新国立競技場の警備会社で壮絶パワハラ疑惑 ホテル軟禁5時間罵倒

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テイケイに勤めていた時にパワハラを受け、退職届を強制的に書かされた有賀政敏氏。「会社は賃金約25万円も未払いだ」と訴える

「警察に突き出すぞ!」
「罪の意識はないのか。責任はどう取るつもりだ!!」

警備会社「テイケイ(旧・帝国警備保障)」に勤めていた有賀政敏氏(53)は、福井県内のホテルの一室で上司3人から激しく罵倒された。テイケイは新国立競技場や豊洲市場の建設現場など、国や都のプロジェクトでも警備を担う業界大手。そんな有名企業に、社員に対する壮絶なパワハラ疑惑が浮上しているのだ。被害者の有賀氏が振り返る。

「今年5月、私は北陸新幹線の工事現場警備で福井に出張していました。仕事を終え同僚2人と食事をしていると、上司から『会社の幹部が来ているので寮に来てくれ』と連絡が入ったんです。夜7時過ぎに寮に戻ると、常務など3人の幹部がいました。すぐに車に乗せられ、向かったのはJR福井駅近くのビジネスホテル。通された一室には、すでにイスが用意されていました。私たち3人はそこに座らされ、過去に犯したミスについて責められた。延々5時間、夜中の0時半近くまでです」

叱責は激烈だった。有賀氏が続ける。

「『オマエら、なんでこんなミスをしたんだ。面倒臭ぇことをしてくれたな。これは警察沙汰だぞ!』と。私のミスとは、数ヵ月前の昼休みに1時間ほど寝過ごしてしまったこと。他の2人は、朝5分ほどの遅刻が数回あったことです。寝過ごした当時、私は上司に『次から気をつけろよ』と注意されただけだったので『どうして今さら』という気持ちはありました。ただ幹部たちのあまりの剣幕に、ひたすら謝るしかありませんでした」

「オマエらは犯罪者だ」

有賀氏がテイケイに入社したのは’18年3月。交通誘導警備業務2級という資格をいかし、以前にも他の警備会社に勤めていた。入社当時はなんの問題もなく勤務していたが、今年4月に社外組合「プレカリアートユニオン」に加入し、未払い賃金を請求すると状況は一変する。

「会社の先輩から『未払い賃金を取り戻して、働きやすい会社にしよう』と言われ、組合に入ったんです。福井で働いていた同僚2人も誘いました。ホテルで会社の幹部から激しい叱責を受けたのは、その直後のことです。彼らは組合のことは口にしません。ただ過去のミスを責め『徹底的に追い詰めるぞ!』と怒鳴るばかり。最後は退職届を出し、こう突き放すんです。『オマエらは犯罪者だ。会社にいらねぇから、今すぐサインしろ』と。『ハンコを持っていません』と言っても、『手印でいい』と朱肉を出してきます。疲労困憊で思考能力も低下し、従うしかありませんでした」(有賀氏)

パワハラはこれで終わらない。

「常務たちは寮に戻った私たちに、『朝までに寝ないで荷物を片づけろ』と命令するんです。私たちは徹夜で荷物を整理しました。幹部たちは翌朝確認に訪れ、私たちは急に職を失い東京に戻されることになったんです」(同前)

有賀氏は月34万円ほどの収入がなくなり、預金を切り崩す生活に。現在は「プレカリアートユニオン」を通じて復職を要請している。有賀氏が語る。

「当時は突然のことで会社の言いなりになってしまいましたが、現在は違います。労働審判でも、退職の無効を確認します。今から考えると組合への加入者を増やさないために、私たちをスグに追い出したかったのでしょう。高圧的な言動で仕事を奪うなんて許せません」

テイケイに事実関係をただすと、代理人の玉巻輝久(たままき・てるひさ)弁護士から以下のような回答があった。

「当社は適切に対応したと考えております。言われのないことに、大変驚いております」

有賀氏は「泣き寝入りして悪しき前例になりたくない。復職できるまで徹底的に闘います」と語る。

組合が届けた有賀氏の復職要請書に対するテイケイの抗議文。従業員約1万人を擁する大企業が出した文書とは思いない乱暴な文面だ

 

 

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