていた
横浜地検から移送される小林誠容疑者。保釈中の自宅や潜伏先でも覚醒剤を使用していたと思われる

『FRIDAY』2019年7月12日号より

  • 撮影蓮尾真司

Photo Gallary5

share icon記事をシェアする

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事