車も服も飲食も定額課金で使い放題!「サブスク」時代にトクする法 | FRIDAYデジタル

車も服も飲食も定額課金で使い放題!「サブスク」時代にトクする法

サービス一覧表&賢い利用術

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アップルは今秋から定額の動画配信サービス「Apple TV+」を開始する
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サブスクリプション――略して「サブスク」。まだ耳慣れない言葉だが、これは「定額会員制サービス」のこと。サブスクが世の中の「買い物」の常識を覆そうとしている。兵庫県立大学国際商経学部教授の川上昌直氏がこう話す。

「サブスクリプションの仕組みを簡単に言うと、新聞の定期購読です。大学の授業もサブスクですね。授業に出ても出なくても、学費は一緒ですから。サブスクの原型は生活に密着しているのです。

’15年頃からAmazonプライム・ビデオ、ネットフリックスなど映像配信のサブスクが人気になり、注目を集めるようになりました。これらの成功を見て、サービス業が参入したという流れです」

今年、大きな話題となったのが、トヨタ自動車がサブスク市場に参入したことだ。従来のレンタカーでは借りるたびに店舗に行って契約する必要があった。だが、車のサブスクでは、毎月決まった金額でマイカーのように乗り続けることができる。『サブスクリプション』の著書がある雨宮寛二氏が言う。

「欧米の自動車業界ではGMやフォードなどがサブスクを展開していますが、日本のメーカーではトヨタが初めてでした。『KINTO(キント)』は、利用シーンに合わせて車を乗り換え、不要になったら返却するというイメージです。3年間1台のトヨタ車に乗れる『KINTO ONE』(月額4万2660円~)と、3年間で6種類のレクサスブランド車を乗り継げる『KINTO SELECT』(月額19万4400円~)の2種類があります」

月の負担額は携帯電話程度に

乗用車のサブスクはトヨタ参入以前からあった。それが、マイカー賃貸の「カルモ」だ。税金込みで月額使用料が決まり、人気のホンダ「N-BOX」なら月額1万8360円から利用できる(11年契約の場合)。ただし、メンテナンス費用や自動車保険は別途必要となる。

同サービスを運営するナイル社長の高橋飛翔氏が言う。

「(トヨタの)KINTOは3年ごとの短期の契約をする人向けですが、カルモは多くが7年以上の契約なので、客層が異なります。当社の主要な利用者は、地方在住で毎日通勤に自動車を使う人です。そこで、今後は中古車も取り扱おうと考えています。新車が200万円のところ、中古車だと半額以下。これを月額化することで、それこそ携帯電話代くらいの料金、1万円を切る金額で自動車を提供することができる。年内にはリリースできるよう、現在、準備中です」

家電でもサブスクが導入されている。ユニークなデザインの掃除機が人気のダイソンが昨年から提供している「ダイソン テクノロジー プラス」がそれだ。

「ダイソンの製品は比較的高額のモノが多いですが、これなら月額1080円から使用できます。使用中に故障した場合も、製品サポートが受けられますし、月額2700円のアドバンスプランなら最短で2年ごとに最新機種へとアップデートされるサービスもあります」(消費生活アドバイザーの丸山晴美氏)

毎日着るワイシャツにも、サブスクが活用されている。「ワイクリン」は月の初めにワイシャツが20枚送られ、使用したものをまとめて送り返すだけ。洗濯やアイロンがけの手間から解放される。

「知らない人が着たワイシャツには抵抗があるかもしれませんが、これは会員専用のナンバリングされたワイシャツのため、他人が着ることはありません。月額9504円のコースはデザインを選べませんが、1万3824円のコースなら10種類の中から好みのワイシャツを選ぶことができます。独身の単身世帯はもちろん、共働き夫婦も利用する価値があるでしょう」(丸山氏)

最近では、飲食店もサブスクサービスを導入している。居酒屋「金の蔵」は月額4000円で飲み放題の定期券を、ラーメン店「野郎ラーメン」は月額9288円で毎日1杯豚骨ラーメンが食べられるサービスを提供している。

「消費者からすれば安く飲み食いができると魅力的ですし、企業も毎月まとまったおカネが入ってきてうれしい。ただ、これらを一過性のブームで終わらせないようにするためには、メンバーならではの優越感が有効。たとえば行列に並ばなくても入店できるとか、栄養管理もしてくれるなどの特典をつける工夫が必要となってくるでしょう」(前出・川上氏)

高額ながらも、サービスを充実させるサブスク飲食店もある。東京・六本木にあるフレンチワインバーの「プロヴィジョン」は’17年にサブスク・レストランとして生まれ変わった。月額3万2400円を払うと、会員を含めて4名まで月に何度訪れても構わないというのだ。

「ターゲットは富裕層です。月額3万円というのは、一般には月に何度も行かないと元が取れないと思われがちですが、富裕層なら毎月払っても気にならない金額です。しかも、高級ワインなどは追加料金がかかりますから、店側は追加収入も見込めます。既存会員が推薦する人しか会員になれませんが、富裕層を狙った戦略も、サブスクによる成功をもたらした秘訣でしょう」(前出・雨宮氏)

「物を買う」以外の選択肢

サブスクのブームの背景には、「所有から利用へ」という意識の変化がある。月額8424円でスタイリストがコーディネートした洋服をレンタルできる「leeap(リープ)」を提供するキーザンキーザンCOOの大堂立氏がこう表現する。

「3ヵ月後には消費増税を控え、また長期的には人口が減っていくので、日本に『物が売れない』社会が到来すると思います。当社は単に洋服を貸すだけでなく、コーディネートの提案を含めたファッションサービスを提供して、『買う』以外の選択肢を作っていきたい」

もともと、サブスクは映像や音楽配信から火がついたサービスだ。経営コンサルタントの鈴木貴博氏が言う。

「昭和の時代は、ラジオやテレビで新しい音楽に触れ、気に入ればCDで購入するのが普通でした。ビデオも同じです。それがレンタルになりましたが、店まで行くのを面倒に感じるようになった。そこにネットからダウンロードができるようになり、定額で見放題、聞き放題のサブスクがシェアを拡大させてきました」 

無駄なサブスクは整理する

全世界で約1億5000万人の有料会員を誇るネットフリックスは、豊富な資金を活かしてオリジナルコンテンツの制作に乗り出し、今年のアカデミー賞では4部門を制するまでになった。

「ネットフリックスやAmazonプライム・ビデオ、音楽配信のスポティファイはサブスクの最先端です。特徴は、AIを活用したレコメンデーション機能が備わり、好みに合ったコンテンツを推奨してくれること。サブスクの大事なところは『会員にいかに継続してもらうか』で、そのための武器の一つがAIを使った推奨機能なのです」(前出・雨宮氏)

あの手この手で利用者の興味を引きつけようとするサブスク。気づいたら必要のないサービスに延々とカネを払い続けていた、という事態になりかねない。

「一度サブスクを始めると、なかなか解約しないという人は多い。企業としてはそれを期待している部分もあると思います。しかし、利用しないサブスクは無駄以外の何物でもありません。本当に必要なサービスなのか、日頃からサブスクを精査する習慣を身につけなければいけません」(経済評論家・山崎元氏)

賢い判断をすれば、ものすごく得するサービス。それがサブスクなのだ。

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『FRIDAY』2019年8月2日号より

  • 写真AP/アフロ、時事通信

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