『レイプ法廷』で直接対決 伊藤詩織さん「私は泣き寝入りしない」 | FRIDAYデジタル

『レイプ法廷』で直接対決 伊藤詩織さん「私は泣き寝入りしない」

‘15年に元TBS記者によるレイプを受けた詩織さん。現在は精神的苦痛から海外生活を強いられている。

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’17年に東京・三軒茶屋で本誌の取材を受けた時の伊藤詩織さん。その後、バッシングに傷つき、生活と仕事の拠点を海外に移したという
’17年に東京・三軒茶屋で本誌の取材を受けた時の伊藤詩織さん。その後、バッシングに傷つき、生活と仕事の拠点を海外に移したという

「(口頭弁論の)当日を迎えるまで、実際に彼と対面したときに身体がどういう反応をするのか、心配は尽きませんでした。しかし、実際にその日を迎えてみて、パニック発作などを起こすこともなく、質問に答えることができたと思います。色々な気持ちが沸き起こりましたが、実際に彼の表情を見ながら話を聞くことができたので、それはよかったです」

ジャーナリストの伊藤詩織さんは、冷静にこう話す。しかし、「彼」の名前を決して口にしようとしなかった。

「彼」とは元TBS記者の山口敬之氏のことだ。詩織さんは’15年に山口氏から性的暴行を受けたとして、高輪署に被害届を提出。捜査の結果、準強姦容疑で裁判所から逮捕状が発行されたものの、直前で執行は見送られた。結局、山口氏は不起訴処分に。詩織さんは泣き寝入りせずに1100万円の損害賠償を請求して提訴すると、山口氏は逆に1億3000万円の損害賠償を求めて反訴した。そして7月8日、東京地裁にて二人は「直接対決」をすることになった。

詩織さんは著書『ブラックボックス』などでこのような主張をしてきた。

「どうして彼が逮捕されなかったのか、そこに世間が目を向けてほしいと思います。警察が逮捕していれば、彼のパソコンの中から証拠となるものが出てきたかもしれません。警視庁捜査一課からは『家宅捜索をした』と説明を受けましたが、実際には任意の事情聴取が行われただけで、仕事場は捜索されませんでした。私は、同じような事件が起こらないようにすべてを明らかにしたい。あくまでも事実に基づき、真実を知りたいのです」

現在、詩織さんは日本を出て、海外で生活を送っているという。

「今年2月に反訴され、賠償請求額が1億3000万円と聞いたとき、私は耳を疑いました。個人では到底払えない金額です。仕事を再スタートさせようとしていた矢先でしたから、身体的にも精神的にも大きなダメージを受けました。(詩織さんに批判的な報道も過熱したため)日本では暮らしていけなくなり、海外に移って仕事を始めました。現在は英国でセラピストの治療を受けながらアフリカなどで取材をしています」

山口氏は裁判で、詩織さんの主張を「売名を図った悪質な虚妄」としている。

専門家はどう見るか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう言う。

「捜査員が成田空港で逮捕状を携えて山口氏の帰国を待ち構えていたのに、警視庁本部の刑事部長が逮捕を止めたのが不可解です。刑事部長が直々に止めることは通常ありえません。逮捕されなかったことで、事件の関係者も真相を語らなくなる傾向は強い。不起訴になったのも、実務的に言えば、逮捕状が執行されなかったことに帰因すると思います。逮捕状を取るまでに至っているので、彼女の言い分は真っ当です」

はたして裁判所に詩織さんの訴えは届くのか。判決は年内に下る見通しだ。

『FRIDAY』2019年7月26日号より

  • 撮影會田 園

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