野村證券元社員逮捕 悪質「デートレイプドラッグ」が蔓延している

性的暴行の卑劣な手口

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東京・日本橋にある野村證券の本社。同社は「社員教育の再徹底を図る」というコメントを発表している

「まず先輩の千葉がほとんど意識のなかったA子さんをラブホテル内に連れ込んで、性的な乱暴を加えました。さらに後輩の樋野(ひの)が『忘れた荷物を取りにきた』と従業員に嘘を言ってホテルに入り、千葉とチェンジして再度、暴行したんです」(全国紙社会部記者)

野村證券の元社員二人が準強制性交容疑で警視庁捜査一課に逮捕された。

2月15日夜、東京・恵比寿駅近くのダイニングバーで、千葉健太容疑者(28)と樋野良輔容疑者(25)は男性4人、女性4人の合コンに参加。男性陣は全員が野村證券の社員だった。この会で被害者のA子さん(20代)は、千葉容疑者らに一気飲みのゲームを半ば強要され、スパークリングワインなどを大量に飲んで心神喪失状態になった。そして、合コン終了後、千葉容疑者と樋野容疑者は、A子さんとその友人B子さんを連れてタクシーに乗り、近くのラブホテルへ。二人は泥酔していたB子さんを2月の寒空の中、路上に放置したうえ、ホテルでA子さんに対してわいせつな行為に及んだ。

「数時間後に千葉とホテルから出たA子さんはなんとか逃げ出した。通りがかりの人がホテル近くの路上で寝ていたB子さんを介抱しており、警察官を呼んでいた。そのため、A子さんの被害届を警察はすぐに受理することができたんです。A子さんと千葉、樋野は初対面でした。彼女のショックは大きく、事件以降は仕事することもままならず、PTSDの可能性が高いということです」(前出・記者)

介抱するふりをして

千葉容疑者と樋野容疑者は4月3日に野村證券を退職。それぞれ別の会社で働き出したが、6月28日に逮捕された。二人は有名私大出身のエリートだった。

薬物犯罪を取材するジャーナリストの竹村明氏は「常習犯の疑いもある」としたうえでこう指摘する。

「今回の事件は、スパークリングワインを一気飲みさせて、女性の意識を失わせたという手口から、睡眠薬を悪用した可能性があると思います。炭酸の泡で粉末が見えなくなり、また炭酸のせいで薬の苦みがわからなくなるのです」

強力な睡眠薬を細かく砕き、飲み物に混ぜて性犯罪を行う、『デートレイプドラッグ』の被害が近年、急増している。警察庁によれば、睡眠導入剤などの薬物の使用が疑われる性犯罪の摘発件数は、’16年は30件程度だが、’17年は85件だった。

「よく使われる睡眠薬はフルニトラゼパムという成分を含む薬剤『ロヒプノール』や『サイレース』などです。これは処方薬ですが、インターネット上で違法に売買されており、簡単に入手することができます。個人から睡眠薬を買い取って高値で販売する業者や、アルバイトを雇って病院に処方箋を取りに行かせる業者もいる。『サイレース』などは、アルコールと混ぜて飲むと相乗効果で、すぐに強い眠気に襲われて、意識が混濁してしまう。筋弛緩作用もあり、落ちる前は自分の力では歩けない状態になる。こうした悪用の仕方がネットで広まったのはここ5年くらいだと思います」(竹村氏)

加害者男性が被害者女性を介抱するふりをして、そのままホテルに連れていけば、さほど不審には思われないという。サイレースのネット上での販売価格は10錠で2000円前後。さらに言えば、自分で病院に行き、不眠症を訴えて処方してもらうことも不可能ではない。

デートレイプドラッグ犯罪に詳しい望月晶子弁護士が警鐘を鳴らす。

「被害者の方が、気が付いていないというケースも多いと思われます。被害者の方は意識が戻った後、自分が睡眠薬を飲まされたと認識しにくい。しかも睡眠薬は1~2日経つと、体内から排出されてしまうので、立証も難しくなる。そういった状況で、加害者が合意の上だったと主張する事例はいくらでもあります。被害の可能性を感じたなら、ただちに医療機関で検査を受けることが重要です」 

デートレイプドラッグの蔓延をこのまま放置してはいけない。

『FRIDAY』2019年7月19日号より

デートレイプドラッグに悪用されることの多い、強力な睡眠薬『サイレース』は、ツイッターでも違法に売買されている
  • 撮影蓮尾真司

Photo Gallary2

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