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“偽サイン”容疑者が悪用した高倉健「覚書」と安室奈美恵の手紙

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18年に芸能界を引退した安室奈美恵。彼女の名前も利用されていた

 

被害額は1500万円に及ぶという。

7月8日、群馬県警は女優の土屋太鳳や綾瀬はるかなどの偽のサインが入った衣類やバックなどを販売したとして、脚本家の旭井寧容疑者を逮捕した。神奈川横浜市内にある中古品販売店にそれらを下取りさせ、現金4万円をだまし取った疑いだ。

「逮捕のきっかけは、この中古販売店から買った客が、別の鑑定士のところに持ち込こんだことで、サインが偽物だと判明。被害者が自宅近くの群馬県警に通報し、この店に商品を売りに来ていた旭井容疑者を割り出したそうです。警察の取り調べに対し、本人は”全く身に覚えがない”と否認しているそうです」(全国紙社会部記者

旭井容疑者は17年9月ころから19年4月まで、この中古販売店に有名人のサイン入りグッズを販売。この2年間で、1500万円ほどだまし取っていたというから驚きだ。

旭井容疑者が店主を信用させるために見せた高倉健さんの「覚書」だが、これも偽造の可能性が高い

「旭井容疑者は“室田憲照”のペンネームで、過去にドラマなどの脚本に携わった。つまり、まったくの一般人ではないんです。しかも、彼はよく周囲に“自分は高倉健さんのマネージャーもしていた”と吹聴していた。恐らく、店側にもそのような話をして信じ込ませていたのでしょう」(テレビ局関係者)

ここに1枚の画像がある。「共同組合 日本シナリオ作家協会」と書かれた紙に、万年筆で書かれたと思われる字で、

《脚本家・室田憲明こと旭井寧は私、高倉健の唯一の弟子であり、彼が私についての事や、所有物を誰かに示す様な事があっても、その全てを私が保証するものである》

と書かれ、文末には「俳優 高倉健」とサインのような署名もある。騙された中古販売店店主を知る人が話す。

「旭井容疑者は初めて商品を持ち込んだときに、高倉健さんが書いたと言われる“覚書”のようなものを見せながら、“自分は俳優の室田日出男さんの弟子で、高倉健さんのマネージャーもしていた”と言われたそうです。しかも、彼のことをネットで調べると脚本家として名前とともに写真も出てきたので、店長はすっかり信じてしまったそうですね」

だが、何人かの映画関係者や東映関係者に取材しても、旭井容疑者が健さんの弟子であったり、マネージャーだったという話は聞かれない。この“覚書”も偽造である可能性は高いだろう。

こちらは容疑者が福山雅治のサインと主張しているもの

これまでに、小林旭や谷村新司、郷ひろみ、やしきたかじん、伊藤蘭などのベテラン芸能人から、志田未来や菅田将暉、蒼井優など人気若手俳優まで、40人以上のサイン入りグッズが持ち込まれたという。脚本家とはいえ、ここまで広いジャンルの著名人からサインをもらうことなど、なかなか考えにくい。

この店から実際に松田優作さんのサイン入り“革ジャン”を購入した、俳優で画家の庄司哲郎氏はこう分析する。

「今年4月ころ、松田優作さんがライブで着たという革ジャンを10万円で買わないかと持ち込まれました。僕は優作さんと面識がありますし、尊敬しています。でも、明らかにサイズが小さいんです。でも、私には着られましたし、何よりこの革ジャンを他のファンが購入してしまうのが、優作さんの名前を汚すことになると思った。なので“半額なら買う”と言ったら、それでいいというので5万円で購入したのです。私は旭井容疑者とは面識は無いですが、もしかしたら当初は何点か本物も入っていたのかも。でも、お金のためにサイン偽造に走ってしまったのではないでしょうか」

庄司氏が買い取った松田優作さんがライブで使用したという革ジャンに記されたサイン

さらに、取材を進めていくと、旭井容疑者は意外な物まで売り込もうとしていた。それは、18年に芸能界を引退した安室奈美恵の“直筆手紙”だ。

この手紙を見てみると、親しい知人に書かれたような内容で、19年2月18日の日付と共に彼女のサインも入れられている。だが、音楽関係者は、

「確かに住所などは、過去に彼女が住んでいたマンションになっている。でも、サインは展覧会のときに安室さんが書いたものと似ているので、それを真似したのではないでしょうか。ちょっとした事実を入れてくる当たり、脚本家として芸能界にいる人だから、余計に悪質ですよ。字も似ていませんね。過去の偉人とかならともかく、最近の手紙をお金にしようという考えが、浅はかですよね」

と怒りを隠せない。

さらなる被害者を生み出しそうな今回の“偽サイン”問題。ファンの夢に便乗して大金をせしめた行為は、決して許されることではないだろう。

安室奈美恵が友人に宛てた手紙とするもの。音楽関係者は偽造の可能性が高いと主張するが…
中森明菜のサイン入り。もちろん、真偽はこれから捜査されるだろう
  • 取材・文荒木田 範文(FRIDAYデジタル芸能デスク)

    埼玉県さいたま市出身。夕刊紙、女性週刊誌の記者、編集者を経て現職。テレビやラジオなどにも出演中

  • PHOTO川上孝夫(安室奈美恵)

Photo Gallary6

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