宮迫ツーショットの金塊強盗犯が明かす「半グレと芸能界」蜜月関係 | FRIDAYデジタル

宮迫ツーショットの金塊強盗犯が明かす「半グレと芸能界」蜜月関係

宮迫博之との「ギャラ飲み写真」を証言した野口和樹被告の証言

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野口被告は独自のネットワークを持ち、芸能人とも交友があったという(写真はフェイスブックより)
野口被告は独自のネットワークを持ち、芸能人とも交友があったという(写真はフェイスブックより)

本誌が報じた宮迫博之「ギャラ飲み写真」の証言者・野口和樹被告(43)とは何者なのか。一般的には金塊強奪事件の首謀者で、闇社会の超有名人。警察からは犯罪集団「半グレ」のリーダーとしてマークされてきた男である。

「私自身、指定暴力団に誘われたことはありますし、以前に縁があったことも事実です。でも僕には(暴力団組員は)務まらない。彼らに食い物にされるのも、組織に縛られるのも嫌なので。むしろ彼らとは距離をとってきたつもりです。意外と思われるかもしれませんが、普段の僕はとにかく謙虚。でもね、やるとなったらとことんやりますよ。私が言いたいのはそれだけですね」

野口和樹被告は本誌の取材に対し、暴力団との関係について、こう語った。野口被告のように暴力団に所属せず、組織犯罪を行う「半グレ」が注目を浴びている。宮迫をはじめとする吉本芸人は、詐欺グループが主催するパーティーに参加して法外なギャラを受け取っていた。高齢者をターゲットに詐欺を行っていたこのグループも、いわゆる「半グレ」である。つまり、一連の吉本興業闇営業問題は、半グレと芸能界の深い関係に根ざすものなのだ。

半グレのことを知りたければ、そのリーダーに聞くしかあるまい。野口被告に取材するため、本誌記者は前号に続いて福岡拘置所の門をくぐったのだった。

「自分が『半グレ』と言われることには、違和感がありますね。むず痒(がゆ)いというか。そもそも半グレの位置づけはどこからどこまでなのかも曖昧(あいまい)ですよね。前科、前歴があったら半グレだということなら、万引き犯だって半グレになってしまう

ただ僕は10代の頃からヤンチャをして逮捕され、少年院に行ったりして目立っていた。それでいつのまにかネットで『半グレ』のリーダーと書かれていましたね。

僕は後輩や弟分が、ヤクザやどこかの不良と揉めると、頼まれて出て行ってトラブル処理をしていた。僕は半グレやヤクザと線引きしているつもりでも、いろんなところで、名前が出る。警察にも『名古屋のドン』だと思われていましたから。ただ、僕自身はそうは思ってない。どこのグループに属しているわけでもない。『不良』と言われればそうかもしれないですけどね……」(野口被告)

ヤクザより付き合いやすい

野口被告が率いた金塊強奪事件のメンバーと有名芸能人との交遊が報じられ、世間を騒がせたこともあった。換金役として逮捕された人物(後に不起訴処分)のフェイスブックに、ジャニーズタレントの手越祐也や、吉本芸人の「フルーツポンチ」村上健志、「ジャングルポケット」太田博久と思(おぼ)しき人物と一緒に写った写真がアップされていたのだ。

野口被告に芸能界との付き合いを聞くと、彼はこう断言した。

「僕自身がクラブの運営やイベントのプロデュースに関わっていたので、音楽関係を中心に、芸能人や大手芸能事務所に知り合いはいますよ。仕事だけではなく、個人的な付き合いもありました」

芸能界と暴力団など、裏社会に詳しいジャーナリスト・竹村明氏が語る。

「各自治体が定める暴力団排除条例によって、一般人が指定暴力団と親しく交際して会食することは難しくなっています。しかし、暴排条例は、『半グレ』を対象にしていません。だから芸能人や芸能プロダクションは、半グレとは付き合いやすい。ここが一つのポイントになります」

半グレには芸能人と交際するメリットがいくつかある。半グレがオーナーだったリフォーム詐欺会社で働いたことのある30代男性はこう証言する。

「飛び込み営業で、『雨漏りをしているから、このままだと家屋が壊れちゃうよ』と言って検査を行う。そこで屋根に上って問題がなければ屋根を壊しちゃう。それで、写真を撮って『これは修理しないとダメですね』って言って、高額な料金をふっかけるんです。

