社長会見でも重ねた嘘 疑惑の原点は「吉本興業と犯罪資金」 | FRIDAYデジタル

社長会見でも重ねた嘘 疑惑の原点は「吉本興業と犯罪資金」

全国の高齢者数千人からダマし取った犯罪マネーを受け取ったのは誰だ

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会見を終え、すっきりした表情で会場を出る宮迫博之。報道陣が待ち構える中、慌ただしく立ち去った
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吉本が恐れた入江のイベント

「入江のイベントには、詐欺グループのダミー会社が堂々とスポンサーとして入っていました。イベントのチラシに記載されたスポンサー6つのうち、4つが詐欺グループのもの。入江は間違いなく、『反社』だと知っていてスポンサーを頼んでますよ」(詐欺グループ元メンバー)

本誌が闇営業の第一報を報じた6月7日から2ヵ月弱。ようやく開かれた吉本興業の会見は、あまりにもお粗末だった。

7月22日午後2時過ぎ、都内の会見場にあらわれた岡本昭彦社長(52)は、記者の質問に何度もしどろもどろになり、挙げ句の果てには自身のパワハラ発言を「冗談のつもりだった」とまで発言。会見が遅れに遅れた理由については、「事実関係の確認に時間がかかっていた」という旨の説明をした。

だが、会見がいままで開かれなかった理由はそれだけではない。

『雨上がり』宮迫博之(49)、『ロンブー』田村亮(47)の会見から2日しかないなかで、巨大パネルまで作って必死に釈明をしたのは、元吉本・入江慎也(42)主催のイベントについて。’14年5月31日、入江は東京・新木場のライブスペースを貸し切り、芸人やDJを呼んでイベント『AH! YEAH! OH! YEAH! 2014』を開催。笑いあり音楽ありのパーティに、多数の一般客が参加した。

冒頭の元メンバーの証言のとおり、このイベントには特殊詐欺グループが経営するダミー会社がスポンサーとして参加していた。吉本は詐欺グループとのかかわりを会見で追及されるのを恐れたのではないか。

最下に記載したのが、入江のイベントのチラシだ。チラシ下部にある『CARISERA』が詐欺グループのダミー会社。『Caricaspa』『Carica』『美サロ』は同社が経営するエステ店や健康食品のブランドだったという。

詐欺グループがイベントに出資した金額も桁違いだ。前出の元メンバーが言う。

「600万円をスポンサー料として支払いました。それだけ払ったので、イベント当日は超ビップ待遇。会場内の2階に我々用の特別席が設けられ、フロアを見下ろしながら幹部がドンチャン騒ぎをしていました。もちろん、入江はその席に挨拶をしにきましたよ。田村亮も一緒でした。グループの幹部たちは気をよくして、『詐欺で稼いでいる』とはっきりと語っていました。入江はそれを聞いて『悪いことしないと稼げないっすもんね』と笑い、亮はウンウンと頷いていました」

イベントには、『レイザーラモン』RGや『2700』、『トレンディエンジェル』斎藤など、多数の吉本芸人が参加していた。さらには、吉本社員まで応援に駆け付けたという。

「参加芸人のマネージャーではないかと思いますけど、吉本の社員は4人くらい来ていました。なかには、会場の設営まで手伝っている人もいましたよ。イベントの運営会社の人間には偉そうでしたけど、詐欺グループの幹部にはペコペコして名刺交換していました」(同前)

このイベントの収入とスポンサー料は、イベント運営会社に入金された後、一部が芸人を派遣した吉本興業へ”ギャラ”として支払われている。つまり、吉本は間接的にではあるが、詐欺グループの「犯罪資金」を受け取っていたのである。

イベントの運営会社は本誌の取材に、

「スポンサー料は600万円でした。(吉本興業に)支払った金額は50万円です。(特殊詐欺グループのダミー会社だと)全く知らなかったこととはいえ、当社としても(被害者の方々に)非常に申し訳なく思っております」

と、回答。一方の吉本興業は相変わらずの「無回答」だった。

一番気の毒なのは詐欺被害者

いまさら言うまでもなく、詐欺グループが闇営業に参加した芸人に支払ったギャラと、入江のイベントに出資したスポンサー料は、いずれも全国の高齢者からだまし取ったカネである。詐欺グループは’13年~’15年にかけて、「オレオレ詐欺」「送り付け商法」「社債詐欺」など様々な手法で、数千人の高齢者から100億円超をだまし取った。

吉本・岡本社長は会見で、

「(入江の)イベントを主催したイベント会社が反社ではないことは確認しておりましたが、結果としましてはその先まではチェックをできてませんでした」

と反省の弁を語り、自身の年俸を50%減額すると発表した。だが、そんなことで被害者の気持ちが晴れることはない。

本誌は今回、宮迫が100万円をもらった詐欺グループにだまされた「被害者リスト」を入手。’14年夏頃、詐欺グループの「送り付け商法」に引っかかってしまった東京都に住む杉野たえ子さん(仮名・80)は、無念さをにじませながら、こう語った。

「いきなり健康食品の人から電話がかかってきてね。『身体に良い』とか何とかまくしたてられて、わけもわからず『はいはい』と聞いて電話を切ったら、後日、サメのエキスが入ったサプリとかいうのが届いたんです。代金は4万円。宅配業者の人が困っていたから、私はそれを支払っちゃった。息子に『詐欺じゃないか』と言われて、健康食品会社に電話したけど『あなたが欲しいと言ったんでしょ』と凄まれて……。それからというもの、怪しい電話がいっぱいかかってくるようになっちゃってね。カニを買わせようとする電話とか、いまでもかかってきますよ。だから私、もう電話には出ないことにしました。

吉本が詐欺グループのおカネを受け取っていたことについては、もちろん、愉快な気持ちにはなりません。でもまあ、彼らがいくら謝っても、おカネが戻ってくるわけではないしね……」

何よりも忘れてはいけないのは、被害者の存在。吉本の一番の問題はパワハラではない。犯罪資金の還流なのである。

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’14年5月の入江慎也のイベントで、ⅤIP席でくつろぐ詐欺グループ幹部。入江や田村亮が挨拶に来たという
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詐欺グループ幹部(中央)とダミー会社従業員。この幹部は’16年2月に逮捕
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入江のイベントの告知チラシ。最下部に並ぶスポンサーのうち、4つが詐欺グループのダミー会社だった
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『FRIDAY』2019年8月9号より

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