明石家さんまで「ギャラ6対4」闇営業生む“吉本システム”の崩壊 | FRIDAYデジタル

明石家さんまで「ギャラ6対4」闇営業生む“吉本システム”の崩壊

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明石家さんまクラスであれば、給料の取り分の割合も公平なようだが……
明石家さんまクラスであれば、給料の取り分の割合も公平なようだが……

「ギャラに関しては『安い』等々言われていますけど、会社が9でタレントが1とか、そういうことは全くなく、ざっくりとした平均値で言っても、5:5から6:4」

7月22日に行われた会見で、芸人に支払われるギャラに関して言及した吉本興業の岡本昭彦社長。所属芸人たちがよくネタにする会社側の“ギャラ取りすぎ”については、きっぱりと否定した。

「そりゃ、明石家さんまさんやダウンタウンなどの大御所クラスになれば、事務所との取り分の実態はそれくらいじゃないですかね」

そう話すのは、あるテレビ局関係者。明石家さんまを例に出して、こう説明する。

「08年にさんまさんは、お世話になったフジテレビのプロデューサーが引退するというので、恩返しの意味も込めて『27時間テレビ』の総合司会を務めました。このときテレビ局が支払ったギャラが“億近い額”と言われています。吉本はその6割ほどをさんまさんに渡したそうですよ」(同・テレビ局関係者)

これが事実であれば、会社よりタレント側の取り分が多くなり、決して悪い話ではない。だが、これは吉本の大功労者である明石家だからこその厚遇であることは間違いないだろう。

逆にいえば、トップクラスにならない限り、岡本社長の言う「平均して5:5か6:4」という割合は厳しい。11年に引退した島田紳助も、ギャラが「会社9:芸人1」の割合に関して『スポーツニッポン』のインタビューで、

「ギャラが安いのは“オマエが安いんじゃ”ということ。それならオマエが売れてくれ」

と証言している。つまり、売れない若手は厳しい状況にあるのだろう。

6000人の芸人を抱えていると言われる吉本。なぜ、抱えきれないほどの若手芸人を所属させるのか。もちろん絶対数が多ければ、その中からスターが輩出される可能性は上がるかもしれない。しかし、本質はそこではない。

それは吉本が運営する通称『NSC』と呼ばれる「吉本総合芸能学院」という養成所が大きな儲けを生んでいるからだ。

全国に7校あるNSCは、入会金10万円と、1年間の授業料が30万円。合計で40万円が必要になる。99・9%入学できるという養成所だけに、毎年1000人近い学生が入学。仮に800人集まったとすれば、年間で3億2000万円の売り上げだ。

「お金を受け取ったらこっちのもんと言わんばかりに、遅刻や欠勤が重なると、問答無用で退学になると言います。もちろん、返金はありません。さらには志半ばで辞めていくものもいるので、卒業時には4分の1程度に激減することも。ですが、この“大量生産”体質こそが、飯を食えない芸人を生み続け、その結果“闇営業”をしなければ食べていけないという原因になっているんです。本当に才能があると見込んだものだけを所属にさせ、最低給与を保証すれば、こんなことにはなりようがないでしょう。ですが、吉本は他のプロダクションの養成所よりも、卒業後に事務所に所属できる可能性が格段に高い。なので、芸人というよりも、とりあえず“芸能人”なりたい子たちが集まってくるんですよ」(スポーツ紙記者)

“養成所ビジネス”は経営面で見れば、間違いなく成功しているだろう。だが、その結果が名前だけの「吉本芸人」の大量生産である。

一度売れ始めると怒涛の出演ラッシュになり、一気にスターダムにのし上がることが度々あることも確かだ。だが、売れない吉本芸人は事務所を通さない「直営業」に手を出し、そこに反社会勢力が付け込むスキを与えている。そして、“闇営業”芸人が出てくるのだ。

100年以上続く“吉本帝国”は今、ビジネスモデルの大きな転換期を迎えているのかもしれない――。

  • 撮影山田宏次郎

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