ただ営業マンはほとんど半年で辞めてしまう。でも、スタッフは集まるんです。なぜなら、オーナー(詐欺の首謀者)のインスタには芸能人とのツーショット写真が何枚も載っていて、オーナーはよほどの大物だと信じた新人が次から次へと入ってくるからです。有名人と交友があり儲かっている会社だとアピールしつつ、若者の関心を惹(ひ)いて人を集めるんですよ」

半グレにとって、芸能人との交際は自らの価値を高めることにもつながるのだ。

「半グレのメンバーも芸能人も、飲食店では一般人とはできるかぎり接触したくないから、会員制バーやクラブといった同じ店を利用していることが多い。そこで顔見知りになるんです。そもそもそういう店は半グレ自体が経営している場合もあります。あとは『いま、あの店で芸能人が飲んでいるよ』という情報が仲間内で回ってくるんです。それを聞いて店に行くヤツもいますよ」(飲食店関係者)

半グレグループが経営する飲食店の元スタッフはこう明かす。

「芸能人と知り合いになったら、自分たちのクラブに招待して、VIPルームでもてなし、いい思いをしてもらう。それで個人的な関係ができれば、ダミー会社の広告塔になってもらうんです。通販系の健康食品とかが多いですね。『私も飲んでます』って。あるいは自分たちのクラブイベントにゲストで出演してもらう。

『闇営業』の仕切り役だったカラテカの入江慎也さんのようなお笑い芸人は交友関係が広いから他の芸能人も呼べるうえ、お客も集められる。芸能人にとっても、半グレがバックにいるイベントはまずトラブルが起こらないし、ギャラもいい。お互いに良いことだらけなんです」

強力な暴力装置

勢力を拡大した半グレは夜の街を我が物顔で闊歩(かっぽ)して、そこで芸能人の知己(ちき)を得る。あとは利用する機会を虎視眈々(こしたんたん)と窺(うかが)うのだという。

野口被告も芸能人や有名人の知り合いを利用していたのだろうか。「半グレと芸能人はどんな関係なのか」そんな質問に対して、野口被告はこう証言する。

「どちらかというと僕らのほうが芸能人、芸能プロに利用されてたんじゃないですかね。会食でも払いとかは僕ら持ちでしたし。僕らは人を集めることもできるし、何かトラブルがあれば解決に動くこともできる。いわゆる『半グレ』同士のネットワークもありますよ。それこそ東京ともつながっていますし、沖縄にもネットワークがある。情報交換することや話し合いをすることはありましたね」

前出の竹村氏は「芸能人が半グレを利用する理由」について、こう解説した。

「今、暴力団の組員に脅されても警察を呼べば大抵のことは解決してくれる。一方で半グレを取り締まる法律は整備されていないので、半グレの活動に対して警察は動きにくい。そんな背景があるので、半グレはヤクザよりも怖いという認識が芸能界にもでき上がっているように思います。もはや暴力装置としてはヤクザよりも半グレのほうが上なのです。半グレの連中は、芸能界周辺のあらゆるところに入り込んでいますよ。依頼されればライバル会社の足を引っ張るような裏工作をすることもあると聞いています」

宮迫博之の「ギャラ飲み疑惑」に関して、宮迫本人と野口被告の証言が真っ向から対立しているのは連日テレビや新聞で報じられている通りである。接見の最後に本誌は改めて宮迫と同席した夜のことを確認した。野口被告は、前号で話したことがすべてとしたうえで、

「お互いに酔った席のことですからね。私は言った言わないの水掛け論になると思っていましたよ」

淡々とそう語るのみだった。野口被告の証言に対して、「犯罪者の発言は報じるべきではない」と言わんばかりの空論が公共の電波を通じてまき散らされた。

言うまでもないことだが、取材の基本とは、相手が誰であろうと事件の当事者に直接話を聞き、真相に迫ることだ。

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『FRIDAY』2019年8月16日号より

  • 撮影蓮尾真司(岡本昭彦社長)

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