安くて、栄養満点!朝30粒の「ピーナッツ」で死亡リスク20%減

鼻血がでる、太る、ニキビができるは全部ウソだった!

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クルミやアーモンドに比べて、いまひとつ栄養の価値に焦点を当てられることが少なかったピーナッツだが、ハーバード大学の研究で、抗酸化、長生き、若返り等のさまざまな効能があることがわかった。『ハーバード大の研究でわかったピーナッツで長生き!』の著者で、慶応大医学部教授の井上浩義氏に話を聞いた。 

ピーナッツは“薄皮”を捨ててはいけない!

30年かけて「ピーナッツ」の効能を調査したハーバード大学の研究結果とは?

今、世界中でピーナッツの健康効果が注目されている。ハーバード大学では12万人以上を対象に、30年かけてピーナッツやナッツの効能について調査したところ、ピーナッツやナッツを毎日食べると、生活習慣病などによる死亡リスクが20%も低くなるという研究結果が得られた。

マグネシウムやカリウム、リンなどのミネラル、ビタミンEをはじめ、B1、B2、ナイアシンなどのビタミン類、食物繊維、アルギニン、オレイン酸など、ピーナッツには、体を活性化させ、病気の予防に有効な成分がたくさん含まれている。

「正直に言うと、ピーナッツの栄養価は、アーモンドの7掛け。栄養的にはアーモンドのほうが優れていますが、その健康効果が広まったおかげで、世界中で食べられるようになり、価格が10年前の1.5倍にもなってしまいました。だったら、ピーナッツを少し多めに食べればいい。ピーナッツの価格はアーモンドの半額以下です。

栄養価が高くて、価格が安いことから、アフリカや南アジアの飢餓で苦しむ子どもたちを助ける栄養治療食として、『プラン・ピーナッツ』というピーナッツを主原料とした固形状の栄養食品が使われているほどです」(井上浩義氏 以下同)

「抗老化遺伝子」に働きかけるポリフェノール“レスベラトロール”が豊富 

栄養価はアーモンドの7掛けということだが、ピーナッツにはアーモンドには含まれていない “レスベラトロール”というポリフェノール類が含まれている。

「ポリフェノールが含まれているのは、ピーナッツの茶色い薄皮部分。数十種類のポリフェノールが含まれていますが、中でも特筆すべきなのはレスベラトロールというポリフェノールが豊富なこと。レスベラトロールは、人間の細胞の中のサーチュイン遺伝子(抗老化遺伝子)と結合すると、細胞の動きをゆるやかにする作用があります。

細胞は活発に、どんどん再生したほうがいいように思われますが、短時間で再生すると遺伝子の書き間違えが多くなります。仕事でもそうですよね。やっつけ仕事はミスを増やしますが、時間をかけて丁寧に行えばミスは少なくなる。それと同じです。細胞がゆっくりゆっくり再生することで、確実に正しい情報が伝わり、ガンや老化を予防できるのです」 

ピーナッツを食べるときは、つい薄皮をむいてしまうが、

「実にもったいない。ピーナッツは薄皮ごと食べることが重要です。はじめは苦みや渋みを感じますが、慣れてしまえば気になりません」

植物繊維も豊富! 1日30粒で直腸がんの予防や便秘解消の効果も

食物繊維も豊富なピーナッツ。なんと、さつまいもの3倍もの食物繊維を含んでいるという。

「日本人は1日3gの食物繊維が不足していると言われています。ピーナッツを30粒食べると、その不足分が補える。今、日本人の3人に1人がガンで亡くなっています。さまざまなガンがありますが、女性のがん死亡原因第1位の直腸ガンは食物繊維をしっかり摂ることで予防できます」 

食物繊維を摂ることは便秘解消にも効果がある。

「私のところで、被験者に2ヵ月毎日30粒のピーナッツを食べてもらったところ、全員排便回数や排便量が増えました」 

ピーナッツは49%が脂質、26%がたんぱく質、19%が炭水化物だ。脂肪分が多いようだが、毎日30粒食べて太ることはないのだろうか。

「問題は“脂質の中身”です。ピーナッツの場合、摂りすぎるとよくない飽和脂肪酸は20%。80%は体にいい不飽和脂肪酸です。そのうちの3分の1がオレイン酸です。“質のいい脂肪”を摂ることで細胞は新陳代謝を起こします。実際、半年間、毎日30粒食べ続けても体重に変化が出た人はいませんでした」

安くて栄養豊富なピーナッツを主原料にした栄養治療食「プラン・ピーナッツ」は、飢餓に苦しむ多くの人たちを救っている

朝食に「ピーナッツ」がおすすめのワケ

人間の体は呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れているが、そのうちの約2%が「活性酸素」になるといわれている。

活性酸素は、必要以上に増えすぎると細胞をサビさせてしまう。いわゆる「酸化」だ。細胞が酸化すると、老化が早まり、免疫力が低下して、動脈硬化やアルツハイマー型認知症の原因になると言われている。

「1日のうちで身体がいちばん酸化しやすいのは午前中です。ですから、ポリフェノールやビタミンEを豊富に含むピーナッツは、朝食べるのがより効果的といえます。

ポリフェノールは2時間ほどで体内に吸収されますから、朝7時に食べれば9時には体中駆け巡ってくれる。紫外線から肌を守ってくれますし、満員電車でストレスがかかるときに、そこに伴う酸化ストレスを軽減してくれます」

井上先生は毎朝“酢ピーナッツ”を食べているとか。

「お酢の中に2日ほど漬け込んだピーナッツを10粒ほどグラスに入れ、そこに炭酸を入れて、飲んで食べます。お酢にはクエン酸が含まれていて、体にたまった乳酸を排出してくれる。乳酸は疲れたときにたまりやすい物質ですが、夏は寝ているだけでも乳酸がたまる。夏バテ解消におすすめです。

残りの20粒は袋に入れて持ち歩き、小腹が空いたときにつまんでいます」

ピーナッツを食べることが習慣になると、それまでスナック菓子を食べていた人も、3か月ほどでスナック菓子を食べたいと思わなくなるとか。ダイエット効果もあるかもしれない。

先生直伝! カンタン自家製「皮付きピーナッツバター」の作り方

ピーナッツを粒で食べるだけではなんとなく物足りないという人は、パンにピーナッツバターを塗ってもいい。ピーナッツバターは無糖のものを選ぶこと。ただし、市販のものだと薄皮はむかれている。できるなら、自分で作ってみよう。

作り方は簡単。皮つきピーナッツ100gに対し、オリーブオイルを大さじ2~3加えて、フードプロセッサーで混ぜるだけ。瓶詰にして冷蔵庫に入れておくと、1ヵ月はもつ。

「ピーナッツを食べると鼻血が出るとか、ニキビができるとか言われていますが、全く根拠のない話。むしろピーナッツに含まれているビタミンB類は肌荒れを改善する効果があり、アルギニンは血管を開いて肌の新陳代謝を促します。ピーナッツはつやつや肌も作ってくれるのです」

老化を防ぎ、ガンを予防し、便秘も改善。肌もつやつやに。そんな効果が望めるなら、1日30粒、ぜひ実行したい。

井上浩義 慶應義塾大学医学部教授。医学博士、理学博士。ナッツやえごま油など「健康によい油」の有用性研究の第一人者。著書に「知識ゼロからの健康オイル」(幻冬舎)、「食べてもやせるアーモンドのダイエット力」(小学館101新書)、「ハーバード大の研究でわかったピーナッツで長生き」(文藝春秋)など多数。

  • 取材・文中川いづみ写真アフロ

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