獄中直撃インタビュー 金塊強奪犯が語る宮迫「ギャラ飲み」の真相
会見での全面否定を受け、もう1人の当事者に話を聞くため福岡拘置所へ向かった――
7月23日、午前10時15分。本誌記者は福岡拘置所の門をくぐった。
7億5800万円相当の金塊を強奪した容疑で逮捕・起訴され、1審判決で懲役9年の判決を受けた野口和樹被告(43・現在控訴中)に接見するためである。
面会受付窓口で手続きを済ませると、接見申請書が拘置所職員によって受理され、番号札を渡された。拘置所内にある待合室で待機すること50分。番号が呼ばれて、面会室に入るようにアナウンスがされた。本当に野口被告は接見に応じるのか。そして、本誌が報じた「宮迫博之 半グレ金塊強奪犯との『ギャラ飲み』現場写真」についてどんな発言をするのか。
拘置所職員付き添われて面会室に入ってきた野口被告は、本誌記者を値踏みするようなまなざしで様子をうかがったあと、開口一番、激しく詰め寄ってきた。
「自分のプライベートの写真が勝手に載せられたことは腹立たしい気持ちですよ」
本誌記者が野口被告に接見したのは、ほかでもない。先週号で報じた「宮迫博之 『ギャラ飲み』現場写真」の真偽を確認するためである。本誌は本件写真を入手するとともに、当日、店内の目撃者の証言を得て記事を掲載した。ところが、7月20日の会見で宮迫博之は本誌の記事内容を全面否定、「トイレから出てきたところで無理やり撮影させられた」「ギャラは受け取っていない」と反論した。
ここまで証言が食い違うとなれば、一緒に写真に写っている野口被告に当日の様子を聞くしかあるまい。
「一緒に乾杯した」
以下、本誌記者と野口被告の一問一答である。
――宮迫さんとはどのような関係でしょうか?
「お答えできません」
――宮迫さんの隣に写っていたのは、野口さんで間違いないですね。
「写真に写っていること自体は否定しないです」
――宮迫さんは、トイレから出たところを知らない男性に囲まれて記念撮影に応じた一瞬の出来事だと主張しています。
「無理やり自分たちの席に連れてきたとは思っていません。写真だけでなく、一緒に乾杯してシャンパンを飲んだ記憶がありますよ」
――そのときの野口さんの格好は?
「半袖を着ていて、入れ墨ははっきり見えていたと思います。写真を撮るときだけ腕にサポーターをつけました」
――野口さんの同席者の一人が現ナマを渡していたという目撃証言があります。
「それについては話せません」
だが本誌があらためて目撃者に「現金授受」の様子を取材すると、こう証言する。
「彼(野口被告)らと宮迫さんは別の席でそれぞれの仲間たちと飲んでいました。途中で席を立った宮迫さんのほうが彼らのグループに自分の知人がいることに気づいて、一緒に呑もうということになったんです。宮迫さんと彼らはシャンパンで乾杯し、記念撮影をした後、しばらく談笑していましたよ。しかも自分の席に帰る際、宮迫さんは同席者から現ナマで5万~10万円を渡されていました」
なぜ、野口被告は現金受け渡しの状況について「話したくない」と言うのか。
「野口は半グレ集団のリーダーで、指定暴力団との付き合いもある。野口の背後には闇社会の複雑な人間関係があるのでしょう」(福岡県警関係者)
本誌は宮迫の会見を受けて、前号の記事を精査した。その結果、写真が撮影された時刻について、正確な事実が判明した。改めて証言や各種の記録を確認したところ、撮影時刻は7月27日の午前1時37分だった。宮迫は本誌記事を否定する材料として、「会合の日時が違う」と主張していたが、こうした事実を踏まえて記憶を喚起してもらいたい。
宮迫が闇営業での100万円のギャラ受け取りをなかなか認めなかったため、多くの後輩芸人まで巻き込んで謹慎処分を受けたのは周知の通りである。同じ過ちを繰り返すべきではないのだ。

『FRIDAY』2019年8月9日号より