大活躍の打者・大谷翔平 気になる投手復帰へのプロセスと課題

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6月26日には、手術後初めてブルペンで投球を行った

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手、いわゆる“打者・大谷”が復帰して2ヶ月ほどが経ちました。

特に6月の成績は素晴らしかったですね。出場27試合で打数は94、32安打を放ち打率は3割4分。9本塁打で22打点を挙げ、これはそれぞれ月間のキャリアハイだそうです。サイクルヒットに1試合2本塁打などもありました。通算打率も3割に乗せ、MLBが選出する月間ベストナインにも選出されています。

これらのニュースを僕は日本の報道で知りました。

もちろん、こちらでも彼の活躍は、報じられています。打者復帰の際には「7ヶ月ぶりのヒット」などとウェルカムバックの雰囲気はありましたし、サイクルヒットなどもニュースになりました。

それでも、量という意味では日本のメディアのほうが圧倒的に多いですね。こちらでは、何か特筆すべき活躍や話題があった時に記事が出るといった極めて普通のペースです。

これは日本のメディアの過熱ぶりという要素もありますが、ある意味では大谷選手がこちらに馴染んだという一つの目安かもしれません。

例えば昨年の同じ時期には二刀流選手として活躍していたので、街で知人に会えば「ショーへーは本物だよ」とか「最終的に10勝20本の夢があるなあ」とか、みんな声をかけてくれましたし、二刀流選手としての報道もかなり目にしました。

それが今季、だいぶ減った印象です。これを僕はとても前向きなことだと捉えています。

例えば、名実共にチームの看板選手であるマイク・トラウト選手が昨日、ホームランを打ったとします。もちろんその活躍は素晴らしいのですが、アナハイムの住人やエンゼルスファンにとってはそこまで特別なことではありません。嬉しいことではありますが、日常の一部という側面もあります。「昨日、トラウト打ったね」「そうだね。今年も好調だね」くらいの、挨拶程度の会話として扱われることも少なくない。

昨季の大谷選手の活躍は日本から来たルーキーで、しかも二刀流という特別なトピックでした。しかし今季は、まだ打者だけの出場ということもありますが、大谷選手のアーチもそこまで珍しいものではなくなっているのです。「お、ショーヘイがまた打ったのか。よしよし」といい意味でトーンダウンしている印象ですね。つまり、こちらのファンに打者としてはかなり認められています。

6月13日、日本人メジャーリーガーとして初めてのサイクルヒットを記録し、サインを求められる大谷

そうなると今度は投手・大谷の復帰が気になってきますね。

通常、手術明けや故障明けの先発投手の復帰の道筋としては、投げられるようになってから実戦感覚を取り戻すためにまず、マイナーに落とします。そこで2-3週間かけて、1イニング、2イニング、3イニング、5イニングと徐々に負荷を上げる調整法で復帰への階段を上がっていくのですが、大谷選手は貴重な戦力ですし、まだシーズン序盤なので、少なくともプレーオフ進出の可否が見えてくるであろう夏まではチームに帯同すると思われます。

あるとすれば、早出のバッティング練習をする若手や準レギュラークラスの選手にシミュレーションピッチングでしょうか。打者復帰の時と同じように、なるべく実戦に近い形を作ってもらって、バッターに向かって投げる。投手としては来季、開幕に万全な状態でマウンドに上がることを目標にすれば、今季はこれで十分。実戦は来春でも間に合いますし、ブラッド・オースマス監督も今季中の復帰を否定しています。

いずれにしてもシーズン通じて打者に集中すれば30発、逆に投手に集中すれば15勝は十分見込める能力のある才能です。それが二刀流に挑戦するとどんな成績に化けるか。それは来季のお楽しみになりそうですが、その夢のシーズンに向けて今季からいい準備をしてほしいですね。

  • 長谷川滋利

    1968年8月1日兵庫県加古川市生まれ。東洋大姫路高校で春夏甲子園に出場。立命館大学を経て1991年ドラフト1位でオリックス・ブルーウェーブに入団。初年度から12勝を挙げ、新人賞を獲得した。1997年、金銭トレードでアナハイム・エンゼルス(現在のロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム)に移籍。2002年シアトル・マリナーズに移り、2006年現役引退

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